皆さんこんばんは。
恒例の夜中の本紹介。
「まぎわのごはん」 藤ノ木優
現役医師が書いております。
最近そんなに珍しい事ではなくなる位、お医者さんが小説を書いている人が多い。
医者は儲からないのか?
それとも皆に伝えたい事があるからのどちらかでしょうね。
さて今作はどうでしょうか?
主人公は和食屋で修業をしている青年。
昔から手先が器用だったのを過信し、言われても居ない飾り仕事をして店主に激怒され店を追い出されます。
あてもなく町をさまよっている物凄く出汁の良い香りがする(まぎわ)という名の料理店に入ります。
店の主人が作る出汁のおいしさに感動した主人公は、店で働かせてほしいと頼み込み、渋々OKを貰います。
念願かない働きはじめたのですが、なぜか店にやってくるのは糖尿病や腎炎など、様々な病気を抱える人ばかり。
この店は病気に対応し、患者に寄り添った食事を提供する、特別な食事処だったのだです。
その上この店の持ち主であり元寿司職人だった親父に、何をやるにもダメ出しを出されイライラが募ります。
そんな中、末期がんをわずらう元モデルのための料理を作ってほしいと主人に依頼されます。
果たして主人公は望む料理が作れるのか?
そして主人子の行く末は?
という物語。
本職は医者で一作目なんで、筆力や物語自体は平均ギリギリな感じです。
でも書かれている内容は流石お医者さん。
この手の話は専門知識の羅列や特殊な病気がテーマになりがちだけど、そうでない。
現在日本に沢山居るありふれた病気の患者さんの食べる食事というのがテーマ。
これが想像以上に制約が多い。
塩の量やアレルギー対策、はたまた体調により固形物ではなく流動食にしなければいけない。
その上で美味しそうに感じる盛り付けも重要となる。
食いしん坊な私には耐えられない。
好きなものが食べれるという事がどれだけ幸せな事か、という事を実感させられました。
作者はその事を知らせたかったんじゃないかな~。
印象に残った言葉があるの書いておきます。
(人間が死ぬことは異常な事じゃない。日常なんだ。死を異常なものだと思うから、混乱してしまうんだ。病気になって市が迫っても好きな事をやって良いし、美味しいもんを食べても良い。ただ病気になっただけだ)
死は生の一部。
恐れる事はない。
でも死ぬその時まで美味しいものを食べれる様に、健康には気を付けない行けないですね。
どの口が言うんだ!
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