シャトー・ラグランジュ〈フランス・ボルドー〉 | ✿ 日々是好日 ~ 降っても晴れても ~ ✿

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勤労学生時代から30年“喜怒哀楽”のサラリーマン人生を経て独立。数十店舗の外食企業が上場し全国700店超になるまでを経験。飲食業で育てられた男が、今度は “厳しくも愉しいホテル経営” に挑戦!「無常迅速、時人を待たず」を我が肝に銘じ。

 

日本企業によって見事に再生した名門シャトー!

 

シャトーラグランジュ /ヴィンテージ2009年』 (赤)

 

本日登場のワインです。

 


『ちょっと一服!ボクがおもうこと 』     “小さいから楽しいホテルの経営 ”         enjoy!亀blog

 

▼フランス・ボルドー(Bourdeaux)地方

 


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メドック(Medoc)地区(左下地図の①参照)


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メドックは、ボルドー市街の北からジロント川左岸沿いに伸びる生産地です。

カベルネソーヴィニョンを主とした上質な赤ワインを産出しています。

少量の白ワインも生産されていますがメドックのA.O.C. をなのることはできず、

ボルドー、またはボルドー・シュペリュールとなります。

 

(注※ 昔フレンチレストランに居た頃勉強したことなので間違ってたらスミマセン(´Д`;)ヾ)

 

メドックは大きく2つに分かれ、ジロント川の中部から上流域にかけてをオー・メドック

下流域をバ・メドック(普通はメドック)と呼びます。

 

上質のワインを産出する村は、主にオー・メドックにあり、特に村名 A.O.C. をなのれるのは

次の6つの村に限られています。

 

 

 

1. サン・テステーフ (Saint-Estephe)

 

オー・メドックの中でもいちばん腰の強いワインを産出するとされています。

 

2. ポイヤック (Pauillac)

最高級のシャトーが数多く集まる村として有名で

1855年メドック地区格付けのグラン・クリュ・クラッセ61銘柄のうち18までがこの村で占められ

そして3つのシャトーがグラン・クリュの1級に格付けされています。

ワインは充実したボディーを持ち、非常にスケールの大きいバランスのとれたものとなっています。

 

3. サン・ジュリアン (Saint-Julien)

ポイヤックに次いでバランスがとれていて、芳醇でエレガントなワインが生み出されています。

 

4. マルゴー (Margaux)

オー・メドックの中でも最も繊細かつ優美なワインがつくられています。

 

5. ムーリス (Moulis)

マルゴーとサンジュリアンの間のやや内陸寄りにある村で

サンテミリオンに似た土壌から、香り高く柔らかなものがつくられています。

 

6. リストラック (Listrac)

ムーリスより、ややサン・ジュリアン寄りにある村で

バランスのとれたエレガントなタイプに仕上がっています。

 

と、とりあえずこれらの村は押さえておきたいところですので自分の復習を兼ねて書いておきます。

 

さて、今日の本題 “シャトーラグランジュ” は

このメドック地区サン・ジュリアン村でつくられる格付け第3級の名門シャトーです。

 

しかし、実はその道のりは決して平坦なものではなかったのです。

 

歴史は中世にまで遡ります。

当時「ラグランジュ・モンテイユの高貴な館」と呼ばれており

領地の一部はボルドー聖堂騎士団に所属していました。

1842年から1875年にかけて、シャトー・ラグランジュは第一期の黄金時代を迎えます。

当時の所有者は、ルイ・フィリップ朝の元内務大臣デュシャテル伯爵で

この時代にグラン・クリュの第3級に選定されています。

 

ところがその後、1925年以降、センドーヤ家の所有下になると大恐慌という時代の波も受け

経済的な困窮によりシャトーは荒廃し「暗黒時代」が訪れます。

1960年代、70年代にかけては凡庸なワインをつくっていましたが、評判は極めて低いものでした。

 

 

そして、時は1983年

そんなシャトーに、新たな時代の幕開けが訪れたのです!

 

なんと、日本企業である「サントリー」が

初めて欧米以外の企業によるフランス政府の認可を受け買収し経営を受け継いだのです。

佐治敬三社長と鳥井真一郎副社長(当時)の号令の下に巨額な投資を行うとともに

本来このシャトーが持っている力を最大限に引き出すための改造計画が始まりました。

 

当時ボルドー大学でワイン醸造研究所長を務めていた

醸造学者エミール・ペイノー博士に協力を依頼しました。

そしてワイン生産経営陣及びシャトー・ラグランジュの総責任者には

彼の門下生であるマルセル・デュカスを。

そして鈴田健二を任命。

畑から醸造・貯蔵設備にいたる徹底的な再構築を断行したのです。

もともと畑の立地はよく、また幸運にも分割されず残っていたため

結果的に潜在能力の高い土壌がサントリーへと引き継がれる形となったのです。

 

当時の畑はメルロ種が半分を占めていましたが

カベルネ・ソーヴィニョンの比率を高めるとともに

剪定と収穫量の制限をすることで葡萄の品質を高めていきました。

 

様々な改革は、にわかには成し得ない事は、明らかでした。

しかし彼らは、自分たちの信念を貫き一歩一歩、改革の道のりを歩んでいったのです。

当時、メンツェロプス家によるシャトー・マルゴーの伝説的ともいえる方向転換が喝采を浴びていましたが、サントリーによるシャトー・ラグランジュにおける改革はそれをも上回るほどの大計画だったのです。また、83年のヴィンテージからセカンドラベルであるレ・フィエフ・ド・ラグランジュが造られ

その品質基準がさらに高められました。

 

やがて彼らの努力により、ラグランジュは、かつての荒廃ぶりが嘘のように

シャトーにもワインにも輝きを取り戻し、現在では目をみはるような復興を成し遂げています。


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そして今

鈴田氏とデュカス氏の後を継ぎ、さらなるラグランジュの未来のために尽力しているのが

椎名氏とブルーノ・エイナール氏。

 

 

ワインの品質のみならず、ラグランジュはいまや、静かな庭や

白鳥やカモが集う湖がある美しいシャトーとなっています。

 


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日本企業サントリーの手によって再生された名門シャトー、

 

シャトー・ラグランジュ


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じっくり味わいたい・・・そんなボクの未来を愉しむワインです。(^_^)v

 

 

 



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飲み頃:2017年~2042年

 

ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン73%、メルロ27%

タイプ:赤

105

 

 

 

本日は以上です。