警備隊と対峙する抗議者

 

”カオス化するバングラデシュ。発令された夜間外出禁止令は「外出者を発見次第、射殺せよ」という命令を伴うものだった”

 

 軍も出動し、事実上の戒厳令下に

学生たちの抗議デモが暴力化に発展しているバングラデシュで、政府は、それに対して全土の携帯とインターネット通信網の遮断を実施した後、7月20日には、「外出禁止令」を発令しました。

 

夜間外出禁止令となっていますけれど、外出が許されているのは、正午から午後 2時だけのようで、さらに、AP 通信によると、外出禁止の時間帯に外出している者に対しては、

 

「発見次第、発砲せよ」

 

という「射殺もやむなし」という命令が伴っているものだそうです。

 

それでも、現状では、デモは収まっていないようで、当局は、抗議者たちに対しての実弾の使用を認めています。

 

抗議者側の死者はすでに 100名を超えていると報じられています。以下は暴動の様子がおさめられた動画です。

 

 

 

さらに、首都には「軍の検問所」が設営されたようで、つまり、現在のバングラデシュは事実上の戒厳令下にあるようです。

 

軍隊が出動したことにより事態は収束に向かう可能性が高いようにも思いますが、太陽活動も高いこういう時期ですので、なんとも言えません。

 

しかし何より思いましたのは、バングラデシュは人口 1億7000万人の国ですが、理由が何であれ、全国の電話とインターネットを一瞬にして遮断できる権限を政府は持っているということでした。そういう権限は日本政府にもあるのだと思います。

 

今後のバングラデシュの動向を見ることは、自分たちの未来の動向とも、まったく関係のないことではないようにも思います。抗議の理由が違うだけで。

 

バングラデシュの現状についての報道です。

 

 


【バングラデシュ、学生主導の抗議活動が死者を出す中「発見次第射殺命令」を発令】

Bangladesh Issues 'Shoot-On-Sight-Order' As Deadly Student-Led Protests Spiral
zerohedge.com 2024/07/21

 

 

バングラデシュでは、学生たちが主導する数週間に及ぶ抗議活動が、深刻な経済危機と、シェイク・ハシナ首相率いるアワミ連盟の支持者に高給の公職を与えるという不当な利益を与えると広く見られている物議を醸す新法の施行を背景に、暴力行為の増加に発展している。

 

6月初旬以来、キャンパスでの抗議活動は、新政策が撤回されるまで、国を全面的に閉鎖するよう求めている。夏の初めに下された高等裁判所の判決は、1971年のパキスタンからの独立戦争で戦った退役軍人の家族に政府職の 30%を保証する割り当て制度を支持するものだった。

 

これに対して、学生抗議者たちは実力主義のシステムを要求した。一連の大学抗議活動は、当初は平和的だったが、次第に混乱を招き、警察との衝突が起こり、死傷者も出た。

 

そこから抗議活動は全土規模に拡大した。

 

デモ参加者の死者は数十人に上り、警察も死傷者を報告している。一部の報道によると、デモ参加者の死者は 100人を超え、その数は日ごとに増加しているという。

当局が必死に事態の収拾を図ろうとする中、人口 1億7000万人の同国では通信が断続的に途絶えている。

 

当局も緊張を高め、20日には治安部隊が抗議活動を鎮圧するために実弾を使用することを認めた。 AP 通信は以下のように報じている

 

公務員のポストの割り当てをめぐる衝突で数十人が死亡、数百人が負傷したことを受け、警察はバングラデシュ全土で「発見次第発砲」命令を伴う厳格な夜間外出禁止令を発令し、軍部隊は 20日に首都の一部を巡回した 。

 

与党アワミ連盟のオバイドゥル・クアデル書記長は、夜間外出禁止令は深夜 0時に始まり、正午から午後 2時までは必要不可欠な用事を済ませるために緩和され、日曜午前10時まで続く予定で、極端な場合には警官が暴徒に発砲することも許可されると述べた。

 

夜間外出禁止令を施行するため、首都ダッカの路上に警察と軍の検問所が設置された。

 

事実上、戒厳令が出されている状態であり、目撃者の一人は「人々は軍隊が派遣されるとは思っていなかったので不安になっている。しかし、バングラデシュでは軍隊に対する尊敬の念が非常に強いので、安堵している人たちもいる」と語っている。

 

アルジャジーラの特派員は「学生たちを支援している一般人はたくさんいる。現在、国内には大きな不満があり、多くの人々が現政権を受け入れられず、首相が力ずくで権力を握ったと感じている」と述べている。

 

一方、政府は野党が騒乱を煽っていると非難し、財産の破壊を非難し、さらに約300人の警察官が負傷したと指摘した。

 

 

 

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鳥インフルエンザを含めて、いろいろ鶏関係の病気の話題が続きますが、今度はブラジルで、ニューカッスル病ウイルスというものが、鶏から検出されたと報じられています。

 

ニューカッスル病とは以下のようなものです。

 

ニューカッスル病は、鳥類のウイルス性感染症である。ニワトリをはじめ多くの家禽や野生鳥類に感染する。日本も含めた多くの国に在来する病気で、伝染性が高く、経済的にも重大な影響を与える。

 

日本ではニワトリ、アヒル、ウズラ、七面鳥に関して家畜伝染病予防法の法定伝染病に指定されている。 Wikipeida

 

今回のブラジルでは大規模な感染にはなっていないようですが、しかし、あっという間に輸出が停止されるということを目撃しています。

 

鳥インフルエンザの際の世界中での大量殺処分などでもそうでしたけれど、今のような病気の時代には、食料流通に「突然」何が起きるのかはわからない面があります。

 

たとえば、日本の鶏のヒナは基本的に 100%輸入されているので、ヒナの輸入が止まれば、「国内の卵の生産も止まる」ことになり得ます。

 

そんなおり、 英国では、「人工の鶏肉」が承認されたりしているようですけれど、今後の数年は、食糧について常に危うい状態が繰り返されるような気はします。

 

ブラジルのニューカッスル病についての報道です。

 

 


【ブラジルで「ニューカッスル病ウイルス」が検出され、鶏肉輸出が停止、生産企業の株価が大幅に下落】

'Newcastle Virus' Detection In Brazil Halts Chicken Exports, Sends Shares Of Producers Sliding
zerohedge.com 2024/07/20

 

 

鳥インフルエンザが米国全土の商業農場を襲っており、これまでに 9人の感染例が報告される中、ブラジルでニューカッスル病が新たに発生したため、南米の同国は家禽類の輸出を一時停止せざるを得なくなった。

 

ブルームバーグによると、世界最大の鶏肉供給国であるブラジルは、リオグランデ・ド・スル州の養鶏場でニューカッスル病ウイルスが検出されたことを確認した。

養鶏場の鳥はウイルスのさらなる感染を防ぐため殺処分された。

 

同国の農業省が出した通知によると、同国はアルゼンチン、欧州連合、中国、インド、南アフリカ、メキシコへの鶏肉、卵、その他家禽由来製品の輸出を停止した。

 

ニューカッスル病ウイルスは人間には影響しないが、感染力が非常に強いため、7月18日にこのニュースが報じられて以来、ブラジル国内の主要鶏肉生産企業の株価を急落させた。BRF 社の株価は 7.5%下落し、Marfrig Global Foods 社は 9%、JBS 社は約 2%下落した。

 

 

ウイルスの検出に関するブルームバーグの詳しい情報は以下のとおりだ。

 

ブラジルのカルロス・ファバロ農業大臣は、鶏一羽が呼吸器系、神経系、消化器系を侵すニューカッスル病の検査で陽性反応を示したと述べた。

 

同大臣は 18日、記者団に対し、悪天候の後、鶏舎の屋根が崩れ、感染した野鳥の糞便に含まれるウイルスに鶏がさらされた可能性があると語った。

 

「今回の事例は孤立したケースのようだ」とファバロ大臣は語った。「この地域や、他の地域にも他に病気の動物がいる兆候はない」

 

ニューカッスル病がブラジルの家庭で飼われている鳥で最後に見つかったのは 2006年のことだ。国際獣疫事務局のデータによると、同国では商業用の鶏の群れでこの病気が報告されたことはない。

 

しかし、この出来事は、世界の食糧供給チェーンが脆弱であることを改めて思い起こさせる。

 

そして、どの政府も、一瞬の予告で食糧の輸送を停止することができ、それは大幅な価格変動につながる。このような不確実な時代においては、地元で調達するか、まだ購入していない場合は農地の購入を検討するのが賢明なのかもしれない。

 

巨大企業に頼るのをやめ、地元で調達できるようにするべきだ。

 

 

 

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著者らは、出生前ケアの混乱が新生児死亡率に寄与したと考えている。

 

新しい研究によると、パンデミックの社会的距離は、早産と1〜2か月以内の新生児死亡率の上昇に関連しています。

 

木曜日にJAMA Network Openで発表された研究では、アラバマ大学バーミンガム校(UAB)の研究者が、2016年から2020年までのアラバマ州での1,800万人以上の出生を評価し、パンデミック前の年と当局が20203月に公衆衛生上の制限を制定した後の期間を比較しました。

 

関連性はすぐにはわかりませんでした。しかし、研究者が社会的距離が実施された2か月後に新生児死亡率と早産率を調べたところ、集団の社会的距離の行動と新生児死亡率および早産との間に関連性があることを発見しました。新生児期には、赤ちゃんの生後4週間が含まれます。

 

この研究は、乳児の健康転帰に対する社会的距離の「予期せぬ影響」を評価したと、新生児科医でUAB新生児科の助教授である主任研究著者のVivek Shukla博士は、電子メールでThe Epoch Timesに語った。

 

臨床医兼研究者は、これらの関連性をより微妙に理解するためには、さらなる研究が必要であると述べました。

 

「この研究は、集団レベルでは、健康介入の遅れた効果があるかもしれないことを示している」と彼は言った。

 

「対策の効果が、対策が実施された初日に明らかでないことがあります。」

 

また、この研究は社会的行動が健康上の転帰とどのように関連しているかを評価しただけで、COVID-19感染が母子にどのような影響を与えるかは調べていないと付け加えた。

 

 

妊婦健診の減少

著者らは、今回の研究で得られた知見は、出生前ケアの混乱と妊娠合併症に関連している可能性があると述べている。

 

その結果、パンデミックの間、妊娠中の妊婦健診や健康診断が減り、これが集団の社会的距離の行動と関連している可能性があることが観察された。

 

「これらの予約は、母親と赤ちゃんの両方に生命を脅かす可能性のある合併症をキャッチして対処するために重要です」と、共著者であるUAB母体胎児医学部門の准教授であるレイチェル・シンキー博士はプレスリリースで述べています。

 

米国医師会によると、20207月と8月に調査した医師の81%が、パンデミック前よりも対面での診察が減ったと報告しています。対面訪問の平均回数は、週あたり95回から57回に減少しました。

 

さらに、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症、分娩誘発などの疾病率や、新生児集中治療室(ICU)への入院は、パンデミック中に高かった。

 

この研究では、新生児死亡率は2020年のパンデミック期間を通じて一般的に低かったが、人口が社会的距離の慣行をより遵守するようになった後、新生児死亡率と早産がわずかに増加したことがわかった。

 

「COVID-19は世界中の医療システムに影響を与え、多くの命が失われました。この経験から学び、将来起こりうる健康危機に備えることが重要です」とShukla博士は述べています。

 

「健康行動の変化がアウトカムにどのような影響を与えたか、ケアへのアクセスが制限されていたか、健康的な習慣が変化したかを理解する必要があります」

 

さらなる研究が必要

この研究は観察のみであるため、調査結果から因果関係の結論を導き出すことはできません。

 

「この結果は、パンデミックに関連する健康行動の変化の意図しない影響について、より詳細な研究が必要であることを示しています」とShukla博士は述べています。

 

 

 

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7月19日の大規模なデジタルディスラプションは、米国のセキュリティソフトウェア企業であるCrowdStrikeのソフトウェアアップデートのバグが原因でした。この停電により、フライトは運航停止となり、銀行や医療サービスにも支障をきたしました。

 

世界的なサイバー障害により、世界中で混乱が発生し、フライトが停止し、銀行や医療サービスが混乱しています。

報道によると、7月19日の大規模なデジタルディスラプションは、米国のセキュリティソフトウェア企業であるCrowdStrikeのソフトウェアアップデートのバグが原因でした。このバグは、Microsoft Windowsオペレーティングシステムを使用しているコンピュータに影響を与えましたが、LinuxおよびMacOSを使用しているコンピュータは影響を受けませんでした。

 

オーストラリア米国ドイツオランダシンガポール香港インドなど、世界中の多くの航空会社が数千便のフライトをキャンセルまたは遅延させなければなりませんでした。

 

CrowdStrikeのウイルススキャナ「Falcon」のバグにより、Microsoft Windowsがクラッシュし、「死のブルースクリーン」と呼ばれるブルースクリーンが表示されるなど、数百万台のコンピュータが被害を受けたと報告されています。

 

例えば、北アイルランドのベルファストにある保健省は、診療所が臨床検査結果、患者の記録、または定期的な処方箋にアクセスできなくなったと報告しています。BBCによると、放射線治療サービスも影響を受けたが、救急サービスは継続できたという。

 

世界中の金融サービス会社や銀行が顧客に混乱を警告し、世界中の人々が取引の問題を報告しました。

 

あるトレーダーはロイターに対し、「われわれは世界市場のあらゆる停止の元凶だ」と語った

 

テクノロジー億万長者のイーロンマスク氏もこの意見に賛同し、この事件を「これまでで最大のIT障害」と表現しました。

 

CrowdStrikeのCEOであるGeorge Kurtz氏は、同社のソフトウェアが問題を引き起こしたことを認めたが、サイバー攻撃が原因ではないと強調した。Xに掲載された声明の中で、同氏は「CrowdStrikeは、Windowsホスト向けの単一のコンテンツアップデートで見つかった欠陥の影響を受ける顧客と積極的に協力している」と述べている。

 

「MacとLinuxのホストは影響を受けません」と彼は続けました。「これはセキュリティインシデントやサイバー攻撃ではありません」

 

「問題が特定され、分離され、修正が展開されました。最新のアップデートについては、お客様にサポートポータルをご案内し、引き続き当社のWebサイトで完全かつ継続的なアップデートを提供していきます」

 

BBCのテクノロジー担当編集者、ゾーイ・クラインマン氏は、この事件について「世界がいかに巨大企業がリモートで管理するデバイスに依存しているか、そしてそれらが失敗したときに私たちがいかに無力であるかを痛感させる」と指摘した

 

差し迫ったサイバー攻撃に関するグローバリストの警告

CrowdStrikeのCEOは、世界的なデジタル障害はサイバー攻撃によって引き起こされたものではないと主張していますが、大規模なサイバーセキュリティ侵害がもたらす可能性のある結果を示しました。

 

グローバリストのWEFは、特に毎年恒例のCyber Polygon会議で、何年も前から「サイバーパンデミック」に備えてきました。 

 

2023年1月、世界経済フォーラム(WEF)の専務理事は、「今後2年以内に」壊滅的なサイバーイベントが発生する可能性があると警告しました。 

 

 

参考記事:世界経済フォーラムの幹部が今後2年以内に「壊滅的なサイバーイベント」を警告 

 

 

世界経済フォーラム(WEF)は2022年のグローバルリスク報告書で、「サイバー脅威が緩和されずに継続した場合、各国政府は加害者(実際のものであれ、認識されたものであれ)に対する報復を続け、サイバー戦争を公然とさせ、社会のさらなる混乱を招き、デジタルスチュワードとして行動する政府の能力に対する信頼を失うことになる」と警告しています。 

 

テクノロジー系ニュースブログ「The Sociable」の編集者であるティム・ヒンチリフ氏は、これは「政府が報復する前に実際の加害者の確認を必要とせず、ただ認識されている加害者だけであることを意味する」強調した。

 

2020年のCyber Polygon Conferenceで、WEFの創設者であるKlaus Schwab氏は、「COVID-19の危機は、この点で大規模なサイバー攻撃と比較して小さな混乱と見なされるだろう」と述べました。 

 

 

「私たちは皆、電力供給、輸送、病院サービス、そして社会全体に完全な停止をもたらす包括的なサイバー攻撃の恐ろしいシナリオを知っていますが、まだ十分な注意を払っていません」とシュワブは述べています。 

 

ジャーナリストのカイル・ベッカー(Kyle Becker)氏は、マイクロソフトはElectionGuardというプログラムを通じて、米国の「選挙警備」にも関与していると指摘した

 

「MicrosoftのElectionGuardは、米国の投票スペースの主要企業と提携して、選挙の『安全』を支援しています」とBecker氏はXに書いています。

 

「これはただの自然の混沌なのだろうか?それとも、2024年の選挙のプレビューですか?」と彼は尋ねました。

 

 

転載元

 

 

 

WEFのジェレミー・ユルゲンス専務理事は、「地政学的な不安定さから、今後2年以内に壊滅的なサイバーイベントが発生する可能性が高い」と述べています。

 グローバリストが、より中央集権的な管理と「官民パートナーシップ」のために利用しうるもう一つの危機だ。

 

 

 

南極で起きている成層圏突然昇温の状況

 

 

”現在、南極上空で起きている「尋常ではない異常」が、数か月後に私たちの北半球の気温と地磁気に影響をもたらすメカニズム”

 

めったにない異常が南極上空で起きている

「成層圏突然昇温」という現象をご記憶でしょうか。文字通り、成層圏において突然気温が上昇する現象のことなんですが、ここ数年は、北半球でよくこれが起きていました。

 

そして、この成層圏の気温が突然上昇する現象が「北極」で起きた際には、北半球の広範囲に信じられないほどの寒波をもたらします。

 

その原因は、通常、北極上空を規則正しく循環している「極渦」という大変に寒冷な大気が、成層圏の気温が突然上昇する現象によって「崩壊」して、その大気が一気に北半球に拡大するのです。

 


NOAA

 

以下の記事などでふれたことがあります。

 

(記事)成層圏の気温が突然上昇する現象により北極の大気循環が崩壊。これにより2月にかけて北半球に超低温がもたらされる可能性が…
In Deep 2021年1月9日

 

現在は世界中で猛暑猛暑と連呼されていますが、ほんの半年前までは、やはり極渦の崩壊で、アメリカなどにマイナス40℃などの信じがたい寒波をもたらしていました。

 

 

それでですね。

 

この「成層圏突然昇温」という現象がですね、

 

「現在、南極上空で起きている」

 

のです。

 

これは大変に珍しいことで、Wikipeida には、

 

> 突然昇温は南半球では滅多に起こらず、大昇温は観測されている限り2002年9月の一度しか発生していない。

 

とあります。

 

ともかく、南極で現在この突然昇温現象が起きているのですけれど、直接的な影響としては、南半球のいくつかの国に一種、壊滅的な低温をもたらしています。以下のような翻訳記事にあります。

 

(記事)厳しい寒波が南アフリカの農作物に壊滅的な打撃を与えている
BDW 2024年7月18日

 

(記事)アルゼンチンの一部で過去90年の観測史上での最低気温を記録
BDW 2024年7月11日

 

おそらく、これらは、南極で現在起きている突然昇温による「極渦の崩壊」の影響だと思うのですが、現在起きている南極での現象の中期的な影響と、そして、

 

「北半球に対しての影響」

 

について、気象の専門メディアであるシビア・ウェザー・ヨーロッパが解説していました。

 

このメディアの解説は常に大変に難解で、そして長いものが多く、今回のものも半分も理解していない状態なんですが、以下のような記述があるところに興味を持ちました。

 

(かつて起きた南極での成層圏の気温上昇の後)米国上空の電離層では、電子電荷の 40 ~ 80% の強力な異常が観測された。…これらの要因は地球の大気の地磁気活動に影響を与えており、その変化は検出され測定されるほど強力だった

 

というように、何と南極での突然昇温現象は、地球の地磁気にも影響を与えるようなのです。

 

しかも、遠い北半球にまでです。

 

さらには、以下のようにあります。

 

成層圏温暖化のような大規模な現象により、南極上空で長期にわたる高気圧異常が発生する可能性がある。

 

そして、その後、数週間から数か月の期間を経て、成層圏突然昇温現象の影響が北半球に現れる可能性がある

 

他の部分を読みますと、南半球の成層圏突然昇温と北半球の成層圏突然昇温は「連動する傾向」があるようです。

 

南半球の成層圏突然昇温が起きたあと「数か月」などで、「北半球にも成層圏突然昇温が起きる」可能性があるようなのです。

 

必ずということではないようですが、そうなりますと、今の夏が仮に暑いまま過ぎたとして、その後にやってくる冬などは一転して苛酷な寒波等が発生する可能性もないではないということと、

 

「地磁気の大きなレベル異常が北半球で発生する可能性がある」

 

ということのようで、現在の南極での層圏突然昇温は、時間の経過と共に、北半球の私たちの生活にも直結してくる可能性が高いです。地磁気の異常については、影響も複雑になりますが、その点は別の機会にということで、全般的な解説をご紹介します。

 

いずれにしても、北半球においても、今後、異常気象の傾向がさらに高まる可能性が高いです。

 

シビア・ウェザー・ヨーロッパの解説をご紹介しますが、あまりに難解な部分は省いており、また、実際にはさらに多くの図やグラフを提示していますが、一部とさせていただいています。わかりにくくなっているところがあれば、申し訳ありません。

 

 


南極上空でまれな成層圏の昇温現象が始まり、現在普通ではない強い異常が発生している。】

A rare Stratospheric Warming event has begun over the South Pole, with unusually strong anomalies now developing
severe-weather.eu 2024/07/15

 

南半球は現在冬季にあり、ダイナミックな気象パターンにより南極上空の成層圏で強い昇温現象が発生している。このような現象は南半球ではまれだが、強力で、地球全体に影響を及ぼすことが知られている。

 

 

こうした成層圏の昇温現象は大量のエネルギーを蓄えており、半球全体に影響を及ぼす可能性がある。北半球でこのような現象が発生し、冬の天候パターンに影響を及ぼした事例は過去にいくつかあった。

 

南半球で冬季の成層圏昇温現象が起きることは稀で、過去数十年間に数件発生したことが知られているのみだ。

 

現在発生している成層圏昇温現象と、それが北半球に及ぼす可能性のある異常な影響について見ていきたいと思う。

 

 

極渦循環

 

これらの現象の原動力は極渦だ。

 

極渦が何であるかを理解するには、通常、視覚化するのが最善だ。簡単に言えば、極渦は北半球(および南半球)の冬の広い循環を表す名前にすぎない。

 

極渦は大気圏の高いところまで広がっている。最下層は対流圏と呼ばれ、あらゆる気象現象がここで発生する。しかし、その上には成層圏があり、これはオゾン層があるより深く乾燥した層だ。

 

全体として、極渦は北極全体から中緯度までを覆う非常に大きなサイクロンのように機能する。極渦は地面から上まですべての大気層とつながっているが、高度によって形状が異なる。

 

このため、極渦全体を上部(成層圏)と下部(対流圏)に分ける。両者はそれぞれ異なる役割を果たすため、2つの別個のシステムとして監視するが、それらがどのようにつながっているかも非常に重要だ。(下の図の北極上空を回っているのが極渦)

 


NOAA

 

上部(成層圏)部分は、地上より高く回転するため、流れの障害物が少なくなり、より円形で対称的になる。

 

しかし、極渦の下部構造ははるかに不均一で、定期的に乱れている。これは、障害物として作用する地形/山々や強い気圧システムの影響によるものだ。

 

地面に近づくほど、複雑な地形と、極渦を変形させる多くの気象前線や気象システムにより、極渦はより変形する。

 

南半球でもプロセスはまったく同じだが、しかし、南半球には複雑な地形がはるかに少ないため、成層圏の極渦の乱れも少なくなる。

 

 

成層圏の極渦

 

極渦は私たちの日常の天候に大きな影響を与える可能性があるため、その状態を監視する必要がある。極渦は主に 2つのモードに分けられる。

 

強くて安定した極渦は、通常、強い極循環とジェット気流を意味する。これにより、冷たい空気が北極圏に閉じ込められ、米国のほとんどの地域でより穏やかな気候が生まれる。

 

対照的に、極渦が弱くなったり乱れたりすると、ジェット気流のパターンも弱くなる。その結果、極地から米国に逃げる寒気を封じ込めるのが難しくなる(極渦が乱れると米国が寒くなるということ)

 

 

したがって、北半球、南半球どちらの半球の話をしているかに関係なく、極渦が弱いと気象パターンがより乱れることになる

 

これは通常、極域成層圏の圧力または温度の上昇によって起きる。このような現象は「成層圏突然昇温」と呼ばれ、その名の通り、成層圏の急激な温度上昇を意味する。

 

以下は NASA の監視システムによる分析だ。2020年/2021年冬の北半球の成層圏ジェット気流が1月初旬にマイナス値に反転したことを示している(赤い線)

 

 

これは、非常に強力な突発的な成層圏温暖化現象によって引き起こされた、成層圏「極渦」の崩壊/崩壊現象だった。

 

成層圏突然昇温現象は、1月5日に極圏の風向きが逆転したことにより発生した。成層圏温暖化の波は成層圏内の北極全体に広がり、極渦の冷たい核を 2つの部分に分割した。

 

崩壊した極渦の一部は北米上空を移動し、もう一部はヨーロッパ上空を移動した。この時点では高度 30km にあるため、地表の冬の天候に直接影響はなかった。しかし、この時点で極渦は脆くも崩壊し、その影響は最終的に地上にまで及んでいった。

 

上記の出来事は北半球で発生したが、そのダイナミクスは南半球でもまったく同じだ。もちろん、最初の直接的な影響は南半球に限定されるが、後でわかるように、その影響は北半球にまで及ぶ可能性がある。

 

 

南極成層圏の温暖化

 

南半球は北半球と逆の季節だ。そのため、夏が終わりに近づいても南半球ではまだ冬があり、極渦循環が活発であることを意味する。

 

以下は NASA からの特別画像だ。高度約 30 kmの南成層圏極渦の中心部の温度を示している。紫色のラインは、成層圏の南極温度の強いピークを示しており、この時期としては過去最高に上昇している。

 

 

 

では、この現象はどのように進行しているのだろうか。

 

下の画像では、南極上空の成層圏の最新の温度分析を見ることができる。非常に強い温暖化波が南極渦の中心に押し付けられ、極圏の奥深くまで広がっている。

 

 

気温異常分析では、この高度 (10mb ~ 30km/18 マイル) で強い気温異常も示されている。この平年より高い気温の領域は成層圏温暖化現象であり、ピーク気温は長期平均より 60°C 以上高くなっている。

 

気圧パターンを見ると、南極に高気圧異常が見られ、オーストラリア南部と南アメリカに向かって低気圧が移動しているのがわかる。

 

これは循環の乱れを示しており、成層圏で発達している気圧異常と関係している可能性がある。

 

予報では、成層圏の温暖化異常は来月まで続くが、おそらく強度は弱まるだろう。

しかし、全体的に、これは南半球上空の成層圏温暖化現象としてかなり重大なものとなる。

 

 

世界的な気象への影響

 

私たちは北半球に住んでいるのに、なぜ、南極の成層圏の温暖化現象を気にする必要があるのだろうか?

 

これは、両半球間の地球全体の空気循環への影響による。冬の半球では流れと動きがはるかに激しく、夏の半球は一般的に穏やかだ。

 

これは「ブリューワー・ドブソン循環 (成層圏下部で起こる大気循環のこと)」と呼ばれ、両半球からの循環を大気圏上部で結び付ける。実際にはこのメカニズムは非常に複雑だが、これは基本的に、北半球の成層圏と南緊急の成層圏の両方がつながっていることを示している。

 

以下は、2019 年に南極上空で発生した成層圏温暖化現象に関する研究から得られた興味深いグラフだ。グラフは、米国とヨーロッパ上空の電離層における全電子量 (TEC) の変化を示している。

 

最初の画像は、南極上空の強力な成層圏温暖化現象に続く、米国上空の電離層異常を示している。米国上空の電離層では、電子電荷の 40 ~ 80% の強力な異常が観測された。

 

 

強力な成層圏温暖化現象によるエネルギー波がすでに北半球に到達していたため、ヨーロッパでも同様の、しかし逆の変化が観測された。

 

 

 

こちらの研究によれば、全体として、米国とヨーロッパの熱圏酸素/窒素比と総電子含有量にプラスとマイナスの両方の擾乱が見つかった

 

これらの要因は地球の大気の地磁気活動に影響を与えており、その変化は検出され測定されるほど強力だった。

 

この強力な現象の後、高層大気と下層大気で直接的な気象変化が観測された。また、この現象が北半球の 2019/2020年の冬に気象影響を及ぼすほど強力であったという兆候も現れている。

 

このグラフは、8月から 10月にかけて南極上空で長期間続いた高気圧異常と、翌年の 12月から 2月にかけての米国上空の低温との間のシグナルを示している。

 

ここで大きな注意点がある。この相関関係は、南極上の高気圧異常が翌年の冬に米国上空で低気温の兆候を直接引き起こすことを意味するものではないということだ。何らかの関連があることを示しているだけで、それが具体的に何なのかは説明していない。

 

成層圏温暖化のような大規模な現象により、南極上空で長期にわたる高気圧異常が発生する可能性がある。

 

そして、その後、数週間から数か月の期間を経て、成層圏突然昇温現象の影響が北半球に現れる可能性がある

 

 

 

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