タイミングが合わないと、会えない時間が続く。そのことをポジティブに捉えるまではまだできないけど、会えるまでの焦燥感と会えた時の喜びら他に代え難い。


今日はタンクワンピにシャツを羽織って出かけた。彼はイタズラな顔をして、シャツを脱いで、と言う。

脱ぐともしかしたら、下着をつけてないのが周りにわかってしまうかもしれない。

恥ずかしいの?と聞かれると、つい反射的に恥ずかしくないけど、と言ってしまう。

それを彼もわかっている。

電車を降りたところで、結局シャツを脱ぐ。彼のお願いを無視することが、私にはできないのだ。

シャツや荷物を、重いのに、そして暑いのに持ってくれる。

またイタズラな顔をして、彼の肘が胸先をつつく。


今日はおよそ1か月ぶりくらいに会った。

自分が激しく彼を求めているせいか、余裕がなく、あっという間に果てそうになる。まだ指で触れられているだけだというのに。

少しいつもより余裕がないような気がしたのは、私だけではなく彼も求めてくれているから?


付き合い始めのころ、いくときに彼が

誰としてるの?いくときちゃんと見て

と言っていたのが妙に嬉しかった。

今は言われなくなったけど、なるべくしてる時は見たいと思う。

元々色素が薄い彼が、少し汗で前髪を濡らして微笑む。色々なことが削ぎ落とされた静謐な瞬間。その瞬間を見るのが好きだ。


彼が挿入ってくる瞬間、自分の身体が小さく震える。

小さな反応でも彼には伝わってしまう。

感じてる顔だ

恥ずかしい言葉も彼に言われると興奮してしまう。どんどんだらしない顔になっている気がする。それを可愛いと言ってくれる。


自分だけなのも恥ずかしく、彼のものに手を伸ばすと止められる。

彼のものを触ったり舐めたりするのが好きだ。触れるとき、手や口で感じる肌感が心地よく気持ちよい。

一緒に気持ちよくなりたいと思うのは、口実に過ぎないのかもしれない。

自分自身を気持ちよくするために、彼に触れるのかもしれない。

なめて

やっと言われて、でも完全に彼のペースなのも口惜しくて、

なめてほしいの?

と聞いてみる。

ほら、はやく

少し乱暴に言われると、それだけでぞくぞくする。

無我夢中で、口にむかえた彼を感じる。少し制止される。


入ってきた彼の動きが奥までいかないうちに止まり、小刻みな動きにおかしくなりそうになる。入るまでが待ち遠しかったのに、実際にはどこまで入ってるのだろう?まだ入り口に居る気がする。

無自覚に、奥へといざないたくて、動きに合わせて腰が動くのを

じっとして

と叱られる。言われた時は止められるけど、また動いてしまうのは自分でもどうしようもない。


彼はなぜ、こんなに自制できるのだろう。

私はもう、こんなにぐちゃぐちゃなのに。

いきなり奥まで突き上げられて、軽くいってしまう。

彼の動きに翻弄される。

いきそうになる、けどそれを認めるのはまだ私には出来ない。

こんなに早くいってしまうことが口惜しくもあり、勿体なくもあるから。

いきたい?

彼に聞かれると、

別にいきたいわけじゃないけど

などと答える私に、

時々、彼はゲームを仕掛けてくる。

いったら××ね

例えば、おもちゃ入れてお散歩ね、などのようなハードなものから、たわいもない、でも私には恥ずかしくて出来ないようなことを提案される。

ギブ?それともいくのを我慢する?

本当に実現されるわけではない。

でもギブだとどうなるんだろう?

考える間もなく、いきそうになるけど、いくわけにはいかなかった。

また彼に聞かれる。どんどん余裕がなくなる。

ギブ、ギブする!

あー、残念。さっきギブしておけばよかったのに〜

いたずらっ子のような彼の声を聞きながらいってしまう。


ひとは誰かを好きだと思うとき、どうやって判断しているのだろう?

私たちの逢瀬にセックスは不可欠で、とても大事なコミュニケーションではあるけれど、長いことそこにある感情が私にはわからなかった。

彼を想うとき、例えば少し前を歩く彼が繋ごうとして伸ばす手のひらや、急いでいてもなるべく一緒に帰ろうとしてくれたりご飯を食べたり、私のことなのに傷ついたような顔をしたり

そういった些細なことも

セックスの最中の微笑みやイタズラな顔、いく間際の彼の顔、

そういったことも同じように思い出す。

家に帰ったあと、散々いったのにまたひとりでしてしまう。身体の中に彼の痕跡を感じる。

日が経つにつれ、その痕跡が消えていくのが寂しい。