こんにちは、参議院議員の西田昌司です。



今日は627日月曜日です。今朝の朝刊に私の同僚でもある自民党の参議院議員、浜田和幸議員が防災復興担当の政務官に起用されるとあり、私は非常に驚きました。私も国会から様々な情報を得ていますが、現段階において彼は正式に党を離党し、政務官に就任する発表はされておりませんが、このような情報が出ること自体が遺憾です。



浜田議員は先の新潮45において中国大使館の土地問題等を書くなど、これまでも菅政権を厳しく追及されていました。私も彼を国際政治の専門家として非常に期待しておりましたが、なぜ専門分野とは異なる復興担当の政務官に就任するのか不思議に思っています。しかも、菅内閣は誰の目から見ても一月、二月は持ちません。そのような政権に今更入閣してどれ程の仕事ができるのでしょうか。



それ以上に不見識なのは菅総理です。彼の要望で国会の会期を70日間延長して、第二次補正や再生エネルギー基本法を与野党協力して議論することになっていました。本来ならば野党側の協力を要請しなければならない立場であるのに、野党に手を突っ込み、あまつさえ人攫いをするということは、一方でお願いしますと言って握手をしておきながら、もう一方で相手の背後に立ってバット持って振り回しているようなものです。そのような暴挙を行っている認識すら菅総理にはありません。この話は政権でも官房長官の枝野氏と亀井氏だけが話に乗っていたようで、岡田幹事長をはじめ党の三役には知らされていなかったようです。このこと自体が呆れた話であります。そしてこの行為によって、民主党内からも菅総理は一体何を考えているのだと非難の声が挙がっており、会期を70日間延長したものの今後審議が動かない状況になるかもしれません。菅総理はそのようなことを一切考えずに、毎度の思いつきでこのような人事発表をしたのです。


菅総理には国のことを考えて震災復興に自らの政治生命を賭け、その為には下げたくない頭も下げるし、自分の本意でない話も呑んで復興を成し遂げるという考えは毛頭ありません。菅総理は震災復興を盾に取り、それを自らの政権延命の手段に使っています。それゆえ民主党の中でしっかりと人事を押さえなければならず、自分に反目している人は要職から外し、更に政敵である自民党には罠を仕掛けて分断させる小細工を仕掛けているのです。


私はこの様子を見て、古い東映のヤクザ映画である「仁義なき戦い」を思い出しました。これ以前のヤクザ映画のヤクザというと、仁義や人の信義を重んじるわけで、このような考えを根底に映画が作られていました。しかし「仁義なき戦い」においては仁義もへったくれもなく、要は金や力が一番であるとの哲学で映画が作られました。まさに今の政治も同様で、政治には仁義も必要ですがそれ以上に信義が必要です。与野党問わず信義があり、それは与野党だけの信義ではなく、国民に対して自らが言った言葉に対して責任を取るという大前提で成り立っているのが政治の世界であります。ところが現在、菅総理が行っていることはまさに「仁義なき戦い」の如く「信義なき政治」を行っているわけです。与党、野党に信義も無ければ国民に対する信義も無い、そして党内においても信義がないというわけで、結局は自分の延命さえできれば良く、勝ち残りさえすればいいという弱肉強食の考えであります。それでは政治の最も大切な部分が損なわれてしまいます。改めて菅総理にこれ以上政権を任せることは危険であると思った次第であります。今週はこのような状況になってしまったので、事態を収拾する為に一週間を無駄に費やしてしまうのではないかと思いますが、皆様方にこうした状況もお伝えしたいと思っています。ありがとうございました。