農作については、世界中から次々と「あまり良くないニュース」が伝わってきます。

 

先日の In Deep では、ラニーニャ現象が終わる気配を見せないために、今年のアメリカの多くで、非常に激しい干ばつが進行するという専門家の予測をご紹介しています。

 

[記事] ラニーニャ現象が終わらない : アメリカをはじめ世界の穀倉地帯の干ばつと異常気象がさらに厳しく継続する可能性。その先には「もはや食糧は存在しない」世界が
 In Deep 2022年4月5日

 

この干ばつの予測は、「主にアメリカの中部から西部」にかけてのもので、その地域ではすでに干ばつが起きているのですが、それがさらに激しくなると予測されています。

 

そして、その干ばつの影響を今は受けていないアメリカの東部に、今週終わりから、

 

「時期としては桁外れの強い寒気が流れ込む」

 

ことが予測されています。気象予報メディア BAMWX は、今週末のアメリカの気温の平年との比較が以下のようになるとしています。

 

青が濃くなるほど平年より気温が低く、逆に、黄色やオレンジは、平年より気温が高い地域です。

 

 

2022年4月9日のアメリカの平年の気温との差異の予測 (華氏)

zerohedge.com

 

 

これを見ますと、

 

・アメリカの西部では高温による干ばつが進んでいて

・アメリカの東部には厳しい寒気が入りこむ予測となっている

 

ことがわかります。

 

平年並みの気温の州がほとんどないです(皮肉なことに、すでに全体の 95%が干ばつ状態のテキサス州は平年並みの気温です)。

 

しかも、この東部の寒気は一過性のものではないようで、気象予報メディアは以下のように述べていると報じられています。

 

「 4月8日から 10日の間、米中西部で、植えられたばかりの農作物に凍結のリスクがある。また、今後 10日間から 20日間くらい、アメリカ中西部の平野北部からオハイオ渓谷まで農作物の凍結リスクが残る」 (BAMWX)

 

さらには、その後、

 

「新たな寒気が、アメリカ西部にも流れ込む」

 

としています。

 

以下は、来週からの寒気の予測で、予測精度は「50%」とありますが、このようになる可能性があるということのようです。濃い紫が最も低い気温の地域です。

 

 

2022年4月第2週からの気温の推移の予測

BAMWX

 

 

この予測通りとなりますと、アメリカ中西部は「干ばつが起きている上に、寒波でも作物がダメージを受ける」ということになってしまう可能性があります。

 

どちらにしても、厳しそうです。

 

アメリカでは、そもそもエネルギー価格の高騰と、肥料の高騰と品薄でも農家の人たちは苦労しています。以下はそのことにふれた先月の記事です。

 

[記事] 肥料パニック : アメリカの多くの農家の人々が「肥料を手に入れられていない」模様
 投稿日:2022年3月14日

 

最近の海外の記事では、アメリカの窒素肥料の価格はさらに上昇し、過去数週間で43%上昇したそう。

 

寒波といえば、フランスでも過去最低レベルの気温に見舞われていまして、農作物に影響が出ている可能性が伝えられています。

 

[報道] 季節外れの寒波、ブドウ畑など霜対策 フランス (2022/04/05)

 

世界的にはどうなのかわからないですが、主要国に関しては、ここ最近は「強力な寒波」の報道を見かけます。

 

関係ない話ですが、ロシアは暖かいようです。

 

ロシアメディア RT の今週の天気予報記事を見ますと「モスクワでは、4月8日に最高気温が 16°Cまで上昇する」とありました。

 

さきほどのアメリカの天気予報図を見ますと、同じ 4月8日に、アメリカでは氷点下の気温に曝される地域がありそうです。

 

気候の配置のアンバランスも進んでいるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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