父島での長中波帯に使用する発振器を新たに製作しました。

いままで運用していたDDS発振器と交代です。

理由は、DDS発振器の発売元の貴田電子KEM社が

キット製品の販売を停止したので、故障時の対応等を考慮しました。

 

 

DDS発振器

本機が故障でもすると、

回路や動作原理が不案内のため、修理出来ません。

 

 

 

 

新しい長中波発振器(前面)

左右2個のスイッチを両方とも、上にすると136K帯を出力し、

下にすると475K帯を出力します。

中央のLEDは、CW時に点滅します

ケースは、DDSと同じです。

 

 

 

 

 

裏面

各BNCコネクターから136K、475Kそれぞれの送信機へ直結します。

これにより、運用周波数の変更時に、送信機との接続変更は必要ありません。

右の「817」には、親受信機としてFT817を接続、

左の「KEY」に電鍵を接続します。

 

 

 

 

内部

万能基盤ICB-86を2枚使って、発振基盤(写真の左半分)と

LPF基板(右半分)を作りました

 

 

 

回路図

HF帯の水晶発振器の発振信号を

分周回路で長中波帯の周波数に変換しています

X1=8736kHzを64分周して136.5kHzを得、

X2=7560kHzを16分周して472.5kHzを得ています。

分周後の出力は矩形波なので、LPFを通して(疑似)正弦波としています。

スイッチS1とS2は連動(同時に上または下)して操作します。

2接点3回路スイッチに交換の予定です。

 

 

 

 

136.5kHzの波形

50オーム負荷で約1.3Vの出力。

DDS発振器では0.3Vの出力でした。

 

 

 

136.5kHzの高調波測定

第二高調波でー55dB、第三でー60dBくらいです。

 

 

 

 

 

472.5kHzの高調波特性

第二、第三とも約ー50dBです。

 

 

 

出力周波数の測定確認

136.5kHzの出力周波数は設計値に対して、+0.2Hzです。

(誤差:+0.00014652%)

ということは、X1=8736kHzの水晶発振器の発振周波数が

0.2×64=12.8Hzズレていることを示しています。

X1の発振周波数に、例えば400Hzのズレがあると仮定すると、

分周後の周波数は、400÷64=6.25Hzのズレになります。

 

 

 

 

472.5kHzの出力周波数

+0.9Hzの偏差となりました。

分周方式によって、基本発振器のズレ(偏差)も分周されるため、

安定度の良い正確な発振器となりました。

 

 

 

 

JD1(小笠原)で運用する周波数について

長波帯:136.5kHz・・・2011年11月初送信 1ST  JD1

中波帯:472.5kHz・・・2019年 3月初送信 2ND  JD1

周波数は、短波帯のバンドプランのCWが、

各バンドの下方端に設定されているので、それをマネしました。