皆さんこんばんは。
まんぼう解除初日でしたが、まー何も変わりません(笑)
焦らず行くしかないですね。
さて恒例の夜中の本紹介。
「罪の轍」 奥田英朗
大好きな奥田作品。
久々に重厚なイメージの作品。
楽しみしかない!
さてどうでしょうか?
物語は来年東京オリンピックを控えた1963年の夏。
初めは北海道の礼文島から物語が始まります。
水商場で働く母とDV夫の元で育った青年が主人公。
不器用で何をするにも鈍く知恵遅れ気味なので、普段から周りから馬鹿者扱いされています。
子供の頃からの窃盗癖も抜けず、働いている親方の家に盗みに入りバレるのを恐れて東京へ向かい生活をし始めます。
一方東京で警視庁捜査一課の刑事は高等殺人事件が発生し捜査を始めると、目撃者の一人から(莫迦)と呼ばれる一人の青年が浮かび上がります。
そんな中、同じ捜査区域の管轄内で誘拐事件が発生します
果たして二つの事件は関係があるのか?
そして主人公は事件に関わっているのか?
と言う物語。
久々に読み応えのある重厚なミステリーでした。
奥田さんの初期作品(最悪)(邪魔)を読んだ時の興奮が蘇りました。
やっぱ奥田さんの本来の持ち味はこれだよな~と実感。
でも今時弁当箱並の厚さで、地味に捜査をするこういう小説は受けないんだろうな~。
個人的には奥田さんにはこの作風をお願いしたいです。
本筋とは関係ないけど、今は変わって変わってしまった山谷の簡易宿泊所の様子や、五輪前の変わってく東京の姿が知れたのも良かったです。
そして誘拐事件は、初の劇場型犯罪といわれる吉展ちゃん事件がモチーフになっています。
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衝撃的なデビュー作だった今作も大好きです↓
そして続けて出た上下巻の今作も面白い。両方とも当時このミスで話題でした↓