こんにちは、参議院議員の西田昌司です。



今日は711日です。本日から国会では災害復興特別委員会が開かれております。今日、私がお話させて頂きたいことは菅総理の「反原発・脱原発」についてです。この問題は菅総理の政治的な切り札に使われていますが、実際には単なるパフォーマンスに過ぎないことは皆様方も良くご存じだと思います。しかしその一方で、原子力発電の割合を徐々に減らしていき、再生可能エネルギーに移行していくという方向性にも多くの方は同意をされていると思います。私自身も基本的にそのような考えであります。しかし、少なくともあと10年から20年、我が国は原子力発電と付き合わなければならないと思います。そしてこのことを認識しておかなければ我々は大きな過ちを犯してしまいます。


現在、東京電力福島第一原子力発電所の事故の為に日本中の原発を停止する方向に向かっております。佐賀県の九州電力玄海原子力発電所も菅氏が「ストレステストを行わなければ稼働させない」と発言したことで再稼働の見通しが立たなくなったという報道がありました。また、静岡県の中部電力浜岡原子力発電所のようにテストが済んだ発電所も運転再開の目途がつかず、来年の定期点検の時期になってしまえば全ての発電所が停止してしまうという状況です。特に私の選挙区でもある関西電力の地区では電力の半分近くを原子力に依存しています。仮に原子力発電所がストップしてしまうと、その半分の電力がなくなってしまいますから、生産活動は完全にストップしてしまい、事業ができなくなるでしょう。その結果として当然雇用もなくなってしまいます。そのような事態になった場合、多くの人々が職を失い路頭に迷ってしまいますから、最悪の結果として多くの方々の命が奪われてしまう可能性が大いにあるわけです。さらに現在においても菅総理の「原子力発電を停める」という場当たり的な発言によって関西電力管内でも15パーセントの節電を余儀なくされました。東日本の電力不足をバックアップするはずの関西ですら電力不足に陥っており、日本全体が電力不足に陥っています。更に電力不足に対応するために節電を要請しているわけですが、節電による冷房の抑制によって多くの方々が熱中症を罹ってしまい、死亡者まで出ています。


そもそも、皆様方に考えて頂きたいのは「なぜ原子力発電所を停止したのか」ということです。原発の安全性を確認する為に停止をさせたことは感情面では理解できますが、全ての原子力発電所を停止させたが為に逆に大勢の命が奪われてしまっては本末転倒です。これは地震による天災ではなく、まさに菅総理が招いた人災そのものなのです。原子力発電所のチェックを行うにしても先を見越した計画に基づく政策が必要であったのに、やみくもに原子力発電を止め、再開の見通しもないままに、ストレステストなどで再開のハードルを上げてしまうと、確実に日本の経済力のみならず国民の命をも奪う結果になります。


更に菅氏は再生可能エネルギーを増やすことに重きを置いており、それを自らの政策の一つの象徴として掲げているのですが、これも付け焼刃の政策です。この政策は自民党時代から推進して参りましたし、特に麻生政権の時にこの技術開発を歴代内閣に比べても強力に支援してきました。ところが、これを事業仕分けで止めたのは他ならぬ民主党であります。また民主党は今回の原子力事故の責任は原子力政策を推進してきた自公政権にあるとしています。確かに自公政権時代に原子力政策は進めてきましたし、その時の安全基準が低く設定していた責任は我々も負わなければなりません。だからこそ、事故が起きた原因を徹底的に解明する責務があります。しかしながら、民主党政権は事故原因を解明する為の情報を隠蔽するだけにとどまらず、原子力政策を推進してきたと自民党に責任転嫁をしているわけです。


しかし、民主党政権が誕生した時、当時の総理であった鳩山氏が唐突に二酸化炭素の25パーセント削減を宣言されましたが、その為には原子力発電所どんどん新設するという方針を立てたのは民主党です。結局彼らは本質的なことは何も考えず、耳触りのいい言葉を発言して政権を取ることしか考えていなかったのです。しかも問題が起きて自分達の責任を追及される立場になった時は、それを他人に押し付けてしまう。この当事者意識の無さにはあきれ返ってしまいます。ですからこの政権は一刻たりとも放置することができないのです。直ちにこの民主党と菅内閣はがれきと一緒に撤去をしなければならないと思っております。


今週もこの問題を国会で議論して参りたいと思っております。皆様方もご支援よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。