- 催眠の謎―ヒプノシスの本質と活用 潜在能力を引き出し医学に取り入れる科学的解明。/マイケル・ストリーター
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本書は、催眠が辿ってきた波乱に富む歴史に概観し、次に催眠の本質、その仕組みについて解説。また現代催眠が果たしているさまざまな実践的役割、医学的な治療支援についても具体的に紹介しています。
また、催眠の暗部とマインド・コントロールについても書かれています。
催眠の活用法として、ブレーン・ストーミングやフォーカスグループに催眠を適用することが紹介されています。また、偉大な芸術家(たとえば、ショパン、ゲーテ、ラフマニノフ)は、自らの創造性を高めるために催眠に似たトランス状態を利用してきたと述べています。
医学的活用としては、過敏性腸症候群、アレルギー、がん、その他の病気に効果があると述べています。アレルギーに関しては「成功率は80%を超えているという催眠療法士もいます。その理論的根拠は、アレルギーは体内の免疫系が、花粉などのアレルギー源を身体に危害を加える恐れのある物質として認識することによって惹起されますが、催眠は無意識を経由して、アレルギー源に対する免疫系の反応をリプログラミングすることができます。段階を踏みながら、患者はトランス下で、身体がそのアレルギー源に対して少しも危険を感じなくなるように、アレルギー反応を止め、くしゃみ、鼻水、涙眼などの原因となるヒスタミンの生産を止めるように促されます。」と説明しています。
また、催眠は手術の痛みと時間を減少させ、安全性も高めることができると2000年にボストンのベス・イスラエル。ディーコネス医療センターの医師たちは実証しました。
痛みを軽減(もしくは感じなくする)に関しては、「痛みの経験は身体各部の神経から発し、脊髄を通り、脳の受容体に達します。ここでの催眠の目的は、身体が痛みを惹起する感覚を知覚しているにもかかわらず、意識に痛みの信号を受け取っていないと信じ込ませることにあります。この現象はアナルゲシアと呼ばれています」と述べています。
出産に関しても催眠は活用されています。ウィスコンシン大学で行われた研究では、催眠下で出産のための暗示を受けた妊婦は、そうでない妊婦に比べ、分娩時間も短く、痛みも少なくて済んだことが明らかにされました。出産のための催眠を教えている療法士は、分娩時に妊婦が経験する痛みの大部分は、痛みの予感、そしてそれが生み出す恐怖心、緊張から生まれると述べています。出産前催眠療法は、、出産に対する母親の先入観を変えることに眼目をおいています。、そしてそのことによって母親の身体が分娩と同調し、可能な限り痛みを感じなくてすむようにする目的で行われます。
催眠下でかたられた記憶が時には、「偽記憶症候群」である場合があります。これは作話症とも呼ばれ過去に関する質問をされたとき、無意識的に自分で失われた記憶の間隙を埋め、それを実際にあったことと自分に信じ込ませながら、偽の創作した記憶で答えるというものです。批評家は、そのようにして「回復された記憶」は、幼児虐待の抑圧された記憶を、それがみつかるまで探し出そうとする療法士の過誤によって生み出される場合が多いと指摘します。