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新しい観察研究では、COVID-19に感染した後、認知障害が1年以上続く可能性があることがわかりました。
新しい研究によると、COVID-19に感染すると、認知障害が1年以上続き、重症の場合はIQスコアが低下する可能性があることがわかりました。症状が持続して治まった人は、病気の期間が短い人と同様に、認知障害が小さかった。
2月29日にNew England Journal of Medicine(NEJM)に掲載された大規模な観察研究では、COVID-19への曝露レベルと期間が異なる80万人に、認知機能評価と追跡調査をオンラインで実施してもらいました。認知障害は、long COVIDを含むCOVID-19後の多くの症候群に関与しており、感染が脳の精神的プロセスに永続的な影響を与える可能性があることを示唆しています。
この研究の著者らは、COVID-19の後に測定可能な認知障害があり、病気の重症度と期間に応じて拡大するという仮説を立てました。また、実行機能や記憶機能の客観的な障害、特に記憶力の低下やブレインフォグは、症状が持続する人には観察できるのではないかと推測された。
（ブレインフォグは直訳すると「脳の霧」という意味で、脳に霧がかかったようにモヤモヤとして、日常的な物事をしばらく思い出せなかったり、普段からやっていることが混乱してできないなどの症状が出るものです。）
研究者らは、認知機能の評価ツールを用いて、SARS-CoV-2感染歴があり、症状が12週間以上続いた参加者(治癒したかどうかにかかわらず)と、感染していない参加者の対照群の全体的な認知スコアを推定しました。COVID-19から早期に回復した軽症の人では、認知障害と記憶障害は小さかったが、重症の人では障害がより顕著であった。
より重篤な疾患を伴うより大きな障害
調査に回答した112,964人の参加者のうち、COVID-19から回復し、症状が4週間未満または感染後12週間で回復した人は、COVID-19に罹患したことがない人と比較して、全体的な認知機能に同様の小さな欠陥がありました。
軽度のCOVID-19で症状が解消した参加者は、感染していない参加者と比較してIQが3ポイント低下しました。症状が未解決の患者はIQが6ポイント低下し、集中治療室に入院したCOVID-19患者はIQが9ポイント低下した。SARS-CoV-2の再感染は、再感染しなかった人と比較して、IQがさらに2ポイント近く低下しました。IQ(知能指数)は、個人の相対的な知能を表すために使用される数値です。
この研究によると、記憶、推論、実行機能の課題は、認知機能障害の最も強力な指標であり、これらのスコアは参加者が報告したブレインフォグの症状と相関していました。COVID-19に罹患したことがない人と比較して、症状が未解決の人やSARS-CoV-2ウイルスの初期の変異株に感染した人では、より有意な欠損が見られました。さらに、入院した参加者は、入院しなかった参加者と比較して認知機能の障害が大きかった。
オックスフォード大学国立医療研究所の精神医学フェローであるMaxime Taquet氏は、「COVID-19に罹患していない人にも実施された革新的な認知テストを使用することで、この重要かつ十分に実施された研究は、COVID-19に罹患した人々の認知障害の規模を初めて正確に定量化しました」と述べています。 と声明で述べた。
Taquet氏によると、研究者たちは、COVID-19と認知の間には、極端に顕著になる、小さいながらも明らかな関連性があることを発見したとのことです。
「より重篤な認知障害を持つリスクは、COVID-19に罹患していない人に比べて約2倍高く、COVID-19で入院した人では3倍高かった」と彼は指摘した。
2月29日付けのNEJMの論説で、Ziyad Al-Aly博士とClifford Rosen博士は、この研究結果は懸念すべきものであり、IQの3ポイント低下の機能的影響と、ある参加者グループが他のグループよりも深刻な影響を受けた理由を判断するために、さらなる評価が必要であると述べました。
「これらの認知障害が持続するのか、それとも回復の予測因子や軌道とともに解消するのかを調査する必要があります。Covid-19に関連する認知障害は、後年、アルツハイマー病やその他の認知症のリスクが高くなる素因となるのでしょうか?また、学歴、仕事の成績、偶発的な怪我など、無傷の認知能力を必要とする活動への影響も評価されるべきである」と彼らは書いている。
Long COVID患者に対する研究の意義
この研究の参加者は、英国におけるSARS-CoV-2の感染を評価するReal-time Assessment of Community Transmission(REACT)研究において、約300万人の大規模なコミュニティサンプルの一部でした。研究者らは、この研究の参加者がlong COVIDに罹患しているかどうかは明らかにしていないが、long COVIDの患者はしばしば持続的な認知障害を報告している。
この疾患の普遍的な定義は認められていませんが、米国疾病管理予防センター(CDC)は、long COVIDを「急性COVID-19感染後に発症し続ける徴候、症状、状態」と広く定義しており、「数週間、数か月、または数年」続く可能性があります。
「long COVID」という用語には、SARS-CoV-2感染の急性後遺症、long COVID、および急性期後のCOVID-19も含まれます。
CDCが2022年に調査した米国の成人の約7%が、long COVIDを経験したと回答しています。米国の規制当局は、COVID-19に対するワクチン接種がlong COVIDの発症リスクを減らすことができると主張しており、今回の論文では、2回以上のワクチン接種がわずかな認知上の利点をもたらす可能性があることを示唆していますが、Journal of Clinical Medicineに掲載された最近の論文では、併存疾患や感染の重症度の存在とlong COVIDの症状の出現との間に有意な関連性は見られませんでした。
NEJMの試験には、進行中の症状を持つ個人を特定するための主観的な報告への依存や自己選択バイアスなど、いくつかの限界がある。long COVIDの人は研究に登録したかもしれないが、より重度の障害を持つ人は調査に参加できなかったかもしれない。さらに、特定のグループは、基本集団と比較して研究で過剰に表現されていました。
SARS-CoV-2感染前のベースライン認知データも入手できなかったため、研究者は認知機能の変化を評価したり、因果関係を推測したりすることができませんでした。
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