こんにちは、参議院議員の西田昌司です。



 今日は84日の木曜日であります。先日、自民党の新藤義孝代議士、稲田朋美代議士、そして佐藤正久議員の三人が、韓国の鬱陵島、あちらで言うところの「ウルルン島」を視察される予定になっていましたが、韓国側から入国を拒否され、島に上陸できずに帰国するという事件がありました。



竹島が日本の領土であることは間違いありませんが、この問題は、日本が戦後、占領が解かれる直前、韓国は李承晩政権であり、その時いわゆる李承晩ラインという線引きをして「ここから北は自分達の領土・領海なのだ」と主張し、一方的に占拠しているところから発しているわけです。



歴史的に見て参りますと、日本の古文書に竹島はしっかり載っておりますし、彼らが言うところの竹島というのは、竹小島(ちくしょうしま)で、それが鬱陵島から見えるそうですが、そこが彼らの主張する竹島であって、日本の竹島とは別物なのです。



しかし最近韓国は、竹島、韓国名では「独島」と言うそうですが「独島は我が領土だ」と国を挙げて、声高に叫んでいます。その顕著な例として、私は知りませんでしたが、韓国の有名な女性音楽グループの「少女時代」も、独島は我が国の領土であると歌っているそうです。まさにメディア総出で独島は自分達の島と言って運動をしているわけです。



今回、自民党の3議員の目的は、そのようなことを彼らが主張しているのであれば、現地がいったいどのような状況に今なっているのか、一度見ておこうと言うことだったのです。そして、その鬱陵島には独島が韓国の領土である証拠になる展示物があるそうですから、それを検証し、こちら側から色々な証拠を照らし合わせて話し合いをしようじゃないかという意図もありました。そのために鬱陵島を訪れるということだったのです。



この鬱陵島への交通手段は、飛行機で仁川まで行き、鉄道に乗り換えて日本海側に出てきて、そこからフェリーで渡る一般的な旅程でした。直接、鬱陵島に日本から強行的に入るわけではなかったのです。また、韓国は現在ビザなしで入国できますから、日本人観光客は当然のことながら普通に仁川から、鬱陵島に行くことができます。鬱陵島は観光地ですから色々な方が訪れますから、そういうことを考えましても、この3人の国会議員を入国させない理由は、韓国にはなかったはずなのです。



しかしこの事が事前に大々的に報道されてしまったが為に、韓国側はかたくなに空港で入国を拒否し、3人は飛行機から出たものの、そこから入国審査を受けさせませんでした。そして、3人の議員が何故入国を拒否した理由を求めたところ「あなた方の身の安全を守ることが出来ないし、この事によって両国間の関係に害を及ぼす」と言われたそうです。それは全くの誤解であると随分抗議をされたようですが、全く受け付けられず、結局、現地に昼間の10時頃に着いて、入国できないまま、夜10時過ぎに羽田に帰国せざるを得なかったのです。私は同志の3人の先生がされたことは正当な行為であったし、今回韓国側が取った対応は余りにもこの感情的で、法律に基づかない誤ったものだと思っています。



しかし一番問題なのは、この事を自民党内でもきっちりと整理ができていなかったことで、私はこのことを非常に残念に思っております。もともとこの話は、領土議連という自民党の議連の中で決まったことで、外交部会ででもOKが出たと聞いております。当然総裁の了解も得ていると聞いていましたが、党として最終的に了解の手続きが出来ていなかった為にこの様なことになってしまったのでしょう。参議院は今、国会の会期中で、海外に行く為には許可が必要です。我々はそれを認めて、議院運営委員会でもそれを了承しているわけですが、衆議院の方ではその手続きがなされていなかった為に、国会の許可を得ずに二人の議員が渡航したのはいかがなものかと言われているわけです。まさに本末転倒な話だと思います。手続きはもちろん必要なのでしょうが、この問題は要するに何が原因かと言えば、日本側の対応が非常に強行で感情的なものであったから韓国が応酬したと言うわけではなくて、日本側が冷静な態度で、日本人であれば普通に行けるところに、国会議員が行っただけのことで、これを止める理由はないわけであります。そうであるのにも関わらず、感情的に頑なな対応をして、その挙げ句、入国予定の議員の顔を描いたポスター、垂れ幕を燃やしています。このようなことをすること自体「国として余りにも稚拙な反応をしているな」と、世界各国が韓国側のこの反応を見たと思います。ですから、問題を起こしているのは韓国側であって、日本側ではないのです。その事を自民党自身がしっかりと認識していかないと、これから先日本が政権交代をして、自民党の政権になったとしても、韓国側に毅然とした対応が出来ません。今回の一連の自民党の対応に私は疑問を持っております。いずれに致しましても、こういう問題を始め、まだまだ自民党自身が野党の間に整理をしておかなければならない政策や姿勢などが残っております。与党、民主党を攻めるだけではなくて、我々自身の党でもある自民党にもメスを向けていかなければならないと思っております。このためにも皆様方の御支援を今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。