突入していく高齢期を考える | ✿ 日々是好日 ~ 降っても晴れても ~ ✿

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勤労学生時代から30年“喜怒哀楽”のサラリーマン人生を経て独立。数十店舗の外食企業が上場し全国700店超になるまでを経験。飲食業で育てられた男が、今度は “厳しくも愉しいホテル経営” に挑戦!「無常迅速、時人を待たず」を我が肝に銘じ。

人間における「マズローの5段階欲求説」というのは有名な理論。

 

人間の欲求は第一に「生理的な欲求」、生命を維持するための基礎的なもので、睡眠や食事、排せつなどがそれである。

「安全への欲求」、危険を感じるような環境を避け、健康で安定した暮らしをしたいという欲求。

「所属(社会的)欲求」、集団や組織に属して人間関係を保ち、他者に受け入れられている状態を望むこと。

「承認欲求」、自分が属している集団の人たちから敬意や賞賛を受けたい、またそれを踏まえて自分自身を肯定的に評価できるようになりたいという欲求。

そして5つ目「自己実現欲求」、自分の持つ能力が発揮され、自分の可能性が現実のものとなり、望ましい自分になっていたいという欲求である。

 

 

ところが長寿化により、これらの「5つの欲求」が満たされにくい高齢期を、長く暮らさなければならないという状態になる。

誰でも加齢にともなって身体機能は衰えてくる。睡眠・食事・排せつ等も若い時と同じではなく、さまざまな体の不調を自覚するようになる。つまり「生理的欲求」が満たされなくなってくるということだ。

 

「安全欲求」については、安全というのは相対的なもので、同じ環境にいても、安全かどうかはその人の身体機能に大きく左右される。戸建て住宅に住んでいて、台風や大雨が来たら若い人は平気でも、お年寄りは恐怖を覚えることも。実際、災害級の暴風雨予報等が出た場合は、うちのホテルでも近隣のお年寄りが避難宿泊に来られるのはよくあること。つまり、加齢に伴う身体的衰えが「安全欲求」の充足を脅かすということである。

 

またよく耳にすることだが、特に男性においては「所属欲求」を充足させていた会社や職場という存在が定年退職によって失われる。それを充足させていた会社の名前や肩書もそれと同時になくなり、部下や後輩から頼りにされたり、敬意を受けたりする機会も失う。職業生活において、自己実現を成し遂げたという実感があったとしても、定年退職によってそれがリセットされてしまうのだ。

 

マズローのいう5段階の欲求がみたされにくくなってくるのが高齢期。そうすれば、さまざまな喪失(生理的、身体的機能、安全な環境、所属集団、承認や敬意を受ける機会)をどのように補うのか?

これは高齢期における重要な課題である。

 

例えば、生理的、身体的機能を維持するための活動をどう継続させていくか? 将来サポートしてもらえる環境をどう整えるか? 新しい役割や居場所を実感できるコミュニティーへの所属と、そこでの関係から生まれる承認といったものを、早いうちからどう補っていくか?

 

自分もそんなこと考える歳になってきた。。。

 

 

2月も今日で終わり!

まさしく逃げていくというのが実感!!

 

 

その前にその前に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日は以上です。