千代田区立麹町中学校の改革の転換について | Beyond―愚直に、ひたむきに生きるー

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独立研究者として子ども・若者参画について論文を執筆しています。ちなみに発達障がい当事者でもありますo(≧∀≦)o。よろしくお願いします。

 定期テストも宿題も廃止し、生徒の自主性や自由を尊重していることで知られる東京都の千代田区立麹町中学校について、改革の流れを大幅に転換させる動きが加速しているようです。私は、退任した工藤勇一校長先生の教育方針すべてに賛成するわけではありませんが、管理主義的な校則を廃止したり、定期テストや宿題の廃止によって国連・子どもの権利委員会から指摘されている「過度に競争主義的な教育システム」を緩和・克服しようしたりする動きは、評価しています。

 だからこそ、こうして工藤氏が麹町中学校を退任したのを待っていたかのように、標準服の着用を基本としたり、定期テストや宿題を復活させようとする同校の校長や教育委員会の動きには、憤りを感じざるを得ません。「鬼の居ぬ間に洗濯」というわけではないかもしれませんが、やり方が姑息です。保護者や子どもの意見を十分に聞かず、それどころか、同校の生徒や保護者への説明責任を果たそうとしない姿勢は、明確な権利侵害であり、こども基本法の制定やこども家庭庁の設置といった時代の動きにそぐわないと考えます。PTAの有志が動いたのも当然です。

 子どもや保護者に一度根付いた学校内民主主義の灯を消してはなりません。