地球の環境は「人間が服用する薬剤」で殺されつつある
今から 7年くらい前になりますか、英国エクセター大学でおこなわれた英国漁業協会設立 50周年を記念するシンポジウムにおいて、驚くべき発表が行われ、それを記事にしたことがあります。
それは、
「英国の淡水魚の5分の1がオスからメスへと変化しつつある」
という内容の発表でした。
そして、その原因は、
「排水中から河川などの水システムに流出した経口避妊薬(ピル)」
だったことがわかったというものです。
メス化したオスには、もうオスとしての生殖能力はありません。
つまり、ヒトの薬剤が魚類の増殖能力に大きな影響を与えているという話でした。
記事は以下にあります。
・完全絶滅プロトコル : 魚たちが次々と「男性から女性へと変化」しているその原因が判明。そこから気づいた「人間から水循環システムの中へ排出されている薬たちによる皆殺し」
In Deep 2017年7月8日
それだけではなく、抗うつ剤も魚の性質を変えてしまっていることがわかったりしたわけですが、その時まで私は「非常に当たり前のこと」に気づいていませんでした。
それは、
「人間が摂取した薬剤は、どんなものであれ、排泄を通して地球の水システムの中に流出していく」
という非常に当たり前のことに初めて気づいたのでした。
この世に排泄をしない人間はいないですし、何らかの薬剤を摂取した場合、それはそっくり環境中に流出するわけです。人間の飲料水も、基本的には環境中の水であるわけで、つまり、環境中に広がった薬剤や化学物質は、「飲料水として人にも循環する」ことになります。
以下のような簡単な図式です。
人間の薬が世界中の水体系に流入するシステム
・主要国のほとんどの下水処理は水洗システム
・なので、ほとんどの国で人間から排出されたものは自然の水の中に循環される
・ということは、口から体内に入った薬や化学物質は、排出物からそのまま水中に流入していく
環境がどれだけの薬剤などで浸食されているかということについて、2019年にイギリスの研究者が行った結果を以下の記事で書いたことがあります。
・地球の水は人間の薬により、もはや死につつある。そして、この大洪水の時代に次は大地が浸食され、完全絶滅への道程はさらに進行するはずで
In Deep 2019年5月16日
これらのことを知ったとき、私は、(当時の)人間の薬剤の中で「最も毒素の強いもの」のことをふと思いました。すなわち、
「抗ガン剤」
です。
抗ガン剤を服用している人の数は、ガンの増加と共に年々増えているわけですが、「それも全部、排泄と共に環境中に流出」します。
人間でも多くが死亡してしまうような、つまり人間でも耐えられないような強い作用を持つ抗ガン剤が自然の中に広がっていった場合、大げさではなく、「地球も終わりだな」と、当時思っていました。
最近、学術研究に関するメジャーメディアのザ・カンバセーションが、「環境が抗ガン剤に汚染され続けている」ことについての懸念を表した記事を発表していました。
特に、抗ガン剤の中にある「細胞増殖抑制剤」という、細胞を殺すことなく、その増殖を遅らせたり停止させたりする(とされている)物質に関しての問題が書かれています。
カンバセーションに引用されていた論文を読みますと、抗ガン剤の一部は、「 DNA と直接、相互作用をする」もののようです。
2014年の論文の概要より抜粋
抗腫瘍薬はガンの治療において重要だ。一部はデオキシリボ核酸(DNA)と直接相互作用するために、リスクの観点から最も重要だ。
活性の高い化合物である抗悪性腫瘍剤とその代謝産物は、大部分が廃水中に排泄され、μg/L 未満の範囲まで水生環境に存在する。
まずは、最初にカンバセーションの記事をご紹介します。
記事では、非常に多くの部分に論文や資料のリンクがなされていますが、重要なものだけのリンクとさせていただきます。
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【抗ガン剤の環境への汚染の懸念が世界的に高まっている】
Cancer drug pollution is a growing global concern
The Conversation 2024/05/16
ガンの発生率が世界的に増加する中、先進国では抗ガン剤の使用も年間約 10%の割合で増加している。
あらゆる医薬品は人間の健康の改善に大きく貢献する。しかし、環境への影響も大きな懸念事項となっている。
生態系における抗ガン剤
ガンの治療に使用される多くの分子の中には、細胞増殖抑制剤がある。
アメリカ国立衛生研究所 (NIH) の定義によると、細胞増殖抑制剤は「ガン細胞を含む細胞を死滅させることなく、その増殖を遅らせるか停止させる物質」となっている。
ガン患者がこれらの薬剤を服用すると、細胞増殖抑制剤を含む薬剤に含まれる化学物質が最終的に患者の固体および液体の廃棄物を通して排出される。
患者の排泄物は、病院または自宅の廃水システムに行き着くが、その中の化学物質は末端の廃水処理プラントで完全には除去されない。これらの化学物質は、さまざまな濃度で水生生態系、さらには飲料水供給にまで侵入する可能性がある。
細胞増殖抑制剤は、環境に有害な影響を与えるため、現在、新たに懸念される汚染物質(CEC)として分類されている。
問題点は明らかだ。抗ガン剤を使用する人が増えるほど、この問題(環境中に抗ガン剤成分が流出する問題)は悪化する一方だということだ。
急成長する殺人者
細胞増殖抑制剤はガン治療には不可欠だが、すべての生命、特に水生生物に重大な危険をもたらす。
水生生態系への医薬品の継続的な放出は、たとえ低レベルであっても、地表水の水質を低下させ、生物の多様性を危険にさらし、生態系の機能を混乱させる可能性がある。
ヨーロッパのいくつかの研究イニシアチブにもかかわらず、カナダを含め、これらの新たな汚染物質によってもたらされるリスクについて規制当局に情報を提供するために必要なベースラインデータセットが不足している。
ケベック環境分析専門センターが発行した最近の報告書で、カナダで登録されている主な細胞増殖抑制剤に関連する潜在的なリスクが明らかになった。
リスクは無数にあるが、私たちの研究にとって特に懸念されるのは、それらが魚の幼生に及ぼす毒性の影響だ。
ケベック環境分析専門センターの報告書では、5つの細胞増殖抑制剤が特定のリスクを引き起こすものとして強調されている。
これらの細胞増殖抑制剤には、タモキシフェン (乳ガンの治療)、メトトレキサート (非ホジキンリンパ腫の治療)、カペシタビン (結腸直腸ガンの治療)、および数種類のガンの治療に使用されるシクロホスファミドとイホスファミドの両方が含まれる。
水中に何か怪しいものがある
私たちの研究グループは、これら 5つの細胞増殖抑制剤と、それらが魚の胚にもたらす健康への影響を研究した。
まず、魚の死亡率、孵化成功率、心拍数に重大な悪影響は見られなかった。
しかし、詳しく調べてみると、イホスファミド(抗ガン剤)が魚の浮き袋の膨張に顕著な影響を及ぼしていることが明らかになった。浮き袋は、魚が水中での浮力を維持するための重要な機能を果たす。浮き袋が膨らまなければ、魚は水柱の中を自由に泳ぐことができず、生き残ることができなくなる。
2024年4月に発表された追跡研究で、私たちの研究チームは、細胞増殖抑制性の化学物質が魚の胚の甲状腺ホルモン調節にも影響を与えることを発見した。
甲状腺ホルモン機能の混乱は、私たちが最初の研究で発見した浮き袋障害を含む、魚の発育不全につながる可能性がある。
これは、水生生態系における細胞増殖抑制剤の存在による長期的な健康への影響についての懸念を引き起こす。
その影響は広範囲に及ぶ可能性がある。
魚は水生食物網の重要な要素であるだけでなく、生態系全体の健全性の指標としても機能する。彼らの発達と生存に何らかの混乱が生じた場合、生物多様性に連鎖的な影響を与える可能性がある。
ならどうすれば?
これらの医薬品が水生環境に及ぼす影響を軽減することはできるのだろうか。
未使用の薬剤を適切に処分することは、細胞増殖抑制剤を濾過できる廃水処理技術への投資と同様に不可欠だ。これらの取り組みは、医薬品汚染を削減するための強力な新しい規制によっても裏付けられる必要がある。
抗ガン剤は必要不可欠なものであるため、私たちは責任を持って使用する方法を学ばなければならない。
同時に、私たちはその影響を完全に理解し、的を絞った解決策を開発することを目的として、一般的に使用されている薬物の環境への影響についての研究を継続する必要がある。
研究者たちは、細胞増殖抑制剤が飲料水を汚染することによる人体へのリスクについて積極的に研究している。
これは発展途上の研究分野であり、不明な点も多く残っているが、飲料水中のシクロホスファミド(さまざまなガンの治療に一般的に使用される薬剤)への長期曝露が子どもの健康に重大なリスクをもたらすことはすでに明らかだ。
ガン治療用細胞増殖抑制剤の使用増加自体が、ガンの発生率の増加につながるという将来のフィードバックループを想像することは可能性の領域を超えるものではない。
私たちの行動への呼びかけが重要だと感じている。地球の管理者として、私たち自身の生態系を含むすべての生態系の健全性と完全性を守ることは私たちの責任だ。
ここまでです。
結局、最大の問題は、この記事の最後のほうにある、
> 抗ガン剤は必要不可欠なものであるため…
という部分に尽きます。
これに対して、
「抗ガン剤って不可欠かあ?」
と思わざるを得ないというほうの話です。
まあしかし、この抗ガン剤不要論については、今回の話の本筋ではないですので、ふれないですが、この抗ガン剤に関しても、たとえばコロナワクチンと同様の「社会の空気」が定着していることに問題があるのだとは思います。
感染症予防にはワクチン、ガンには抗ガン剤。
「そうかあ?」
という話ばかりが出てくるのでやめますが、ワクチンにしても抗ガン剤にしても、こういう人体にも自然環境にもリスキーなものが跋扈している責任の多くが、何も考えずに研究開発(機序に関して何も考えないということではなく、それ以外の影響を考えないということです)したほうの無能・無配慮の問題ではなく、「受け入れるほうの無能・無配慮」の問題に帰結するようには思います。
「ガンになったから抗ガン剤の投与を受けて助かりたい」と、あまりにも多くの人が微塵も疑念を抱かずに思っているということからも、それはおわかりになるのではないかと。
まあ実際には、「抗ガン剤の投与を受けて助かりたい」という願望さえかなわないのが普通ですが。
実際には、非常に多くの人たちの生命の剥奪と密接に関係しているのが抗ガン剤ではあるわけですが、そんな猛毒が、
「地球上の多くの水システムに循環し続けている」
わけです。
少なくとも、主要国ではほとんどすべての水システムがその状態でしょう。
2021年から始まった新たな環境災害
以下は、世界の川や湖など淡水における「薬剤による汚染の状況」で、1995年と 2015年を比較したものです。色が赤ければ赤いほど汚染度が高いことを示します。
1995年から2015年の薬剤汚染地域の拡大の状況
independent.co.uk
日本は 1995年も 2015年もどちらも全域赤いですが、2015年のほうはアジアからヨーロッパまで、くまなく真っ赤になっています。
そして、ご存じのように、「この後からさらに膨大な科学物質」が水中に解き放たれるわけです。
それは、コロナワクチンに使われていた脂質ナノ粒子です。脂質ナノ粒子は、いかなる動物に対しても高い炎症性と致死性を持ちます。
ファイザーやモデルナですとポリエチレングリコール、アストラゼネカならポリソルベート80などですが、それが、日本だけで「数億回」単位で体内に摂取され、それは「すべて排水から環境に出ていった」ことになるわけです。
世界でいえば、数十億回分です。
2021年1月にドイツの「コロナ議会外調査委員会」の聴聞会の記録を読んだことがあります。
そこでは、ドイツ研究センターヘルムホルツ協会の科学者のクルーガー博士という方が調査委員会の質問に答えるという形で進行しますが、そこで以下のようなやりとりがありました。
テンプリン氏 : 質問したいのですが、先ほど博士は、「体から排泄される」と言いました。このような排泄の結果、何か引き起こされる可能性のある危険性はあるのでしょうか。それとも、排泄と共に消滅してしまうのでしょうか。
クルーガー博士 : それ(排泄されたワクチン中の物質 = ポリエチレングリコールがどうなるのか)は調査されていません。
ホルツェイゼン博士 : それはひどい…。
クルーガー博士 : それに関するデータがないのです。
テンプリン氏 : これからは水を飲むのも危険になるというようなことに?
クルーガー博士 : 私は単に排泄について話したかっただけです。彼らは、これらすべての環境への影響について分析を行っていないため、排泄による環境への拡大をまったく考慮していないのです。
全文は、「コロナワクチンは人類史上最大の環境災害へ」という 2021年3月の記事にあります。
人間は体の作りが強いですが、他の動物はそうでもありません。
マウスの研究では、「脂質ナノ粒子の鼻腔内接種で 80%が 24時間以内に死亡した」という結果がありますが、数億人の人間がそのように毒性の強い脂質ナノ粒子を体内に入れていても、皆さんお元気であるあたりを見ても、人間の強さがわかります。
しかし、他のほとんどの動物は脂質ナノ粒子にはおそらく耐えられない。
特に、水中環境においては「全身に浴びる」わけですから、有害性から逃れられる方法がないのです。
今回の話は、抗ガン剤の話でしたが、抗ガン剤の環境への流出も今後さらに拡大するという確実な予測はできます。
それは、ガンが急速に増え続けているからです。
アメリカの15 - 44歳までのガンによる超過死亡率の推移
researchgate.net
現状でも、ガンになれば抗ガン剤を選択する人たちが圧倒的でしょう。すなわち、環境への抗ガン剤の流出もさらに増加していく。
これらの薬剤の環境への流入が、地球環境と人類の生活を完全に破壊に導くルートの中のひとつにあると私は確信しています。
この流れを止める方法は思い当たりませんが、ひとつあるとすれば、「人間が排泄をストップする」ということしかなさそうです。
人間の排泄が非常に効率的に止まる方法をひとつ知っていますが、わかりやすすぎることですので、ここでは書けません。
日本の整体の始祖である野口晴哉さんが、かつて「そんなに病気になるのがこわいのなら、首を切り落とせばいい。それであらゆる病気にかからずにすむ」とおっしゃっていたことを思い出します。
転載元