8細胞期のヒト胎児

 

 

 秋田の聖母からの輪廻は続く

 

昨日、秋田の聖母マリアからメッセージを受け続けていたとされる、シスター笹川さんが逝去されたことについて記事にしました。

 

シスター笹川さんが亡くなったことは、ライフサイト・ニュースというカトリック系の報道メディアで知ったのですが、その記事を見ていたときに、サイドバーなどに表示される別の記事の中に、

 

「人間の生命は受胎から始まる」

 

というタイトルの記事がありました。

 

これはどういうことかというと、カトリック系のこのサイトは、中絶に強く反対しているメディアのひとつであり、そして、逆にアメリカには「中絶を推し進めている団体や専門家」がたくさんいます。

 

そのような中絶を推し進める人たちの「概念」のひとつに、「お腹の中の赤ちゃんは、成立した人間ではない」という考え方があり、それはつまり「妊娠した人の臓器の一部に過ぎない」というような言い方でもいいかもしれませんが、そういう概念に対しての反対を表明する意味での、

 

「人間の生命は受胎から始まる」

 

という記事でした。

 

記事では、「受胎した瞬間から、それはすでにひとりの人間である」ということになり、それを殺害するということには罪がある、というのが、このカトリック系メディアの主張だと思います。

 

今回は、その記事をご紹介しようと思うのですけれど、ちょっと、この「中絶」という言葉から、またも、昨日の記事でもふれた「ファティマの話」に戻されてしまうのでした。それで、少し横道に逸れる話になりますが、書かせていただこうと思います。

 

なお、一応書いておきますと、私自身の中絶そのものに対しての意見を述べるつもりはありません。

 

この世にはさまざまな個人の事情や社会の事情があることも確かであり、一概に非難されるものだとも思えないですし、しかし、「いいことだとも思わない」という感じでしょうか。

 

このあたりは、あれですね。

 

比較的最近の「太陽活動とサイクルを共にするアナーキー・イン・ザ・UKを見て」という変なタイトルの記事にも出てきましたバンド Sex Pistols のジョン・ライドンさんあたりと似ている部分もあるかもしれません。

 

ジョン・ライドンさんは Sex Pistols の 1970年代のファーストアルバムで、「中絶に対しての強烈な嫌悪」を歌詞にしていました ( Bodies という曲。ここでの Bodies は中絶された赤ちゃんたちの遺体のこと)。

 

♪Body, screaming fucking bloody mess
Not an animal
It's an abortion

 

さて、話が混乱し過ぎる前に進めます。

 

 

 ロシアという国のひとつの側面

 

昨日の記事でもリンクしました「ファティマの聖母から知る「永遠の地獄」への序章(1)」という 10年ほど前の記事には、ファティマでの「聖母からの3つのメッセージ」というものが、子どもたちに告げられたことにふれています。

 

第一のメッセージと第二のメッセージは明らかになっていますが、「第三のメッセージ」は、今にいたるまで公開されていません。それほど衝撃的な内容らしいですが、公開されていないものを推定しても仕方ないですので、そのあたりは、ファティマの聖母 - Wikipedia の「ファティマ第三の秘密」というセクションなどをご覧ください。

 

参考までに、第一のメッセージと第二のメッセージの概要は以下のようなものでした。

 

ファティマの聖母の第一のメッセージ

 

死後の地獄が実在することについて:多くの人々が罪深い生活や傾向によって、死後地獄へ導かれている。肉欲や傲慢など現世的な罪から回心しないままでいることにより、人は死後、永遠の地獄へと行く。

 

具体的に、聖母はこの少女ら3人に、地獄のビジョンを見せ、彼らはそのあまりの光景に戦慄した。

 

地獄は神話ではなく実在し、そこは全ての人が死後行く可能性のあるところで、入ったが最後、二度と出ることはできない。

 

ファティマの聖母の第二のメッセージ

 

大戦争の終焉と勃発:第一次世界大戦は、まもなく終わる。しかし人々が生活を改め罪を悔い改めないなら、さらに大きな戦争が起き、沢山の人が死に、そしてその多くが地獄に落ちてしまう。その前兆として、ヨーロッパに不気味な光が見えるだろう。

 

そして、「第三のメッセージの内容は不明」となっています。

 

このファティマのメッセージは余談でしたが、実は、先ほどの 10年ほど前の記事には「続き」があるのです。以下の記事です。

 

(記事)ファティマの聖母から知る「永遠の地獄」への序章(2) - 毎年5千万人の赤ちゃんが「生まれてこない」現代社会の中のロシア由来のカタストロフ
In Deep 2015年03月16日

 

ファティマのメッセージは、全体として、「ロシアというキーワード」が大変に重要なものとなっているのですが、上にリンクした記事を書いていたときに、何となく「ロシア」について調べていました。

 

その中で、

 

「ロシアは世界で最も中絶件数が多い国」

 

であることを知ったのです。

 

記事そのものが 10年ほど前のもので、そこでのデータは、2006年までのものでしたが、ダントツでロシアが多かったのです。

 

最近のデータを見ましても、あまり変わっていませんでした。全年齢層では、ロシアがぶっちぎりです (ピンクのグラフは 20歳未満)。

 

女性人口1000人あたりの合法人口中絶件数の比較

honkawa2.sakura.ne.jp

 

だからどうした、という話ではないのですが、10年前に、ロシア人についてのこのような統計を初めて見た次第でした。

 

およそですが、毎年の世界の中絶件数は 4000万人から 5000万人とされていますので、21世紀だけでも 10億人規模に達しているはずです。

 

中絶は今後も増えていくと思います。日本でも、日本初の経口中絶薬が承認されましたので、「統計の数にならない中絶」が増えていくのだと思われます。

 

これについては、本当に難しい問題だとは思いますが、しかし、学問的にも赤ちゃんは受精した時点で人間として成立していることは事実でもあります。

 

いろいろと長くなりましたけれど、ライフサイト・ニュースの記事をご紹介します。

 

 


【人間の生命は受胎から始まる。これは党派的な偏見ではなく事実である】

Human life begins at conception. This is a fact, not a partisan bias
lifesitenews.com 2024/08/16

 

生命がいつ始まるのかという真実は、中絶活動家たちが、中絶は人間を殺すものではないと一般大衆を騙そうとしているため、あまり受け入れられていない。

 

 

8月14日、アリゾナ州最高裁判所は、秋にアリゾナ州が憲法上の中絶の権利を保障するかどうかを問う住民投票を前に同州の有権者に配布された情報パンフレットで「胎児」という言葉が使われてもよいとの判決を下した。

 

胎児を非人間化することは胎児殺害を支持するよう有権者を説得する鍵となるため、中絶活動家たちはそのような言葉が使われるのを阻止しようと闘ってきた。

 

アリゾナ州中絶アクセス協会は、共和党が多数を占める立法議会に対し、「胎児の人間」という表現の使用をめぐって訴訟を起こし、この表現は「政治的な言葉」であると主張した。

 

アリゾナ州高等裁判所も、この表現は「感情と党派的な意味が詰まっている」として同判決に同意した。

 

アリゾナ州最高裁判所は高等裁判所の判決を覆し、「胎児の人間」は有権者向け情報パンフレットに記載されることになった。残念ながら、州務長官事務所は、この表現は投票用紙自体には記載されないと発表している。

 

これに対して、アリゾナ州中絶アクセス協会は、「私たちはこの判決に深く失望していますが、アリゾナ州中絶アクセス法の真実と、この秋に中絶ケアへのアクセスを回復し保護するために賛成票を投じることがなぜ重要なのかを有権者に伝えるために全力を尽くすことを躊躇しません」と述べた。

 

中絶活動家たちが胎児を人間として認めることを自分たちの活動に対する脅威とみなしていることは明らかであり、それは驚くことではない。

 

アリゾナ州中絶アクセス推進団体は、11月5日に何千人もの胎児の運命を決定する有権者(中絶の是非を問う住民投票を実施する他の多くの州の有権者も同様)は、今後「専門家ではなく反中絶の特別利益団体が作り上げた偏った政治的な言葉にさらされる」ことになると主張した。

 

この厚かましい嘘には反論する価値がある。

 

正直なメディアなら、この事件に関連する科学的事実を報道するだろうが、報道しないのは、中絶が子宮内の人間の命を残酷に終わらせる暴力行為であるという事実を明らかにし、中絶政策を弱めるからだ。

 

ムーアとパーサウドの決定的な教科書『人間の発達:臨床指向の胎芽学』(2016年出版、第10版)から引用しよう。

 

人間の発達は受精で始まり、精子が卵母細胞と融合して単一の細胞、受精卵が形成される。これが私たち一人ひとりが独自の個人としての始まりとなる。

 

この教科書は北米全土の医学部で使用されている。アリゾナ中絶アクセス協会は、この教科書が「専門家ではなく中絶反対派の利益団体が作り上げた、偏った政治的な言葉」で満ちていると考えるのだろうか。

 

あるいは、ユタ大学医学部の神経生物学および解剖学准教授、モーリーン・コンディック博士の以下の言葉はどうだろうか。

 

精子と卵子が融合した瞬間(受精の始まり)から、ヒトの受精卵は完全な一体として機能し、受精卵のすべての部分が調和のとれた形で相互作用し、受精卵が成熟状態に向かって発達し続けるために必要な構造と関係を生み出す。

 

…受精卵は、事故、病気、または外部からの介入によって中断されない限り、最終的な身体の形成、誕生、幼少期、青年期、成熟、老化、そして死に至るまで、途切れることなく発達プログラムを開始する。この協調行動は、まさに生物の特徴だ。

 

受精の瞬間から、私たちは人間の一部ではなく、コンディック博士が断言するように、完全な人間全体を持っている。

 

しかし、アリゾナ州の中絶アクセスのためにこれらの専門家でさえ十分でないならば、スティーブ・ジェイコブス氏が 2019年に発表した研究を検討してほしい。

同氏はこの研究を、Quillette誌の「私は何千人もの生物学者に生命がいつ始まるのか尋ねた。その答えは受け入れられなかった」という記事で要約している。なぜ受け入れられなかったのか? それは、結局のところ、生命は受精時に始まるという科学的コンセンサスは鉄壁かつ圧倒的であり、多くの報道関係者を動揺させた発見だからだ。

 

メディア関係者が最も興味を持ったのは、私に回答した 5,577人の生物学者のうち 96%が、人間の生命は受精時に始まるという見解を支持したという私の調査結果だった。

 

人間の受精卵、胚、胎児は生物学的な人間であるというこの見解の報道が、これほど強い反発を生んだ。これは予想外のことではなかった。なぜなら、この調査結果は、1973年のロー対ウェイド事件の保守派反対派に材料を提供するからだ。

 

この事件では、米国最高裁判所が「生命がいつ始まるかという難しい問題」についてコンセンサスは存在せず、「人類の知識の発達のこの時点では、司法は答えについて推測する立場にない」と示唆していた。

 

私たちが使う言葉からも、私たちは実際に生命がいつ始まるのかを知っていることがわかる。

 

子宮内の子どもが「12週」または「22週」である等と私たちが言うとき、それは何を言っているのだろうか。

 

何から 12週だろう。

 

もちろん、答えは明らかだ。

 

新しい人間の生命の始まりから 12週であることを意味している。

 

進歩主義者たちは、科学が究極の基準であると主張し、現在彼らの仲間の間で流行している観点を確認する新しい研究があれば、喜んで誇示する。

 

しかし、彼らの中絶擁護が、すでに始まった人間の生命を暴力的に終わらせるためのグロテスクな推進であることが科学によって証明されると、彼らは、彼らが望むように生き続け、そして殺し続けられるように、証拠を捨て去るよう怒りと共に要求する。

 

 

 

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