天才×天才=難解(「バーニング 劇場版」 イ・チャンドン監督) | 「天に月、地に山」 愛知・豊橋で日本酒なら

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過ごしやすい秋の午後。

 

観たくて仕方なかった映画を観ました。

 

「バーニング 劇場版」 イ・チャンドン監督

 

今一番大好きな映画監督の一人であるイ・チャンドン監督の8年ぶりの新作。

 

加えて原作は村上春樹、そして主人公の一人はウーキング・デッドの唯一のアジア人出演者だったスティーブン・ユアン。

 

何かと話題の多い作品。

 

そして映画なのにわざわざ劇場版と書いてあるのは、元々はTVドラマとして制作されたバージョンが先だからなんです。

 

しかもTV版と映画版は色々と変わっているという変化球。

 

さてどうでしょうか?

 

まず大まかな流れは村上春樹の原作(納屋を焼く)の通り(納屋が今風にビニールハウスになってますが)。

 

たった30Pの短編を150分近い映画にする監督の力量は流石です。

 

原作の大まかな流れは、主人公は作家を目指す貧乏な青年。

 

ある日子供の頃以来何年も会ってなかった幼馴染のコケティシュな女性と再会します。

 

彼女の魅力の翻弄され肉体関係を持つのですが、彼女はある日ボランティアでアフリカに行くと言い出し言ってしまいます。

 

ようやく戻ってきたら横には一人の男性が。

 

その男性は何をしているのか分からないけどタワーマンションに住み、高級車を乗り回し、働いている気配もありません。

 

この三人の不思議な三角関係が続いてく中で、ある日その男性から(ビニールハウスを燃やしている)と言われます。

 

その話を聞いた後、何故か彼女の姿も忽然と消えてしまいます。

 

果たして彼女の失踪とビニールハウスを焼くとの関係は?

 

と言うのが原作。

 

映画もホボこの通りなんですが、ラストが監督の脚色が加わっています。

 

そして何と(観てないんだけど)TV版はそのラストが無いそうです。

 

全部観た人のレビューを観て知りました。

 

恐らくTV版は原作に忠実な終わり方で、映画版は監督らしさを出したんだと思います。

 

全体に流れる不穏な空気感はハネケ監督がかもし出すものに似ている気がした。

 

でも何時のイ監督の腑に落ちる感は全く無かった。

 

この映画を傑作だと言う人も居るのは何となく理解できるけど、どうしてもイ監督の映画としてみると違和感を感じたな~。

 

もう少し私の頭が良かったら見え方も違ったのかもしれないですが。

 

個人的にはイ監督には誰かの原作ではなく、オリジナル脚本でお願いしたい。

 

余談ですが(バーニング)と聞くと80年代のB級スプラッター映画を直ぐに思い出すの私だけ?

 

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