もう10年近く前の残念な経験について…
面接本番前にある問題を抱えた塾生のA君がいました。
A君は模擬面接で、とにかく落ち着きがなく、あわてている。
顔は青ざめ、早口になるし、体は絶えず揺れ、手振りが異常なほど多い。
本番まで時間がなかったので、真剣に向き合ってもらおうと、かなり厳しめに指摘しました。
「面接内容以前に、その態度だけで落ちる」と。
その場では「はい、分かりました」と言うのに、次にやってもまったく変わっていません。
私の語調はさらに厳しくなったと思います。
あるとき、A君がラウンジで友人と話しているのを耳にしました。
彼は机の上に資料をいっぱい広げ、ベストセラーの本を手にし、
得意げに友人に語っていました。
「気持ちを伝えるにはボディランゲージが大切だと書いてあった。
これを読んだおかげで、自分の手振りの多さは間違っていないんだと自信を持てた。」
私は愕然としました。
彼のことを思って真剣に向き合ってきたのに、まったく通じていなかった。
A君とは長い付き合いだっただけに、無念に思いました。
A君は、私に対してだけでなく、自分に向き合うことも避けたのです。
人は誰にでも、自分が間違っていると認めたくない性質、プライドがあります。
これが邪魔をして相手に心を開けず、自分とも正直に向き合えなくなることがあります。
A君はとても礼儀正しく素直な人間に見えたので、
ストレートに伝えた方がよいと思ったのですが、私の言い方に問題があったのでしょう。
次に来たらアプローチを変える必要があると考えていましたが、その後は現れませんでした。
A君が残念な結果に終わったのは言うまでもありません。
早口で落ち着きがなく、無意味な手振りが多い、
その原因とは何だったのでしょうか。
それは、あがっていたからです。
あがる根本原因は何でしょうか?
第1に「自信がない」こと、
第2に「自分を良くみせようと欲張る心」にあります。
そして自分を良くみせようと欲張る心の背後には、
やはり自信のなさがあるのです。
そこであがり性の人は、自信のなさに正直に向き合う必要があります。
自信のなさにもいろんな種類があります。
たとえば、自分は他の学生と比べてめぼしい経験を何もしていないという人がいます。
これは自分のことを過小評価したり、面接を大げさに考えすぎているせいです。
面接に合格するのに特別なネタが必要なわけではありません。
大したネタでなくてもいい、要はネタの料理の仕方です。
「こんなネタじゃダメだ」と決めつけずに料理の仕方について知恵を絞りましょう。
「面接官が怖い、自分をじろじろ見られるのが嫌」という恐怖症の人もいます。
これも自信のなさや、その反面としての自意識過剰からきます。
面接官は普通に興味を持ってくれているのに、何をそんなに構える必要があるのですか?
理想を高く持ちすぎるあまり、現在の自分を受け入れられず自信をなくしている人もいます。
おそらく親から期待をかけられすぎたせいでそうなったのでしょうが、
社会ではだれもあなたに過大な期待などかけてはいませんよ。
ふつうでいいんです。
ありえない理想化された自己像を追いかけて苦しむのは滑稽なことです。
逆に「自分は親から褒められたことがない、いつもお前はだめだと否定され続けてきた」
という人もいます。
こういうトラウマは短期間では解決できないと思われがちですが、そんなことはありません。
トラウマなんてまぼろしです。自分で勝手に作り上げた観念、よくない記憶の反芻です。
そんなものが面接に害を与える事はありません。
面接官は誰もあなたの過去のことなど知らないのです。
大切なのは「いま」です。
自分の意識次第です。
瞬時にトラウマと決別することを決意すればよいのです。
今まで、模擬面接を何度やっても硬さがとれないので問いつめたところ、
親から否定され続けてきた過去を泣きながら告白した受験生が数多くいました。
その方たちは良かったのです、人前で「心を開けた」からです。
あとは「何も心配しなくていいよ」と声をかけただけでみなさん合格していきました。
都庁でバリバリ活躍し、結婚をして、報告に来てくれた方もいます。
よく「自信を持て」と言いますが、それは無理に自分を奮い立たせることではなく、
自分の弱さを受け入れる、ありのままの自分を受け入れる、ということです。
ありのままの自分を見せまいとする「心のバリアー」を取り払った人は、
サバサバした表情で、自然体で、素直に自己表現ができます。
こういう人とはリラックスして話ができて、会話も弾みます。
もし、10年前に戻り、ラウンジにA君がいたら、こう言いたい。
「資料を閉じて、心を開け」
心を閉じている人、殻にこもっている人は成長しません。
か弱い自分を外気にさらす勇気がなければサナギから蝶になることはできません。
その意味で、人前で強がるのではなく、弱音を吐いたり泣いたりできる人は、
実は強いのだと思います。
今ある段階からもう一つ上のステージへ成長するには、思い切って心を開くことが必要です。
面接で苦しんでいる人は今まさにそういう時期にさしかかっているのです。
そこから逃げないでください。
面接官の居る部屋に入るときに「いやだ、逃げたい」と思ったら、
その瞬間、萎縮して自分を守る殻に入ってしまいます。
それは面接官にも伝わり、お互いの間に垣根ができます。
そうするとコミュニケーションは断絶します。
自分の気持ちは伝わりません。
自分を守るのに必死でうわべをとりつくろう人にだれも魅力は感じません。
恋愛の告白と同じです。
体当たりでぶつかってくる人が人の心を打つのです。
「肩の力を抜いて初対面の人と会話を楽しもう」、
「どんな人と出会えるのだろう」とワクワクして、試験室の扉を開いてください。
そうすれば世界は違って見えてきます!
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面接本番前にある問題を抱えた塾生のA君がいました。
A君は模擬面接で、とにかく落ち着きがなく、あわてている。
顔は青ざめ、早口になるし、体は絶えず揺れ、手振りが異常なほど多い。
本番まで時間がなかったので、真剣に向き合ってもらおうと、かなり厳しめに指摘しました。
「面接内容以前に、その態度だけで落ちる」と。
その場では「はい、分かりました」と言うのに、次にやってもまったく変わっていません。
私の語調はさらに厳しくなったと思います。
あるとき、A君がラウンジで友人と話しているのを耳にしました。
彼は机の上に資料をいっぱい広げ、ベストセラーの本を手にし、
得意げに友人に語っていました。
「気持ちを伝えるにはボディランゲージが大切だと書いてあった。
これを読んだおかげで、自分の手振りの多さは間違っていないんだと自信を持てた。」
私は愕然としました。
彼のことを思って真剣に向き合ってきたのに、まったく通じていなかった。
A君とは長い付き合いだっただけに、無念に思いました。
A君は、私に対してだけでなく、自分に向き合うことも避けたのです。
人は誰にでも、自分が間違っていると認めたくない性質、プライドがあります。
これが邪魔をして相手に心を開けず、自分とも正直に向き合えなくなることがあります。
A君はとても礼儀正しく素直な人間に見えたので、
ストレートに伝えた方がよいと思ったのですが、私の言い方に問題があったのでしょう。
次に来たらアプローチを変える必要があると考えていましたが、その後は現れませんでした。
A君が残念な結果に終わったのは言うまでもありません。
早口で落ち着きがなく、無意味な手振りが多い、
その原因とは何だったのでしょうか。
それは、あがっていたからです。
あがる根本原因は何でしょうか?
第1に「自信がない」こと、
第2に「自分を良くみせようと欲張る心」にあります。
そして自分を良くみせようと欲張る心の背後には、
やはり自信のなさがあるのです。
そこであがり性の人は、自信のなさに正直に向き合う必要があります。
自信のなさにもいろんな種類があります。
たとえば、自分は他の学生と比べてめぼしい経験を何もしていないという人がいます。
これは自分のことを過小評価したり、面接を大げさに考えすぎているせいです。
面接に合格するのに特別なネタが必要なわけではありません。
大したネタでなくてもいい、要はネタの料理の仕方です。
「こんなネタじゃダメだ」と決めつけずに料理の仕方について知恵を絞りましょう。
「面接官が怖い、自分をじろじろ見られるのが嫌」という恐怖症の人もいます。
これも自信のなさや、その反面としての自意識過剰からきます。
面接官は普通に興味を持ってくれているのに、何をそんなに構える必要があるのですか?
理想を高く持ちすぎるあまり、現在の自分を受け入れられず自信をなくしている人もいます。
おそらく親から期待をかけられすぎたせいでそうなったのでしょうが、
社会ではだれもあなたに過大な期待などかけてはいませんよ。
ふつうでいいんです。
ありえない理想化された自己像を追いかけて苦しむのは滑稽なことです。
逆に「自分は親から褒められたことがない、いつもお前はだめだと否定され続けてきた」
という人もいます。
こういうトラウマは短期間では解決できないと思われがちですが、そんなことはありません。
トラウマなんてまぼろしです。自分で勝手に作り上げた観念、よくない記憶の反芻です。
そんなものが面接に害を与える事はありません。
面接官は誰もあなたの過去のことなど知らないのです。
大切なのは「いま」です。
自分の意識次第です。
瞬時にトラウマと決別することを決意すればよいのです。
今まで、模擬面接を何度やっても硬さがとれないので問いつめたところ、
親から否定され続けてきた過去を泣きながら告白した受験生が数多くいました。
その方たちは良かったのです、人前で「心を開けた」からです。
あとは「何も心配しなくていいよ」と声をかけただけでみなさん合格していきました。
都庁でバリバリ活躍し、結婚をして、報告に来てくれた方もいます。
よく「自信を持て」と言いますが、それは無理に自分を奮い立たせることではなく、
自分の弱さを受け入れる、ありのままの自分を受け入れる、ということです。
ありのままの自分を見せまいとする「心のバリアー」を取り払った人は、
サバサバした表情で、自然体で、素直に自己表現ができます。
こういう人とはリラックスして話ができて、会話も弾みます。
もし、10年前に戻り、ラウンジにA君がいたら、こう言いたい。
「資料を閉じて、心を開け」
心を閉じている人、殻にこもっている人は成長しません。
か弱い自分を外気にさらす勇気がなければサナギから蝶になることはできません。
その意味で、人前で強がるのではなく、弱音を吐いたり泣いたりできる人は、
実は強いのだと思います。
今ある段階からもう一つ上のステージへ成長するには、思い切って心を開くことが必要です。
面接で苦しんでいる人は今まさにそういう時期にさしかかっているのです。
そこから逃げないでください。
面接官の居る部屋に入るときに「いやだ、逃げたい」と思ったら、
その瞬間、萎縮して自分を守る殻に入ってしまいます。
それは面接官にも伝わり、お互いの間に垣根ができます。
そうするとコミュニケーションは断絶します。
自分の気持ちは伝わりません。
自分を守るのに必死でうわべをとりつくろう人にだれも魅力は感じません。
恋愛の告白と同じです。
体当たりでぶつかってくる人が人の心を打つのです。
「肩の力を抜いて初対面の人と会話を楽しもう」、
「どんな人と出会えるのだろう」とワクワクして、試験室の扉を開いてください。
そうすれば世界は違って見えてきます!
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