皆さんこんばんは。
台風が過ぎたのに雨。
また魚があがらないな~。
さて恒例の夜中の本紹介。
「幸」 香納諒一
シリーズモノでなく、長編の書き下ろしは13年ぶりだそうです。
前にも言った事があるんですが、香納作品はタイトルが今ひとつのが多い。
この本も何か読みたくさせる気配を感じない。
でも読むと悔しいほど面白いのが香納作品なんです(タイトルは態とか?)。
今回の主人公刑事は男女コンビ。
以前上と揉めた為左遷され一生ヒラ刑事の烙印を押された有能な中年刑事と、同じく前の職場でひと悶着あった女性刑事(しかも出産間際の妊婦)のコンビ。
ある日認知症の老婆を保護したと電話があり寂れた商店街に向かいます。
その老婆の身元は直ぐに分かり、地元の大きな建設会社の母でした。
その老婆は何かを探すように(幸)と言う言葉を話していました。
事件解決を思っていたら直ぐ側の家屋解体現場から白骨死体が出たと通報があり、引き続き現場に向かいます。
恐らく40年以上前のその遺体の捜査を始めると、その時代に住んでいた母と娘が判明し、母の名前は幸子で、その上娘は今別の事件で殺人の容疑者となって収監されてました。
全ての事件が認知症の母親にあると読んだ主人公達ですが、その夜に母は深夜徘徊中に川に落ちて翌朝遺体で発見されます。
事故ではなく殺人で捜査が始まり、調べていくと過去の謎が次々と出てきます。
果たして事件の裏にはどんな謎があるのか?
と言う内容です。
兎に角色んな事件をてんこ盛りに盛り込んだ作品です。
これだけ複雑だと破綻しそうなんですが、全てきっちり説明が付く。
素晴らしいです。
物語自体に派手さはないけど、じっくり読むには最高の一冊です。
これぞベテランの妙です。
でももう一度言っておきます。
タイトルだけはもう少し考えた方がいいです。
印象に残った言葉があるので書いておきます。
(幸せというのは、たぶんとてもささやかなものなんだ。だから愛おしいし、壊れやすい)
説明の要らない名文ですね。
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