皆さんこんばんは。
明日は朝一魚市場なので早く寝ます。
その前に暇だった今夜読み終えた、考えさせられた一冊を紹介。
「ボロを着た王子様」 村崎太郎
村崎太郎さんと言えば、20年位前に次郎という猿と共に一代ブームを巻き起こした猿回しの人。
昔はTVにも滅茶苦茶出てたし、宣伝や映画でも見た気がします。
しかし気がついてみれば、ここ10年ほど見た記憶がない(日光猿軍団は何度か見たけど)。
その理由はカミングアウトにあったと、この本を読んで気づいた。
村崎さんは山口の被差別部落地区の出身者である事を公に公表しました。
その公表に至るまでの、自分の人生と部落出身者という心の葛藤を描いた伝記です。
村崎さんと私はほぼ同じ世代。
確かに私が子供の頃は、私の故郷にも部落地区が存在し、親からそこに行く事を禁止された記憶があります。
昭和40年代は未だそんな時代でした。
子供だった私にはよく理解が出来なかったのですが、親に言われる事で、何となくタブーである事を子供ながらには理解してました。
そしてその他にも在日の方・精神を病んだ方・親がヤクザの子などなど、あの時代は差別に溢れていた。
貧富の差は今ほどなかったので、そこの差別は少なかった気がします。
子供同士は普通に接していても、最終的には親がその関係を快く思わなく離せさせられる、そんな日々でした。
今思えば色んな意味で凄い時代でした。
日本が今の中国の様に成熟していなかった時代だったんですね。
その後日本も成熟し、あからさまな差別は表面的にはなくなってきた。
でも今もそれは確実に残っている。
そして先ほどあげた様な分かり易い理由ではない差別も山の様に登場し、学校や会社では虐めが横行する時代になりました。
その現実を見ると差別は今後も絶対になくならない。
勿論無くす方向で皆が考えて行動するのは大切ですが、絶対に無くなることはない。
ではどうすればいいのか?
村崎さんはこの本でカミングアウトする事で、差別される側の意識の改革を言いたかった気がします。
差別がなくならないなら、差別されても強く、そして希望を持って生きる事で、自分と周りを変えるしかないと。
先日読んだドリアン助川さんの(あん)に中でには、ハンセン病の方が同じ様に厳しい環境の中でも、楽しみを見つけて生き抜いた。
当然差別をした人や国を恨みたい気持ちはあるのだけど、自分の与えられた運命と捕らえて生き抜いた。
それこそが生きる事の素晴らしさだと思います。
村崎さんも相当の苦労と葛藤があったと思います(そんな簡単に私が軽く言えるレベルではないと思いますが)。
でも本の中でも現実でも滅茶苦茶前向きで明るい!
どんな環境でも生きる事を楽しんでるのがメチャクチャ伝わりました。
同じ様に差別されてきた人からすれば、そんな簡単な事ではない!と怒る人も沢山居るとも思うけど、恨みではなく前向きに生きている村崎さに感銘を受けました。
久しく太郎次郎コンビの芸を見てないので見てみたな~。
只今四代目だそうです。
この本を読んだ事を心から良かったと思います。
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