日本特有といわれる義理人情の世界も、一種のギブ・アンド・テイクです。
相手に義理を感じさせなければ人情を示してもらえない。
義理を感じさせるとは貸しをつくることであり、相手は借りがあると思うからそれを返そうとします。
唯一普通の貸し借りと違うのは、返済期限が明確でないことです。
人とのつきあいはギブ・アンド・テイクでという発想が世の中には根強くあるようです。
これは正当な考え方と思われていて、まず与えよ、そうすれば与えられる。
聖書などにもそのような意味のことが書かれています。
でも本当にギブ・アンド・テイクでよいのでしょうか。
どうもこれからの時代はそうではないような気がします。
むしろ、ギブ・アンド・ギブという考えを持って行動すべきではないでしょうか。
ギブ・アンド・ギブはこちらから与えまくることです。
与えたことへのお返しを一切求めない無償の行為です。
ギブ・アンド・テイクは資本主義の発想であり、与えたもの、貸したものは返してもらう。
そうでなければ非難されます。「あいつは恩知らずだ!」
でもこれでは行為の純粋さは保てません。
なぜなら恩をかけられることが迷惑なこともあるし
返すことが高くつく場合もあります。
人がギブ・アンド・ギブをみせる一番は親や子供に対してでしょう。
親は子供に多大の犠牲を払いながら返してもらうことは思いません。
損得抜きの無償の愛を捧げているのです。
この親子の愛や考え行動が人間が平和で仲良く暮らす一つの雛形になると思うのです。
(もっとも最近はそうでない悲劇なども起きていますが)
みんながギブ・アンド・ギブになれば恩知らずな人間はいなくなりますし
対立や抗争も激減するでしょう。
なぜなら人々がみんな相手のことを考えて行動するからです。
もう一つ重要な点は、与えてもらうよりも、与える方がはるかに心地よいということです。
みんなが心地よくなるのですから、八方丸くおさまること請け合いです。
眠い目をこすって夜中に起きだし、赤ん防にお乳をやる母親の無償の奉仕こそ
これからの世の中に必要な精神のような気がします
これらがつまらないという人は人間の心を知らないということでしょう。
お乳をやる母親は至福の世界にいるのです。
本日は以上です。