6月18日、北朝鮮兵士が国境付近で壁を建設している様子が確認される
北朝鮮軍は国境付近で壁を強化
韓国の北朝鮮の国境沿いでは、10日ほど前の 6月9日、「北朝鮮兵士が軍事境界線を一時侵犯した」と報じられたことがありました。
これについて、その後、韓国の当局は、
「北朝鮮兵士が道に迷ったものとみられる」
と述べていました(苦笑)。さんざん軍事境界線についての訓練と知識を詰め込まれている最前線の北朝鮮兵士が「うっかり国境を超えてしまった」という見解を述べていたのですが、6月18日、またも、北朝鮮兵士が軍事境界線を一時侵犯し、韓国軍が警告射撃したことが伝えられています。
韓国の聯合ニュース(日本語版)は、またも、
> 前回同様、道に迷ったものとみられる。
と報じていました。
しかし、「その後、地雷が爆発し、複数の北朝鮮兵士が死傷した」と聯合ニュースの報道を引用して複数のメディアが伝えました。
米ゼロヘッジは以下のように報じています。
実弾射撃事件:北朝鮮兵士が軍事境界線を越え、死傷者が出たという報道
Live Fire Incident: Casualties Reported After North Korean Soldiers Cross Military Demarcation Line
ZeroHedge 2024/06/18
北朝鮮が数百個のゴミや排泄物を詰めた風船を韓国に飛ばすなど、この数日にわたって緊張が高まっていた後、厳重に武装された朝鮮国境で何か大きなことが起こっている。
韓国の聯合ニュースによると、韓国国境警備隊が警告射撃を行った後、北朝鮮兵士数十人が一時的に国境を越え、すぐに撤退したとの報告が複数あるという。
ロイター通信は現地時間午前11時頃、聯合ニュースを引用して次のように伝えた。
「韓国軍は、北朝鮮兵士が国境付近の軍事境界線を越えたため警告射撃を行ったと、聯合ニュースが 18日、韓国合同参謀本部を引用して報じた。
聯合ニュースはさらに、「北朝鮮軍は、国境付近の地雷爆発で『多数の死傷者』を出した」と伝えた。
AFP は以下のように報じている。
聯合ニュースは、韓国との厳重に警備された国境付近で活動していた北朝鮮兵士数名が地雷の爆発で負傷したと、ソウルの合同参謀本部を引用して報じた。
「北朝鮮軍は作業中に地雷が爆発し、多数の死傷者を出した」と発表されたが、詳細は明らかにされていない。両国の国境には地雷が敷設されている。 AFP News Agency
何が起こっているのか詳細はまだ明らかになっていないが、今回の出来事は国境沿いで実弾射撃事件が発生してから 1週間後のことだ。先週 6月9日、韓国国境警備隊は、韓国側の部隊が 「道に迷って」南側の国境を越えたことを受けて警告射撃を行った。
もし、今回の出来事で、北朝鮮軍の死傷者が確認されれば、金正恩氏が核実験再開の可能性を警告している中、歴史的な敵国同士の大規模な実弾射撃事件の始まりとなる可能性がある。
ここまでです。
今年の 1月、北朝鮮情勢の分析に関してアメリカで最も詳しいひとりと言えるロバート・L・カーリン氏の「金正恩氏は戦争の準備をしているのか?」という記事を以下で翻訳したことがあります。
(記事)「金正恩氏は戦争の準備をしているのか?」という東アジア分析専門家たちによる米国の記事
地球の記録 2024年1月24日
この記事にもありますが、金正恩氏は昨年 12月に以下のように宣言し、韓国を正式な敵国として示しました。
「南北関係は、もはや血族関係や同族関係ではなく、互いに敵対する 2国家間の関係と交戦する 2国家間の関係に完全に固定されている」
これはともかくとして、アメリカ軍の準機関紙であるスターズ・アンド・ストライプス(星条旗新聞)は、6月17日の報道で、
「北朝鮮は対戦車障壁と壁で非武装地帯内を強化している」
と報じていました。
非武装地帯内の監視所にいる北朝鮮兵士(撮影日時不明)
韓国国防省
今日 6月18日に、実際に何が起きたのかは不明ですし、今後どうなるかも不明ですが、北朝鮮兵士による繰り返しの国境侵犯は、どこか「試行」的にも見えなくもなく、直近で何かが起きるということではなくとも、国境を強化しているあたりからも、「大きな計画」が進んでいる可能性もあります。
世界中どこも穏やかではないですが、朝鮮半島にもかなり不穏な雰囲気が強く漂っています。
転載元
K-POP🇰🇷に対する北朝鮮🇰🇵の反応…
— 金与正2号 【公式】 (@northkoreayo2) June 11, 2024
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