まいったな
無意識に開いた本のインデックスの
どこにも僕の名前が載ってないんだ
この先どんなモチベーション抱えて
ページをめくっていけばいいんだろ
図書館で借りたミステリ小説の途中
犯人は奴だと書かれた落書きと逆の
正義でも悪でもなく登場さえしない
君の人生と交差しない存在が僕です
無差別殺人の名もなき被害者でいい
現場の通りすがりのモブだっていい
有名じゃない作家の作品でいいから
想像の世界で僕に命をくれませんか
クレオパトラも卑弥呼も織田信長も
何百年何千年も前に死んでいるのに
何故か今を生きる僕らが知っている
そんな存在になるつもりはないけど
どうかせめて君の中にだけは
いつまでもいさせてください
どうやら専門家の研究によれば
いろんな光の中でも赤の波長は
昆虫でも認識できるのだそうだ
赤は昆虫でも認識できるそうだ
大事なことなのでもう一度言う
赤は昆虫でも認識できるそうだ
そこで堂々と信号無視してる奴
スマホ依存でダラダラ歩いてる
おまえの眼球の性能は虫以下だ
おまえに言ってんだよ気付けよ
今の僕が認識している空の
その上にもうひとつある空
誰にも知られてない場所へ
跳び上がり腕を伸ばした夜
タイムマシンはないんだと
浮かれすぎて忘れてたんだ
もう戻れはしない過去なら
所詮よくあるフィクション
流れ星に願いを込めるとか
虹の橋を渡ってみたいとか
出来るわけない絵空事ほど
なぜ美しく生き続けるのか
ありもしない架空の世界を
具体的に脳の中に描けても
形に残らない矛盾の産物は
指の隙間からこぼれるだけ
一度地面で砕け広がった後
拾い集めて可視化した物が
本当に存在するというなら
それこそ唯一の『現実』だ