今日もまた、エスカレーターで地上を目指す。

背後から手が伸びてきて、身体に触れる。このところ定番になりつつある。

とはいえ、前からくる人が気になるのは変わらない。触れられるのに慣れてきた私の余裕を見越したかのように、彼の指が強く乳首をつまんだ。

思わず息をのみ声を抑える私に、いたずらな微笑みを浮かべながら、更に指の動きが激しくなり、乳首をつまみ上げる。

硬くなった乳首を楽しむかのように、微笑む彼の指は激しくするのをやめない。


彼の腕の中にくるまれると、すっかり馴染んだ体温を感じる。

安心する間も無く、唇を重ね合わせる。

不思議と、惰性になることがない。

いつ会っても情熱的に抱き合えることが幸せだなと思う。

付き合い出した頃を思い出そうとしてみたけど、どうしても今の方が情熱的な気がする。

口づけを交わしながら、彼の情熱に、熱さに高揚して浮かれた心と、身体に彼の指が触れ、強く乳首を摘み上げる。

「あっ…」

声が上擦る。乳首を刺激する彼の指は止まらない。まるで、自分のものをしごくかのように。


彼の指が脚の間に伸びると、自然と待ち望む自分を感じる。

皮を剥いて触られることに慣れすぎてしまって、剥かれずに触られるともどかしい。

彼の顔が脚の間に近づく。

「だめ…っやだやだ、恥ずかしいから」

「何を今さら」

本当に今更なのはわかっているのだけれど、何度この場面になっても慣れることができない。

電気を…と言う私に珍しく応えて、彼が電気を消す。

見慣れない。

薄暗闇のなか、彼が少し強引に脚を開き顔を寄せた。

皮を剥いて、舐め上げられる。

衝動に激しく貫かれる。腰から溶けそうになる。


彼のものを口で迎える時は、なるべく柔らかく優しくする。

より強く一体感を得るために。彼と私の境界線がなくなるために。

彼のものが、一定のリズムを刻みながら喉を突く。

抱き合うとは、いわんやセックスするとは、ただ純粋に相手が私の中に入ることな気がしている。

喉の奥に彼のものがあたり、出し入れされる快感に身体の芯が疼く。

苦しいくらいセックスをしていると思う。

薄暗い部屋の中で、強く口の中で上下に動く彼自身に激しい衝動を覚える反面、いつもより見えないことに寂しさと一抹の不安を感じる。


強く抱きしめられる。

そのまま彼が入ってきて、身体が震えた。

待ち望めば待ち望むほど、身体の奥のその先から彼を欲しているようだ。

いつもより密着が激しい分、全てがダイレクトに彼のもとに届いている気がする。

抱きしめられながら、深く突き刺さされる。抱きしめる彼の腕の力は胸がつまるほど苦しく強い。

深く突き刺ささる彼に身体の全てを委ねながら、溺れていく。彼の腕が留めおいてくれてる、そんな錯覚に陥る。

灯りがないから余計に沈んでいくようだ。

彼の腕に強く抱きすくめられ、彼も私も享楽も全て溶けてなくなる。

彼は今、どんな表情をしているんだろう。

この薄明るい闇の中で、彼も一緒に溺れていたらいい。