初夏のような気温の午後。
障害者の性に真っ向から挑んだ問題作を観ました。
「岬の兄妹」 片山慎三監督
公開前から色んな所で何かと話題だった作品を要約鑑賞。
さてどうでしょうか?
主人公は足に障害のある兄と、自閉症の妹。
現場仕事をしている兄の少ない給料でギリギリで生活をしていたのですが、ある日不当に解雇になります。
お金も尽き果て家賃どころから電気も止められた状況に陥りもう死ぬしかない状況になります。
そんな時妹が行方不明になり、偶然助けてくれた人と性交交渉を持ちお金を持たされて発見されます。
その事で閃いた兄は妹を使い売春することを思いつきます。
徐々に仕事が回りだす二人。
果たして二人の未来は?
という物語。
観る前に何となくの内容を知っていたので、もっと重たくて苦しい内容かと思ったんですが、そう感じなかった。
同じ様に障害者の性を扱った韓国映画の傑作であるイ・チャンドン監督の(オアシス)の観終わった後の苦しさとは全然違う感覚でした。
監督である片山さんは、韓国のポン・ジュノ監督と日本の山下敦弘監督の元で助監督をして力をつけたそうです。
それを知ると両監督の持ち味を上手く取りこんだ感じもします。
ポン・ジュノ監督のリアル感と矢口監督の人間可笑しさみたいながこの映画にはありました。
そして性交渉する妹がかわいそうに見えなかったこと。
その点こそが片さんが描きたかった一番大事な事だったんでしょう。
性交渉の時だけ普段自分を見下すような人達が同じ目線で接してくれる。
性交渉とは人格や頭のよさなど吹っ飛ばす、人間の本能が出る瞬間なんでしょう。
片山監督今後も滅茶苦茶楽しみです。
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