中国・四川大地震 MSFチーム、被災地の援助ニーズに対応
中国南西部の四川省で発生したマグニチュード7.9の地震により3万2千人以上が死亡し、480万人が家を失ってから1週間以上が経過した。国境なき医師団(MSF)は210トン以上の救援物資を提供し、生存者への医療援助を行っている。
中国全土の市民や地域社会から膨大な救援物資や義援金が届き、外国からの追加援助の申し出もあって、中国政府はこれまでのところ大規模で迅速な災害対応を行っている。MSFは中国赤十字社や現地保健当局とともに、被災地のさらなる援助ニーズの調査を進めてきた。被災地は非常に人口密度の高い地域で、フランスの国土に匹敵する広さにわたっている。
道路の修復が進み、徐々により震源に近い地域に入ることができるようになったため、MSFは週末にかけて調査活動を続けた。食糧、水、避難施設などの基礎的な需要はほぼ満たされている。しかし地域の病院は深刻な損壊を受け、その多くが利用不可能になっているため、専門的な医療ケアの提供が必要とされている。MSFは成都赤十字による配給協力を得て1750張の家族用テントを提供し、さらに2千張も今週中に提供する予定である。
徳陽市広漢にある拠点病院では、整形外科医と内科医を含むMSFの1チームが業務をサポートしている。この病院には、深刻な被害を受けた什邡、綿竹、北川から重症患者が搬送されている。MSFは同病院に対し医薬品や医療物資の提供も行った。
またチームは広漢の、地震で家を失った人びとが一時的に避難している複数の地点にも足を運んだ。基礎的なニーズは政府や地域社会の支援によってほぼ満たされていた。
MSFはまた、震源地から約60kmの綿竹市汉旺镇(Hanwang)の2つの国営病院に医療物資とテントを配布した。この国営病院は2つとも地震により建物が著しい損傷を受けたため、全ての医療活動は病院構内付近の野外テント内で行われている。病院のスタッフも地震による直接の被害を受けており、疲れ果てた状態である。週末にかけて、MSFは20帳の大型テントをこれらの病院の診療室と患者用に配布し、さらなる援助の可能性を模索している。
MSFと協力して活動しているクラッシュ・シンドロームの専門家である腎臓専門医 3名(ベルギーのヘント大学から2名、香港から1名)から成るチームが、整形外科と外傷の治療施設を備え、多くの被災者が搬送されている四川省・成都市内の最も大規模な病院で、クラッシュ・シンドローム治療の専門的知識を提供している。広漢の病院でも同腎臓専門医が、クラッシュ・シンドロームに苦しむ患者の診断および治療面でアドバイスを行っている。クラッシュ・シンドロームは、体内の激しい損傷により、ダメージを受けた筋肉から大量の毒素が血流に排出され、腎不全に陥る症状である。治療が行われなければ、命にかかわる病気である。
ショッキングな出来事によって受けた心の傷の治療経験を持つMSFの心理療法士が、成都市内の主要な研修・搬送病院である華西病院で被災者のケアに関する支援を提供している。華西病院は今回の大地震の生存者に対する心理ケアを提供するために、数百人の医学生に対して研修を実施している。
今週、MSFチームは被災地の援助ニーズの調査を引き続き行い、必要な場所に援助を行う予定である。19日の時点で、23人のMSFスタッフが被災地で活動している。
MSFは1988年から中国で活動している。地震発生当時、MSFのスタッフは 2003年から広西チワン族自治区の南寧で、広西壮族自治区の公衆衛生当局および疾病対策センターと提携して行っているMSFのHIV/エイズ治療プログラムで活動していた。湖北省・襄樊で行っていたHIV/エイズプログラムは2008年初頭に中国当局に移管した。2008年初頭、MSFは湖北省の襄樊で行っていたHIV/エイズ治療プログラムを、中国当局に移管した。
出典:国境なき医師団(MSF)
「医療行為から逸脱」 日本移植学会会見 論文虚偽記載も指摘 病気腎
日本移植学会は十九日、東京都内で記者会見を開き、前日の定例理事会で病気腎移植について議論した内容を説明。寺岡慧理事長は宇和島徳洲会病院の万波誠医師(67)らによる同移植を「医療行為から逸脱している」とあらためて批判。昨年三月に関連学会が打ち出した「現時点で医学的に妥当性がない」とする共同声明の方針は変えないと明言した。
また、寺岡理事長は、今春、米国学会誌に掲載された万波医師らのグループによる同移植に関する論文について「虚偽記載がある」と発言。
尿管がんの患者の腎臓摘出に関し、実際には腎臓を先に摘出し、がんを含んだ尿管を後から取り出すなど、患者にがん再発の危険性を高める術式をとっていたが、論文には適切な手法を採用したように記載されているとした。インフォームドコンセント(十分な説明と同意)の記述にも問題があると批判した。
会見で寺岡理事長は「腎臓に疾患のある患者に十分な治療をせず、移植優先の摘出をしているのが一番の問題」と強調。同移植を高度医療など医療現場で採用することには「近い将来に行えるとは考えていない。適正な移植を根付かせるには、亡くなった人からの臓器提供を増やす施策を考えていきたい」と否定的な考えを示した。
超党派の国会議員グループが条件付きで病気腎移植を容認した見解には「提言はありがたいことだが、医学的な点でかなりの誤解がある」と述べた。
同学会では病気腎移植に対する詳細な検証や、反対する理由などを盛り込んだ見解を近く公表する予定。
論文の虚偽記載との指摘に対し、万波医師は「自分の執筆部分ではないのでコメントできない」としたが、術式については「尿管がんは場合によっては二回に分けて摘出することも当然ある。絶対やってはいけないというのは間違っている」と反論した。
尿管がん患者の腎臓摘出のデータを提供した呉共済病院(広島県呉市)の光畑直喜医師も「論文は別の医師が英訳したので、その部分で間違いはあったかもしれないが、本質的なものではない。二回に分けて摘出するのは世界で使われる医療手引書で問題ないと明記されている」と主張した。
出典:愛媛新聞
病気腎移植あらためて批判 死体からの提供増をと学会
日本移植学会の寺岡慧理事長らは東京都内で19日記者会見し、超党派の国会議員グループが条件付き容認の見解をまとめた「病気腎移植」について「適切ではない」と、あらためて批判した。
寺岡理事長は、議員グループと対立する意図はないことを強調しつつ、移植を進めるには死体からの臓器提供を増やすべきだとして、議員らに「そのための施策を考えてほしい」と述べた。
理事長はまた、病気腎移植の問題点を学会としてあらためて分かりやすくまとめ、近く発表する方針を明らかにした。
病気腎移植は、治療のために摘出した腎臓を別の患者に移植する行為。
宇和島徳洲会病院(愛媛県)の万波誠医師らの実施が社会問題化し、厚生労働省が原則禁止を決めたが、国会議員でつくる「修復腎移植問題を考える超党派の会」(会長・杉浦正健元法相)が今月13日、第三者による客観評価などを条件に、容認できるとする見解をまとめていた。
出典:47NEWS
議連の「病気腎移植容認」に反対 移植学会理事長が会見
超党派の国会議員らが宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師による病気腎移植を容認する見解を出したことについて、日本移植学会の寺岡慧理事長は19日、「医学的に(誤解が)かなりある」として、反対する考えを明らかにした。
同日あった理事会後の会見で話した。寺岡理事長は、万波氏は腎臓などに病気を抱える人に十分な治療機会を与えずに臓器提供を優先していたとし、「医療として不適切だった」と批判。国会議員らが容認の理由に「臓器不足」を挙げたことについては、「生体での提供よりも、心停止後や脳死下での提供を増やすことを検討すべきだ」と話した。
出典:朝日新聞
「妥当性なし」再確認 日本移植学会定例理事会 近く見解発表
日本移植学会(寺岡慧理事長)は十八日、東京都内で定例理事会を開いた。関係者によると、病気腎移植問題が議題に上り、同学会など腎臓病関連学会が昨年三月に打ち出した「現時点で医学的に妥当性がない」とする共同声明の方針を再確認し、同移植が認められない理由などを共同声明以上に踏み込んで説明した見解を近く発表する見通しとなった。
宇和島徳洲会病院の万波誠医師(67)らによる病気腎移植については、関連学会や厚生労働省が同移植に否定的で、「原則禁止」を既に打ち出していたが、十三日に超党派の国会議員グループが条件付き容認の見解を出したことで、関連学会の共同声明をリードしてきた日本移植学会の対応が注目されていた。
関係者によると、同日の理事会では一連の病気腎移植に対し、腎臓に疾患のある患者に十分な治療が行われず、移植を前提とした摘出が行われたなどと否定的な意見があらためて出された。また、病気腎移植を「治療行為として認めていない」として臨床研究を進めるべきだとする意見は出なかったという。
一方、国会議員グループの動きに対し、政治家が医学的判断に踏み込んできたとして難色を示す声も上がったという。
日本移植学会は十九日、ほかの議題も含めて理事会の内容について記者発表する予定。
出典:愛媛新聞