大阪人(関西人)に、もんじゃ焼きを食べたいかと聞くと、
まあ全員が嫌な顔をするのは間違いないね。
大阪にはお好み焼きがあるんですよ。
誰がもんじゃ焼きを食べますか。ねぇ。
知り合いの江戸っ子が、僕にもんじゃ焼きを食べた事があるかと聞いてきたので、
みんなと同じように嫌な顔をしながら
「一度あります」と答えてしまった。
そうすると、僕の嫌そうな顔を見て、その方、闘志が湧いたのか
どうしても彼が作るもんじゃ焼きを食べさせたいと、僕を口説くのです。
あまりにも自信満々なので、まあ、一度行ってもいいかと思い、嫌々行く事にした。
そこは荒川区。まだ東京で唯一の路面電車が走っている。
どちらかというと庶民的な所。
まずは鉄板焼きを食べながら、江戸っ子からもんじゃ焼きについて
詳しい、長い説明を受ける。
「ヘェー。面白いですね」
それから、食べ方も学ぶ。(これが結構難しい)
色んな鉄板焼きを食べると、注文した(何を注文したかさっぱり分からない)もんじゃ焼きが来た。
彼は器に入ったもんじゃ焼きに、なんと青のり、かつお、ソース、醤油、七味を
たくさんその器に入れて、まんべんなくかき混ぜていた。
見た目はお好み焼きと同じ。
でもなんだか、メリケン粉に水が多く、ベチャベチャしている。
大阪でお好み焼きについて、こんなにこだわる人はあまり見たことがない。
ティースプーンくらいの小さなテコとお好み焼きのテコがあるが、
もんじゃを食べるには、小さなテコを使う。
そのテコの上に乗せて食べるのではなく、テコに付けて食べる。
もんじゃがテコに付くようになればできあがっている。
味付けをしたもんじゃを鉄板の上に広げる。
お好み焼きのように、形をきちっとつけない。
敢えて、水気の多い所とキャベツの多い所を分ける。
水気の多い所が、カリッと、すぐ焼ける。
そこの部分を小さなテコで鉄板焼きをこするかのようにとって、
僕にテコに引っ付いたカリカリの所をくれた。
「ここが一番美味しい所です」
えーっ。これって、捨てる所と違うのん?と思いながら食べた。
つづく・・・。