もう2ヶ月も経ったみたいです。

こんなブログ、上げてました。


ろくにエアーの点検もせずに乗り回していたツケで、リアのチューブが、捻れによる穴あきを起こし、いきなりのパンク修理になった日の事です。


以来、毎日欠かさず、出かける前は必ず空気圧チェックをするようになりました。


多少の減りはあったものの、約2ヶ月、何とか乗り越えて来ました。


しかし、昨日、いつものように空気圧チェックを始めたら、リアがやけに少ないのです。

いつもは、規定より少し多めに入れて、15分程走って市役所に向かいました。

滞在したのは10分も居たかいないかです。

駐輪場に戻って見ると。。。。


明らかにリアタイヤが沈んでいます。


あちゃー🤷‍♂️


市役所から最寄りのいつもの自転車店に駆け込み、手持ちがないので帰れる分だけ、エアを入れて下さいとお願いしました。

それから2か所、用事を済ませてから、まだリアは大丈夫そうだったので、何とかマンションの近くの別の自転車店に駆け込みました。

バイクを降りてみると、既にエアは抜けており、

店の社長も、『明日、やろう』と言われ、カブを預けて歩いて帰宅しました。



今朝、9時に待ち合わせをしていたので店に行くと既に社長は腕組みをして座って待っておられました。

『昨日あれから空気入れたんだけど、ダメだな』

『じゃ、やろうか。』


社長はおもむろに近くから軽トラを持って来て、

『積むから後ろから押してくれ』

と言われて、2人でカブを軽トラの荷台に積み込みました。


そして一旦、ロープで固定すると、軽トラをバックで店内に。




そしてカブのロープを解き、センタースタンドを掛けるとカブを目一杯荷台の後方に引きずり出したのです。



そしてあっという間にホイール周りを分解し、



たちまちタイヤレバー3本を躊躇なく駆使して、あっという間にチューブの摘出となりました。

ところが、社長、ある異変に気付き、ピンポイントでチューブを取り出し始めました。

すると一か所からチューブがこんな状態で。。。




当初の予想通り、チューブが、あるポイントに集まって捻れていました。




で、今回のパンクの原因はこの穴。

他にもチューブを観察すると、至る所に痛みが。




これでは、いくら毎日欠かさずに空気圧チェックをしても、無駄だった訳です。


ボクがチューブに気を取られている間に既に新品のチューブが入れられていました。



遠目から軽トラの上の手術中のカブ。



それから写真を撮る暇もないスピードで組み上がって行きます。



そして完成。



ちょっと遠目から




現在、御歳82歳。ちょうど、ホンダが1958年に初代スーパーカブC100を出した時、社長は18歳。元々、社長が2歳の頃、社長の親父さんが開業した店。親父さんの跡を継いだこの店、実に創業80年にもなります。

正にカブと共に歩んで来た人生と言っても過言ではないでしょう。

しかし、最近は、契約していた新聞店のカブの面倒を他の店に分配し、土曜日も休みになり、少しずつ仕事を減らしているそうです。

春先には大きな段ボール入りの自転車の箱で狭い店内が身動きが取れない程ですが、その自転車も、更に電動自転車も、最近は入荷量が減ったそうです。


最後は、再びカブを軽トラから下ろすのを後ろから支えてお手伝い。無事40分で終了しました。

ボクは社長に、

『リアタイヤ後、どれくらい乗れそうですか?』

とお聞きしたら、

『そうだな。まあ5000km位かな』

と回答。

部屋に戻って確かめたら、最初のタイヤ交換が

14574.2km。

そこから今日まで、7957km走行。

そこに概算で5000kmを足すと。。。

12957km‼️

タイヤのメーカーもライフも違えど、ほぼ近い数字が出ました。

やっぱり長年カブを見てこられた方だな、と思いました。

使用した工具を観察。

最初、プライヤー。チェーンを外す。

次にブレーキロッドのクリップを引き抜き、ブレーキトルクロッドのナットを14mmのディープソケットで取り外し、スプリングも抜き取る。

更にリアアクスルシャフトを14mmと19mmのメガネレンチで緩め、シャフトを抜くとちょうどリアタイヤが真下に落ちる計算。

後はニップル回しとタイヤレバー3本。リムにタイヤをはめやすくするワックスなど。

たったこれだけで作業は進められました。

と、この時一言。

『スプロケット側のカラーをよく入れ忘れるんだよな。素人は。だから、全部組み終わって、あれ?ってなってもう一度全部バラシ。だから気をつけな。』

とありがたいご忠告。

そして、

『まだ、ダンパーも分離してないし、当分安心だわ』とも。

『あんまり話しながら手を動かさないから(失礼しました)リアブレーキ、ゆるゆるになる所だったぞ(笑)』


あまり笑わない社長が表情を僅かに崩されました。

80歳を越えてもまだツナギを着続ける社長。


丁寧にお礼を述べて、カブと、交換したチューブを頂き、そのまま押してマンションまで戻りました。


月末に手痛い出費だったけど、そのあたりのYouTubeを見てるよりずっと勉強になりました。


もっとも、リアボックスが付いていないカブなら、持ち手があるので、未だに1人で荷台に乗せ下ろしされているそうです。


ご自分の限界を感じつつ、でも、確かな腕でこの街の自転車や小型バイクを見守ってこられた社長。時々、軽トラにCB750を積んでいるのもお見かけしました。


これからも元気でいて欲しいものです。


急なお願い、ありがとうございました。


この街でも、素敵な出会いがありました。