自分の一生は何だったのだろう。
この世に何を残せたのだろう。
人生も晩年にさしかかると
そんな思いがふとよぎることがあると聞きます。
劇的な出来事もなく
平々凡々と
ただ馬齢を重ねただけではなかったか。
ふり返れば空しさがつのるばかり。
たしかに波乱万丈、起伏に富んだ人生は面白いし
人をひきつけもします。
あるいは世間に注目されるような功績をあげていれば
充実感もそれだけ大きいでしょう。
だけれども
毎日の生活の中に
ささやかな楽しみを見つけながら
身近な人々と心通わせあって平穏無事に過ごす。
そうした生き方も十分
幸せなことではないでしょうか。
語るべき特別な経験をしていなくても
後世に名が残らなくてもいいではありませんか。
世の中のほとんどの人がそうであるように
日々の自らの役割を地道に
忠実に果たしつつ
泣いたり笑ったり
ときに悩んだりしながら
最後まで人生を全うすることこそ尊いと思うのです。
そう考えれば、平凡な一生を送ることにも
喜びが感じられてくるというものではないでしょうか。
自分の自分のための ささやかな人生を
存分に味わいたいものです。
本日は以上です。