このミス大賞続けるんだろうか?(「がん消滅の罠」 岩木一麻) | 「天に月、地に山」 愛知・豊橋で日本酒なら

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皆さんこんばんは。

 

今週は各町内で祭り三昧!

 

毎年その時は暇な天月。

 

今年もご他聞に漏れず静かな夜でした。

 

さて恒例の夜中の本紹介。

 

「がん消滅の罠」 岩木一麻

 

第15回このミステリーがすごい!大賞受賞作。

 

既にTVドラマ化もされデビュー作ながら30万部を売ったという宣伝文句。

 

そりゃ期待が高まりますよね?

 

その状態で読んでみました。

 

主人公は日本がんセンター呼吸器内科の医師。

 

ある日生命保険会社に勤務する友人から、不正受給の可能性がある案件があるからと意見を求められます。


その事例とは余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金三千万円を受け取った後も生存しており、
それどころか、その後に癌が綺麗に消え去っているというのだ。

 

似たような事例の保険支払いが四例立て続けに起きているという事。


在り得ない現象を不審に感じた主人公は、がんセンター勤務の友人と共に調べる事に。


その先には尊敬する恩師の名前が浮かびあがってきました。

 

果たして癌は本当に消えるのか?

 

そして謎の先にある真実は?

 

という物語。

 

確かに良く練られているし医学的知識に基づいたトリックも納得はいきます。

 

その後に用意されている驚愕の事実も、今時流行りのドンデン返しに似た衝撃もある。

 

いいものがすべて揃っているんだけど、何か今ひとつ絶賛できない。

 

何だろうな~。

 

技法が目に付き、小説としての核が今ひとつ感じられないのかな~。

 

前回(感染領域)という作品紹介の時このミス大賞の存在意義を書いたんだけど、この作品にも似たようなものを感じてしまう。

 

決して悪い作品じゃないけど、やはり江戸川乱歩賞や横溝正史賞なら一次審査で落とされるかもしれない。

 

それは別にいいんだけど、技量の無さを凌駕する斬新さや在り得ないさを感じさせて欲しいんです。

 

医療系なら正にこのミス大賞が生んだ(チーム・バチスタ)シリーズの海堂尊が居るのだから、せめてその足元に及ぶ位の作品じゃないと大賞の意味が無いんじゃないかな?

 

沢山のいい作家さんを生み出した、このミス大賞。

 

ここ数年の選出作品を読んでると、分岐点に来た感じがします。

 

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