■老舗企業と新興企業の抱えるジレンマ


たくさんの顧客アカウントを抱え、安定的なビジネスを構築している伝統的な企業であれば、新しいビジネスをなんで苦労してやらなければならいないのか、という声が出てくる場合が多いのではないだろうか?


一方で、新興企業では、画期的なビジネスモデルや技術を確立していても、ブランドネームがなく、顧客開拓に非常に時間がかかるという課題を持っている場合が多い。


その両者を結び付けることができればお互いにWIN WINの関係が築けるのではないだろうか?


■出会いがあったとしても結婚までは長い道のり

しかし、なかなか簡単にそのような考えが実現されないのが実情である。そもそも同じ産業だと老舗企業から見れば新興企業はライバルであり、自分の顧客情報を渡すはずがない。ちがう産業だと、そもそも知りあう機会が限られているため、たまたま、運よく巡り合えればよいが、そのような機会はそう簡単には生まれない。


また、仮にうまく出あえたとしても、お互いに産業が違い、しかも老舗企業と新興企業では話がかみあわないことが多い。お互いにビジネスがあるなかで、うまくいくかどうかわからないビジネスに人を貼り付けて協議することは社内でも抵抗がある場合がある。


■行司役の存在の重要性



ではどうやったらうまくいくのだろうか?重要になるのが、仲人的な行司役の存在である。老舗企業も新興企業も良くしっているコンサルタントなどが間に入って、両者の仲介を行い提携をまとめ上げることで円滑な提携が進む場合があろう。その成果として売上がたったら、マージンをもらう、というビジネスが成り立つことになる。コンサルタントは一生懸命提携がうまくいくように努力するだろう。


弊社はまさにその様な提携をいくつかアドバイスしている。


①老舗紙加工業とIT新興企業の提携

日本でも有数のシェアを誇る、名刺や封筒を作成している老舗企業と、IT新興企業で電子ブックにおいてデファクトスタンダードを確立している企業の提携仲介をしている。老舗紙加工業は名刺ではシェアNO3で数千社に及ぶ印刷業にアカウントを持っている。印刷業では、紙媒体の広告に合わせて電子ブックをインターネット上で提案すればより高い広告効果を顧客に提案することができる。両者が力を合わせれば、そのようなビジネスが効率よく展開できるわけであえる。


②老舗損害保険とネットワークソリューション企業の提携

ネットワークソリューション企業はパソコンのレンタルにおいて驚異的な低コストのソリューションを開発している。保守メンテナンスの費用を保険でまかなうスキームを開発中であり、そのビジネスの仲介を両社の社長と懇意である弊社が仲介することで提携話が進んでいる。


事業革新にどう取り組むのか、老舗企業と新興企業と行司役、の三位一体での取り組みが、ひとつの回答になるのではないだろうか?

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