皆さんこんにちは。

 「J-AC TOP40」2024年8月24日付けチャートの初登場曲、圏外曲を振り返ります。

 

 

  初登場曲

 

 

 今週の初登場曲は曲でした。

 なお、初登場予想が的中した曲は4曲中2曲でした。

 

 

No.40

 

 

「Swamp」iri

■8/14リリースの配信シングル

■ドラマ「スカイキャッスル」主題歌

■「Run」以来5か月ぶり、今年2曲目、通算9曲目のエントリー

 

 今週の初登場予想で私が期待を込めてカバーに挙げた楽曲です。期待に応え、見事エントリーしてくれました。最下位40位からのスタートですが、まずはエントリーしないことには何も始まりませんから、よかったと思います。

 

 iriさんが8月14日にリリースした配信シングルで、テレ朝木曜ドラマ「スカイキャッスル」主題歌。韓国の人気ドラマを日本リメイクした作品です。このドラマは、miletさんが原作のテーマソング「We All lie」(7/26配信リリース)をカバーすることが事前に発表され、話題になっていました。しかし、iriさんが主題歌を手掛けることは初回放送まで発表されていなかったと思います。初回放送を観ていた時、iriさんのかっこいい主題歌が聞こえてきて思わず叫びました(私、iriさんは女性シンガーの中で5本の指に入るくらい好きなんです)。ドラマの主題歌を手掛けるのは初めてということで、大抜擢といってよいと思います。

 

 「Swamp」は「沼地」の意味。このドラマを観て「沼って」ほしいというiriさんの思いが込められています。iriさんは、「歪んだ愛情も受け入れたり、時には手放し葛藤しながらも自分で人生を選んでいく覚悟を曲にしました」とコメント。ドラマ「スカイキャッスル」、韓国ドラマによくありがちなのかもしれませんが、とても容赦がなく、えげつない展開の連続なんですよね。しかし、俳優さんたちがそれを楽しんで振り切った演技をしており、大味ながらも見ごたえがあります。iriさんのボーカルは愛憎入り乱れるこのドラマにピッタリだと感じていて、オファーを出した制作陣は素晴らしいと思います。

 

 ここJ-ACチャートでは9曲目のエントリー。これまで、20位台に行った楽曲は2曲で、残りは全て30位台です。ここ7曲は連続で2~3週のエントリーとなっており、冷え切った成績が続きますが、今作は話題のドラマ主題歌ということでぜひ人気に火が付いてほしいところです。最下位の40位からではありますが、出遅れではなく、セールス週の40位なので、来週はアップに期待しています!

 

  

No.38

 

 

 

「糸しいひと」汐れいら

■8/14リリースのEPより

■8月のHello! KYOTO POWER MUJIC

初エントリー

 

 こちらは今月8月のKPM(Hello!KYOTO POWER MUJIC)に起用されている汐れいらさんのナンバーです。KPMはスマッシュブレイクに比べるとエントリー率が低く、エントリーしないことの方が多い印象です。しかし、今月のこの曲はオンエアが好調で、スマッシュブレイクよりもオンエアされていました(今週でいうと、この曲が7回、スマッシュブレイクが4回)。ですから、エントリーのチャンスがあるのではないかと思って予想に挙げました。予想的中となり、よかったです。エントリーしてきたということで、それだけでも優秀なKPMだと思います。

 

 汐れいらさんは、東京都江戸川区出身のシンガーソングライター。16歳の頃から作詞、作曲を始めたそうです。現在は路上ライブ、ライブハウスを中心に活動していて、路上ライブでは座布団を敷いたうえに胡座をかいて歌うスタイルが定番だそうです。路上ライブで胡座...!なんというか、骨のある、野武士然としたアーティストが入ってきましたね。かっこいいです。

 

 こちらは8月14日にリリースされたEP「No one」に収録された楽曲。野武士然なんて書いてしまいましたが、あら、楽曲の方はかわいらしく笑 「愛しい人」を「糸しいひと」と表記しており、人のつながりを大切にしている感じがしますよね。にしなさんみたいな歌声だなと思いました。ハートフルで感情的な歌声ですよね。「この世界のどこかにいる誰かのことを歌うシンガーソングライター」を標榜しているそうで、キャッチコピーどおり、人肌の温もりを強く感じさせる作品になっています。

 

 KPMの成績は大体スマッシュブレイクと同程度のことが多いです。今月中はオンエアが多いはずですから、来月頭にかけてさらに上の順位を目指してほしいですね。

 

 

No.37

 

 

 

「Summer Princess」平井大

■8/14リリースのEPより

■「Walk Together」以来3か月ぶり、今年2曲目、通算27曲目のエントリー

 

 待ってました!!

 

 そんな風に思った方も多かったのではないでしょうか。2021年、22年と連続して「8曲」がエントリー。大量エントリーの王としてその名を轟かせてきた我らが平井大さんですが、ここ最近はすっかりエントリーが影を潜めていました。2023年は2曲で、今年は「Walk Together」のわずか1曲。しかもそれが40位1週で圏外になってしまいましたから、約8か月でたったの1週しかエントリーしていなかったことになります(しかも、最下位の40位)。

 

 これ以上ないくらい冷や飯を食わされていた彼ですが、先週はコメントゲストに登場。「コメントゲストではなく、チャート本編に入ってくれよ!」と思ったことは多かったでしょう。期待に応え、今週は見事に入ってくれました。あるいは、コメントゲストの登場効果というのが多分にあったかもしれません。

 

 8月14日にリリースされたEPより。連続リリースの第3弾だそうです。人生という旅を共に進むPrincessに向けた甘く爽やかなサマーラブチューンになっています。連続リリース、懐かしい響きですね。今も元気に連続リリースをされているんですねえ。先週、コメントゲストに登場された時、音楽以外に長く続けてきたことはないというようなことをおっしゃっていましたが、裏を返せば音楽一本で力を注ぎ続けているということですからね。その精力的な姿勢には脱帽します。2021年、2022年みたいに、また大量に曲を送り込んでくれてもええんやで?笑 私は楽しみにしております。

 

 なお、私は初登場予想で7月31日にリリースされた「Summer Dreamin'」を予想に挙げましたが、入ってきたのは8月14日にリリースされたこの曲「Summer Princess」でした。正直に言うと、曲名も曲の感じも似ていたので、取り違えてしまったんですよ(お粗末すぎる笑)。初登場予想は的中...!かと思っていたのですが、曲名が違うのでこれは「アウト」ですねもやもや

 

 

No.34

 

 

 

「NG」ちゃんみな

■8/9リリースの配信シングル

■ガールズグループオーディションプロジェクト「No No Girls」テーマソング

■「FORGIVE ME」以来3か月ぶり、今年2曲目、通算6曲目のエントリー

 

 この曲は先週の初登場予想に挙げていた楽曲です。先週はエントリーを逃しましたが、1週遅れてエントリーを決めてきました。エントリーの要因はオンエアで、先週は3回、今週はさらに多い4回とコンスタントに稼いでいました。ちゃんみなはこれで6曲目のエントリー。2020年から2024年まで1曲ずつエントリーしていたのですが、今回のエントリーで初めて年2曲がエントリーしたことになります。昨年は「命日」で初のトップ10入りをするなど、力を伸ばしていることは間違いありません。

 

 ちゃんみなといえば、ASH ISLANDとの結婚、懐妊を発表しています。ASH ISLANDさんといえば、このチャートでもエントリーした「Don't go」で共演していましたよね。その後、6月には「20」という曲でもコラボしています。夫婦になったお二人ですが、「20歳の気持ちを忘れずに一緒にいよう」と誓い合っているそうですよ。素敵なご関係ですね。この度は誠におめでとうございます。

 

 本作は、彼女がこれまでに突き付けられてきた数多くの「NG」から生まれた楽曲です。いわゆる、カウンターパンチ的な楽曲になっているんですかね。楽曲はかなり尖ったワードが並びますが、「Fワード」は使っていないのがこだわりということ。安易に刺激的なワードに飛びつかないのは、彼女がちゃんと「自分自身の中」から言葉を出している証左ですよね。それが、支持される要因でもあると思います。ガールズグループオーディションのテーマソングとなっており、この曲のもとにどんなグループが誕生するのか楽しみです。

 

 前の曲「FORGIVE ME」は36位1週で終わってしまいましたが、今作は34位初登場ということですでに前作超えは達成。まずは来週、しっかりと2週目のエントリーを目指してほしいです。

 

 

 

  

 圏外曲

 

 

先週40位「毎日」米津玄師

IN【12】TOP10【6】HIGH【4】???P

 

 米津玄師が5月27日にリリースした配信シングル。「ジョージア」CMソングで、昨年の「LADY」に続くタイアップです。リリース週の6月1日に23位で初登場。抜群の初速をみせましたが、2週目以降は意外と控えめで、2週目は13位、3週目は9位。3週目のトップ10入りでした。朝ドラ曲の「さよーならまたいつか!」も入っていましたし、ダブルエントリーの影響でちょっと上昇幅が抑えられた感はあります。しかし、翌週は4位まで上昇。それによりメインに躍り出ました。

 それ以上の伸びはなく、5週目は5位にダウン。その後は6位、5位となり、再浮上するなどトップ10の中位で堅調な推移をみせていましたが、8週目に10位まで降下。さらにひどかったのは翌週で、なんと18位まで急降下してしまいました。トップ10からの大ダウンというのは衝撃で、めったに見られません。このタイミングで「さよーならまたいつか!」には順位を逆転され、再びあちらの方が上の順位となります(そして、チャートに長く残ったのも「さよーならまたいつか!」でした)。中盤は朝ドラ主題歌を上回ったこの曲ですが、後半にかけて逆転され、要するに「メイン曲の資格なし」と烙印を押されてしまったわけです。この曲にとっては非常に厳しい推移となりました。

 トップ10落ち後がまたひどく、25位、33位と続落に続落を重ねます。このままでは、「トップ10落ち後わずか3週で圏外」という屈辱の結末を迎えるところでしたが、先週はなんとか40位に残留。最悪の屈辱だけは免れましたが、推移が悪いことには変わらず、トータルは12週でロングエントリーにも及びませんでした。

 昨年の「月を見ていた」(最高5位、10週)よりはまだましですが、近年ではそれに次ぐくらいの低い成績で、昨年の同タイアップだった「LADY」を下回ったのはもちろん、年間入りも危ぶまれるような状況です。最強のタイアップである朝ドラ主題歌と重なった時期にリリースしたのが厳しかったですね。まあ、ニューアルバムもリリースされましたし、そこからの新曲がまた賑わせてくれていますから、そこまで落胆することでもないと思います(そもそも、この曲の成績は一般的には十分な好成績です)。

 

 

先週39位「Delusion:All」ONE OK ROCK

IN【5】TOP10【0】HIGH【24】47P

 

 映画「キングダム 大将軍の帰還」主題歌。7月12日リリースの配信シングルです。映画の方は大ヒットしましたが、チャートの方はからっきし。極端に悪いわけではないものの、鳴かず飛ばずという成績になりました。7月20日に40位に初登場。翌週は16ランクも上げて24位と期待を持たせますが、結果的にこれが最高位、いわゆる「2週ピーク」になったのですから残念な推移です。3週目は26位にダウン。29位で粘りますが、5週目に39位まで急落。ここで圏外となり、トータルは5週という成績でした。

 「不調」と締めくくりたいところですが、近年の成績を見ると「想定どおり」と言わざるを得ません。ワンオクが最後にトップ10入りしたのは2021年の「Renegades」で、以降は最高でも7週、3~7週という推移が5曲続いています。この間、10位台が精いっぱいで、トップ10には届いていません。今作もその範囲内で、「不調も3年続けば」なんとやらという言葉が厳しく迫りつつあります。ワンオクはこの程度で終わるアーティストではないと思っていますので、最後まで述べきるのはやめておきます。

 

 

先週38位「Romantic」SEKAI NO OWARI

IN【14】TOP10【8】HIGH【6】???P

 

 SEKAI NO OWARIが5月10日にリリースした配信シングル。TBS金曜ドラマ「9ボーダー」主題歌です。このドラマは主題歌だけでなく、様々なところでセカオワの楽曲が使用された「セカオワ尽くし」の作品だったそうですね。

 5月18日に22位で初登場。一気に上げ、2週目は7位でトップ10入りしました。そこからは上昇が止まり、6~7位を往復します。7→7→6→7→6→7位という推移で、なんと6週連続で6位か7位でした。トップ5には届きませんでしたが、順位を下げることなく、1か月以上も6~7位をキープしていたのは立派です。途中は再浮上もあり、力強い推移でしたね。その後はじりじりと下がり、10週目にトップ10落ち。トップ10内は8週と、配信シングルとしては非常に長い期間でした。

 その後は普通に下げていき、トップ10落ち後のエントリーは5週。しかし、中位で粘ったのが大きく、トータルは14週でロングエントリーを達成です。前作「タイムマシン」はトップ10内に5週、トータル13週でしたが、この曲はいずれも上回り、もちろんポイントでも上回っています。「タイムマシン」は年間入りの当落線上ではないかと思いますが、この曲はその上にいますから恐らく年間入りはほぼ確実だと思います。

 それにしても、セカオワは本当に安定していますよね。「タイムマシン」と「Romantic」はダブルエントリーしている期間も1か月ほどあったのですが、上手くすみ分けし、トータルが13週と14週から理想的ですよね。セカオワは特大ヒット曲を何曲も持っていますし、それをコンスタントに出しています(「Drangon Night」「RPG」「Habit」)。そして、その間にはこの曲のような「中ヒット」をしっかりと出している。爆発力、かつ安定感があって素晴らしいと思いますね。今回、「タイムマシン」「Romantic」の2曲を手堅くまとめたことには本当に感心しました。

 

 

先週37位「MIRROR」Ado

IN【11】TOP10【3】HIGH【7】???P

 

 Adoが5月31日にリリースした配信シングル。配信セールスを受け、6月8日に28位で初登場。翌週からは8ランクずつ上げていき、20位、12位と順調に推移。4週目に8位でトップ10入りしました。Adoの配信シングルは爆死することも多く、安定感を欠いていますが、この曲は安定して上げてきましたね。特に大きなタイアップもない中、曲のよさが支持されたのではないかと思います。

 トップ10内では8→7→7位と推移。配信オンリーのため、爆発力を欠きましたが、トップ10内は3週とそれなりに頑張っていました。7月10日にはアルバム「残夢」がリリース。アルバムリリース効果がこの曲に入れば、さらにトップ10を伸ばし、年間入りもうかがえたのではないかと思うのですが、このタイミングで「ルル」がエントリー。しかも、23位とそこそこ上昇したため、ポイント割れが起こったようで、この曲も順位を下げていきました。後半は典型的な共倒れであり、できればこの曲に専念できなかったのかという思いがあります(ちなみに、この曲に「ルル」のポイントを出すと年間入りも有り得る水準となります。全く意味のない仮定ですが、参考に述べておきます)。

 この曲は10位台に3週とそれなりに耐えていましたが、「ルル」が急落したタイミングで足並みをそろえるように急落していきました(これが共倒れという所以)。最後は2週で18ランクも下げてしまい、トータルは11週でロングエントリーに届かず。トップ10内も3週と控えめのため、さすがにこれでは年間入りはしません。ただ、地味ながらポイントを伸ばしており、2023年以降の9曲では3番目のポイントです(1位は「唱」2位は「向日葵」)。繰り返しますが、大きなタイアップもない曲にしては、かなり頑張ったという印象ですね。