本屋大賞はこういう本を紹介しないと(「未必のマクベス」 早瀬耕) | 「天に月、地に山」 愛知・豊橋で日本酒なら

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皆さんこんばんは。

 

恒例の夜中の本紹介。

 

「未必のマクベス」 早瀬耕

 

前情報全くなかったけど、古本屋で何か気になってGETした本。

 

これが想像を超える面白さでした。

 

作者である早瀬さんは何と22年ぶりの出版だそうです。

 

そりゃ知らないはずです。

 

主人公はICチップ関係の会社に勤める中年男性。

 

以前から海外出張が多い仕事でしたが、香港の子会社の社長として赴任する事になります。

 

その際高校の同級生だった男が副社長として同じく転勤になります。


二人は、マカオのカジノに遊びにいくが、博才のないはずの主人公は何故か大勝します。


その状況を見ていた、香港に亡命中の有名なある国の王子に(自分が持っている株を買ってほしい)ともちかけられるます。


その会社は、自分が社長に就任する現地子会社の唯一の大口取引先でした。


その会社は暗号化ソフトの特許使用料で儲ける会社で、どうやらこの取引は本社の上層部の裏金づくりに利用されていると分かります。


さらに調べると、過去の現地子会社に出向した社員の全員が事故や自殺で亡くなっていました!

 

つまり主人公も同じ運命になる可能性がある事を知ります。


株をかった相手の会社に出向いた主人公は、何故か高校時代の初恋の相手の女性のメッセージを見つけます。

 

それを解読すると会社に隠された大きな陰謀を知ります。

 

果たして主人公の未来は?

 

という物語です。

 

経済小説であり、ミステリーであり、恋愛小説でもある。

 

読書の面白さが全て詰まった物語。

 

結構難しい話なんだけど、筆力と言うかテンポがいいからスイスイ読めます。

 

白石一文さんの初期作品の印象もあれば、何故か傑作漫画バナナフィッシュも思い出した(恐らく脇役が魅力的な部分がそう感じた)。

 

22年も書いてなかったとは残念で仕方ない。

 

本屋大賞はこういう本こそ世に知らしめないといけないぞ!

 

印象に残った言葉があるの書いておきます。

 

(旅に一番不必用なものは「慣れ」だと思わないか?(中)だから、長い旅はしない方がいい。旅に慣れてしまう前に一旦、自分の元いた場所に帰ることは、必用だと思うんだ)

 

帰るところがあるから旅は活きる。

 

根無し草は生きる目的が生まれづらい。

 

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