ストリッパーという生き様(「裸の華」 桜木紫乃) | 「天に月、地に山」 愛知・豊橋で日本酒なら

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皆さんこんばんは。

 

明日は朝一魚市場なんで早く寝ます。

 

その前に恒例の夜中の本紹介。

 

「裸の華」 桜木紫乃

 

大好きな桜木作品を新年早々読める幸せ。

 

今回の主人公は元ストリッパー。

 

舞台で踊っている最中に舞台から落下し足を怪我し、誰にも告げずに舞台から去った主人公。

 

第二の人生として北海道のすすきのに手ごろな物件を探し、ダンスが売りのショーパブを開店する事にします。

 

物件を探す際に親身になってくれた不動産屋の社員が実は元有名なバーテンダーで、何故か彼女の仕事を手伝ってくれる事に。

 

これ以上はない位の若くて実力もある女性ダンサーも見つけてきてくれて、理想通りの店が出来上がります。

 

しかし経営のほうは中々思うようには行かず日々綱渡り。

 

でも真剣に踊りを極めようとする二人のダンサーの姿を見続けることで、再び自分自身も踊りたいという欲望が沸きあがってきます。

 

果たして彼女の出す決断は?

 

という物語。

 

ストリッパーが主人公と聞いて、どんだけエロい小説だろうと勝手に思ってたら、全然普通の再生物語。

 

あえて言うなら何時もの桜木節からするとかなり軽めです。

 

正直物足りない。

 

ストリッパーというテーマを態々選んだったら、桜木さんならもっと深い話が書けたと思います。

 

唯一良かったのが、主人公の決断。

 

自分にも通じる部分だけど、仕事とは突き詰めれば詰めるほど生き様になっていくんですよね。

 

印象に残った言葉があるので書いておきます↓

 

(あの時初めて、人間って何も出来ない事に気付いて傷つくんだと思いました。傷つかぬよう、常に何かしら動いて色んな事を避け続けているというのが現実です)

 

一番怖いことは自分とちゃんと向き合い、自分が何も出来ないという事実を確認する事。

 

人はその事実を知りたくないんです。

 

だから目を背ける為に他に目が行くように動く。

 

でも本当は何も出来ない自分とちゃんと向き合ってからが本当の勝負かもしれない。

 

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