2011.7.14原発被害者へ賠償金の仮払を拒否する菅・民主党よ、誰のために政治をしているのか!!




こんにちは、参議院議員の西田昌司です。今日は714日の木曜日です。正午のNHKニュースで、本日午後6時頃から参議院の災害復興特別委員会で自民党や公明党などの野党が議員立法で提出していた、政府が東電の賠償金を立て替えるいわゆる「仮払い法案」を採決し、明日の本会議で可決されると報道されていました。この法案は民主党との間で何度も修正協議をしていたもので、我々は民主党側の主張をほとんど受け入れて、修正に応じてきました。しかし、一つだけどうしても民主党側と意見が合わなかった為、自民党をはじめとした野党側はもうこれ以上協議に応じることが出来なくなり、採決をすることになりました。恐らく、参議院は野党の議席が多いですから、可決、成立されることになると思いますが、何故、この問題の修正協議ができなかったのか、理由を以下で皆様方に説明いたします。


先般の東京電力、福島第一原子力発電所の事故で、発電所周辺で生活されていた方は多大なる損害を被りました。原子力災害による損害は事故を起こした当事者、つまり東京電力が賠償責任を負うことになっています。しかし、その損害額を査定して、分配するのには時間がかかりますし、下手をすれば裁判沙汰になる場合も考えられるわけです。その間も被害を受けた方々は日々の生活があるわけですから、その賠償金を早く支給しないと生活が立ち行かなくなってしまいます。そこで我々自民党が中心となって仮払いの法案を作成したのです。この法案はまず国が補償金を立て替えておいて、賠償の金額が決まり次第、後から東電に国庫へ返納させ清算させるという趣旨になっています。これによって国が原子力災害の被害を受けた人に直接支援をすることができるのです。しかし、民主党はこの法案に反対しています。何故ならば「仮払いを政府がする」という部分を、「政府は仮払いをすることができる」に変えたいからです。そうなると、政府は仮払いをしなくてもいいという解釈が成り立ちますから、国が被害を受けられた方々を積極的に救済することが出来なくなってしまいます。そもそも、民主党の議員は被災地を救う気があるのでしょうか。私は呆れと憤りの念を禁じ得ません。この事で我々は何度も協議をしましたが、そこだけは絶対に譲れないという意見でした。彼らがこれほどまで執拗にこの法案に反対をするのは、政府側がこの法案における対応を取りたくないからです。先ほど申し上げたように、現在ある原子力損害賠償法は事業者が責任を負うことになっていますが、天変地異や動乱の場合には国が責任を負う仕組みになっています。今回の事故はまさに想定を超える大津波で全電源を喪失したところから始まったわけですから、当初より我々は東電にだけ責任を押し付けるのではなくて、国が前面に出て被災された方々に対して働きかけをしなければならないと訴えてきました。しかし、菅氏は事故の責任は東電にあるということを盾に自分達は矢面に立たず、全責任を東電に押し付け、損害賠償の問題も全て東電に押し付けているわけです。そして自分達は高みの見物よろしく何もしない。それが菅内閣の姿勢なのです。



しかし、そのような姿勢では被災者は救えません。その為に我々は、仮払いをまず国が行い、後で東電から返納させる法案を作ったのです。ところがその仮払いを「する」というのではなくて、「出来る」にしてしまうと国の責任が曖昧になってしまいます。今回の原子力事故の仮払いの法律の議論でも終始一貫民主党が、自分達の責任回避のために動いていることが明らかになりました。これでは話になりませんし、被災地を救い出す気持ちが全く感じられません。



明日の本会議でこの仮払い法案が参議院で可決をされ、衆議院に送られます。衆議員は民主党が多数を占めていますから否決されるかもしれません。しかし、否決された場合は、民主党が被災地を見捨てたことになります。また明日、第二次補正が提出されますが、この予算の金額は僅か2兆円足らずです。復旧ができていない被災地がたくさん存在し、わざわざ国会を延長したのにもかかわらず、こんな僅かな予算しか組んでいないことを私は疑問に思います。しかもその財源は昨年の税収が見積もりより多く入ったことによる剰余金によるもので、法律を改正してその余剰金を補正予算の財源に使おうという魂胆なのです。その金額が2兆円程度であったから、2兆円の補正予算なのです。これは本末転倒であります。本来であれば、行わなければならない事業を勘案した後に財源を考えるべきです。自民党は少なくとも17兆円から20兆円規模の第二次補正が必要であると政府に提案しており、それには建設国債の発行が必要です。やらなければならない仕事があって、その為の財源をどうするのか、これが予算を作る道理ですが、彼らは喫緊のやらねばならない仕事の遂行よりも、「結局我々はこれだけしかお金がありませんからこれだけでお願いします」という考えなのです。



とりあえずあるものを使い回し、自分達に出来る限り責任が及ばないようにしています。けれども、被災地の為に行動しているように見せかけるパフォーマンスだけはするのです。そのような、いやらしい下心と、全く被災地を救おうとする気のなさが今回のこういう仮払い法に対する態度に現れたり、補正予算の出方に現れたりしているのです。以前から繰り返し申し上げておりますが、民主党と菅氏がとんでもないのは事実でありますが、これは菅氏ただ一人の問題ではありません。民主党という政党自身が完全な機能障害に陥っているからです。このことを皆様方にお伝えして本日のビデオレターを終わらせていただきます。今後とも、この民主党の問題点を追及していきますので、ご支援をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。