頚髄症・手術前日② | 闘病ブログ~頚椎症性脊髄症と混合性結合組織病~

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2013年4月に頚椎症性脊髄症で手術→2021年3月に混合性結合組織病(MCTD)と診断されました。症状や治療についてブログに残しておきたいです。

◆手術前日②
2013年4月21日の記録

今回は、主治医からの手術説明(家族同席)について書きます

私の場合、執刀医と主治医は別の先生で
執刀医→戦士タイプ
主治医→回復タイプ
みたいな分かりやすい(?)キャラです

遠慮がちな母が同席だったので、質問しやすいオーラ全開の主治医のほうが説明を担当してくれたのはラッキーでした

主治医は頚椎の模型や画像などを使って、手術同意書の内容をもとに分かりやすく説明してくれました
全部だとすご~く長くなるので、同意書のなかから抜粋して載せます
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手術同意書(頸椎椎弓形成術)

■部位:多椎間
(私の場合C4~C6は確定で、C3とC7は手術中に執刀医が判断するとのことでした)

■病態と予後:頸椎には頭部を支えて前後左右に動く運動器の働きと、上・下肢機能や排便機能を司る神経(脊髄)を保護するという働きがあります。

神経を保護している構造物(骨、椎間板、靭帯など)に変性が生じると、神経がはいっている空間(脊柱管)が狭くなり、神経が慢性的な圧迫をうけて、以下のような症状を呈します。

a)  歩行障害
b)  手指巧緻運動障害(ボタンがかけられない、など)
d)  膀胱直腸障害
e)  知覚障害(しびれや温痛覚など)

■治療:これらの変性は加齢や頸椎への負荷によって進行してゆきます。
初期の軽い症状は保存的治療によって改善することもありますが、麻痺症状が進行したまま長い期間が経過すると、脊髄神経は不可逆性の変性に陥り、どのような治療にも反応しにくくなることも珍しくはありません。
このような場合には手術が必要となります。

■手術:
・頸椎椎弓形成術(脊柱管拡大術)
→狭窄した脊柱管を開放し、神経を後方から除圧する方法

・椎弓切除術
→椎弓を拡大などの形成的処置を行わずに取り除く方法

当科ではこれらの手術を病態に応じて組み合わせる手術を行っています。

■手術の効果:手術では狭窄を解除し、神経を除圧することはできますが、傷ついた神経を直接治すことは現在の医学では不可能です。

一般的に神経の回復力は、羅病期間と年齢に反比例します。
高度の圧迫が長期間続いていた症例では、それがすでに不可逆性になっている場合には、たとえ脊髄が手術によって首尾よく除圧されても神経症状の改善が全く現れてきません。

脊髄萎縮が除圧によって元に戻るかを術前に判断することは極めて困難であり、手術のできばえと症状の改善の度合いは必ずしも相関しません。

■合併症:
(たくさんあったので、頚椎(脊椎)の手術と関連が深いと思われるものだけ抜粋します、下記以外にも創感染や全身麻酔による影響など多くの合併症の説明がありました)

●血腫形成:骨や神経の周りの静脈からの出血で、術後血腫を生じる場合があります。
血腫による神経麻痺が生じた場合は緊急に血腫を除去して神経を除圧する再手術が必要です。

●神経症状の悪化:神経周囲の癒着剥離などの手術操作により、神経症状が術前より悪化する可能性は国内外で報告があります。
また、脊髄の圧迫が解除されたために脊髄の浮腫が起こることがあります。
これによる麻痺は四肢のしびれ、脱力、痛み、ツッパリ感などの軽度なものから四肢の完全麻痺にいたる重篤なものまであります。多くの場合、術後数ヶ月から数年の間に改善します。
しかし、まれではありますがこれらが改善せずに永続する場合があります。

脊髄が高度な圧迫にさらされていた場合、血流の途絶えや萎縮によって非常に脆弱化していることが予想されます。
そのような脊髄は、除圧という急激な環境の変化によって一時的、あるいは恒久的な障害を受けやすい状態にあります。
このことも、手術で脊髄の除圧が首尾よく行われたにもかかわらず症状が悪化しうる大きな要因です。

●隣接椎間板への影響:後方除圧後には除圧した椎間に隣接する椎間板や、椎間関節に大きな負荷がかかるようになります。
この負荷によって術後しばらくして除圧した椎間やそれに隣接する椎間に弯曲異常などの不安定性が生じる場合があります。

これによって術前にはなかった部分に脊柱管狭窄症が生じ麻痺が再発したり、頸部痛が出現することもあります。
症状の程度によっては除圧術あるいは除圧兼固定術などの追加手術を行わざるを得ないことがあります。

●術後C5麻痺:手術後に肩関節を外転したり、肘を屈曲する筋力が低下する場合があります。
手術後数日してから発症する場合が多く、現在なお原因が明らかになっていません。ほとんどの症例が数ヶ月以内に回復しますが、まれに麻痺が永続することがあります。
(この「術後C5麻痺」は別の病院の医師も、『後方から手術をした場合は比較的よくある』と言ってました)

●髄液漏:極めて稀ですが、術中に硬膜が破損して脳脊髄液が漏れてくる場合があります。変性の強い病態では、周囲の靭帯や椎間板などが硬膜に食い込んで硬膜が破損されやすい状況にあります。
大抵の場合、術中に対処できます。

うつぶせにして手術します。その際、顔や目を守る目的で頭蓋骨をピンで固定します。
このピンが稀にゆるみ、頭皮に裂傷が起こる場合があります。また、頭蓋骨内の硬膜を傷つけ、術後しばらくの間脳脊髄液が漏出することがあります。

■手術の必要性について:この疾患が直接生命に影響を与えることは決してありません。したがって、手術は本人あるいは本人と家族・親族が強く希望する場合に限り行われるべきです。
また、手術を受ける場合には、本人および家族・親族がこれまでに述べた手術の危険性を十分に認識したうえで手術を希望したものと判断されます。

以上の説明の妥当性について、他施設の医師にセカンドオピニオンとして確認することができます。
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の頃、手術はやっぱりこわかったです

でも手術を決めたのは自分自身なので、とにかく執刀医を信じて頑張ろうと思ってました
(実際は全身麻酔で寝てるんだけど)

あとは、信じられる執刀医と主治医と病院に出会えたことと、出会わせてくれた人達に今でも感謝しています