国宝「見返りの塔」
1899年に旧国宝、1953年に新法で国宝に再指定。
解体修理の際に軒下から正慶2年(1333年)の墨書が見つかり、鎌倉時代末期、約700年前の建立と分かった。
装飾をそぎ落とした、すっきりした美しさ。初重は板壁、二重三重は高欄のある縁が回る。屋根の反りがとても優美。
青木村の田園の中の小高い丘に建っていて、街道から去っていく旅人が何度も振り返って見たほど美しかったから、見返りの塔と呼ばれている。
安楽寺の八角三重塔を見た後、青木村の大法寺へ。
700年前に建立された塔で、その圧倒的な存在感に畏敬の念を感じる。歴史という概念を無条件で教えてくれる存在だった。
里を見下ろす小高い丘の上にある三重塔。
観光客もいない静かな初冬、優美な塔を目に焼き付けるように、振り返り、振り返り坂を下ってきた。
確かに見返りの塔だった。
父と母のあの日の姿を描いてみた。
父90歳、母88歳の初冬。
