皆さんこんにちは。

 「J-AC TOP40」2024年7月27日付けチャートの初登場曲、圏外曲を振り返ります。

 

 

  初登場曲

 

 

 今週の初登場曲は5曲でした。

 なお、初登場予想が的中した曲は5曲中4曲でした。

 

 

No.40

 

 

 

「恥ずかしいか青春は」緑黄色社会

■7/9リリースの配信シングル

■ABEMA「今日、好きになりました。2024 7-9月シーズン」主題歌

■「ナイスアイディア」以来4か月ぶり、今年4曲目、通算14曲目のエントリー

 

 緑黄色社会が7月9日にリリースした配信シングルで、ABEMAのリアリティー恋愛番組「今日、好きになりました」の夏クール主題歌。先週は初登場曲が強すぎてエントリーを逃しましたが、1週遅れの40位で滑り込みのエントリーを決めました。前のシングル「夜祭音頭」は大滑りしてエントリーすらできませんでしたが、今作はすでに「夜祭音頭」の再生数を上回っており、好タイアップも手伝ってそれなりに期待できそうです。「ナイスアイディア」以来4か月ぶりのエントリーとなりました。

 

 緑黄色社会らしい、いい意味で非常にアグレッシブなタイトルであり楽曲ですね。全力で駆け抜ける人の背中を押すアップテンポナンバーで、青春の裏にある苦悩と喜びのコントラストがパワフルかつ鮮やかなサウンドとエモーショナルなボーカルで描かれているということです。MVでは緑黄色社会が音楽隊を演じており、指揮者に扮したボーカルの長屋さんが気持ちよくタクトを振るっています。曲名を見て、私は青春の恥ずかしかったことのあれこれを思い出しました。私だけでなく、誰にでもありますよね、青春の恥ずかしい思い出笑 ちょっとここでは書けないことの数々があります笑

 

 野菜ジュースのタイアップだった「ナイスアイディア」が7週に沈んでしまい、勢いとしてはかなりしぼんでしまった緑黄色社会。酷暑が続きますが、しなしなにならず、上昇をつかみ取れるでしょうか。
 

 

 

No.38

 

 

「DIVE」TWICE

■7/11リリースのアルバムより

■「Dance Again」以来7か月ぶり、今年初、通算18曲目のエントリー

 

 TWICEが7月11日にリリースした日本5枚目のアルバム「DIVE」からのタイトルチューン。アルバムは2年前の「Celebrate」以来となるリリースです。「Celebrate」は日本デビュー5周年を祝った華々しい1枚ということで大ヒットし、このチャートでもアルバム曲ながら年間29位と大健闘していました。そんなTWICEですから、昨今アルバム曲がめっきり入らなくなったとはいえ、きっと入ってきてくれると思っていましたよ。まずは見事なエントリーといえるでしょう。
 

 今作はタイトルどおり、水をテーマにしているそうです。シティポップのテイストが取り入れられており、大人っぽい仕上がりになっていますよね。最近の韓国勢って、ちょっと力を抜いた感じのテクニカルな曲が多いですが、この曲もそんな潮流に乗っているように感じます。初期のころとはまた音楽性が違いますよね。いい意味で「余裕が出てきた」というか、すごく好きな雰囲気ですね。

 

 TWICEがエントリーすると、いつもNiziUと競わせてしまってすみません。でも、いつも同時期にエントリーしてくるから仕方ないじゃないですか笑 今回も、NiziUは先週新曲の「RISE UP」がエントリーしたばかりです。NiziUのEPと、TWICEのアルバムですか。いやあ、これは楽しみな夏になりそうです炎

 

No.37

 

 

 

「忘れてください」ヨルシカ

■7/13リリースの配信シングル

■ドラマ「GO HOME~警視庁身元不明人相談室~」主題歌

■「ルバート」から2か月連続、今年3曲目、通算19曲目のエントリー

 

 ヨルシカが7月13日にリリースした配信シングルで、小芝風花さんが主演の日テレ土曜ドラマ「GO HOME~警視庁身元不明人相談室~」主題歌。前作「ルバート」が初登場29位からの即落ち3週とまさかの成績に終わってしまったヨルシカですが、前の曲のことは忘れてくださいと言わんばかりに(失敬)、すかさず新曲が入ってきました。配信2週間で再生数170万回超と絶好調で、配信セールスがメインのエントリーだと思います。

 

 ドラマ「GO HOME」は、警視庁に実在する部署「身元不明人相談室」をモデルに描くミステリー×ヒューマンドラマ。身元が分からないご遺体は全国で2万体にのぼるそうです。それだけの方が無縁仏になっているかと思うと、ちょっと呆然としてしまいますよね。「人の繋がり」が当たり前のものではないのだと痛感します。このドラマは、小芝風花さんと大島優子さんのバディが主人公ですが、シリアスとコメディのバランスがよく、非常に見やすいですね。何を隠そう、私は小芝さんが大好きなんですが笑、小芝さんの天性の明るさがよく出ていてお気に入りのドラマです。

 

 そんなお気に入りのドラマの主題歌が、これまた大好きなヨルシカということで非常にうれしいですね。n-bunaさんが紡いだ曲のタイトルが「忘れてください」とは、また非常にハッとさせられますね。ちょっと逆説的ですが、残された人というのはずっと苦悩を抱えていくものですからね。そう考えると、逝ってしまった人の気持ちというのは、「忘れてください」なのかもしれません(そう言われても、なかなか忘れられないのが辛いところですが...)最近の曲ですと、「左右盲」や「アルジャーノン」を想起させる、しっとりとしたナンバーです。その2曲はいずれも年間レベルまで伸ばしていますからね。ドラマ主題歌のこちらも、好成績を期待したいと思います。

 

 

No.22

 

 

「晴々!」いきものがかり

■7/17リリースのCDシングル

■アニメ「天穂のサクナヒメ」OPテーマ

■「運命ちゃん」から2か月連続、今年3曲目、2019年以降では10曲目のエントリー

 

 いきものがかりが7月17日にリリースしたCDシングルで、アニメ「天穂のサクラヒメ」OPテーマ。三ツ矢サイダーのCMソングに起用されている「青のなかで」との両A面です。CDセールスは初週3,500枚を記録し、12位に初登場。これにより、トップ20手前の好位置から初登場を決めています。...と言いつつ、不思議でなりませんね。この曲は、先月の「運命ちゃん」に続くエントリーで、両者のセールスはあまり変わりません。「運命ちゃん」は1週遅れの登場、最高36位の3週と全く振るいませんでした。この曲は1週で「運命ちゃん」のトータルポイントを上回ったことになり、かなり極端です。仕組みはよく分かりませんが、入ってくる週の巡り合わせというものはあるのでしょうね。なんにせよ、いきものがかりにとっては前作を大きく上回る好スタートになりました。

 

 本作は、「生き抜け」という力強く印象的な歌詞とともに、いきものがかりらしさ全開の爽やかなナンバーになっています。「天穂のサクナヒメ」は"稲を育てる"和風アクションRPGゲームで、2020年の発売以来大ヒットになっています。この度アニメ化されたんですね。いきものがかりの爽快なナンバーは農作にぴったりだと思いますね。何だか3人体制の頃を思い出すようで、こういう底抜けに明るい曲っていいなあと思います。いきものがかりのいいところが詰まったような曲だと思いますね。

 

 前作を早くも上回る好スタートで、ここからは上位をうかがいます。最後のトップ10入りは2021年の「BAKU」ですが、この曲はどうでしょうか。

 

 

No.14

 

 

「新しい恋人達に」

■7/15リリースの配信シングル

■ドラマ「海のはじまり」主題歌

■「冬と春」以来5か月ぶり、今年2曲目、2014年以降では19曲目のエントリー

 

 今週の最有力曲が、やはりというか非常にいい順位から入ってきました。back numberが7月15日の「海の日」にリリースした配信シングルで、月9ドラマ「海のはじまり」主題歌。back numberが最も得意とするところの切ないバラードナンバーで、リリース直後から話題沸騰となっています。

 

 配信はすでに250万回を超えており、ビルボードでは初登場1位を記録。意外なことに、back numberの初登場1位は2018年の「オールドファッション」以来5年8か月ぶりだそうです。ノンタイアップだった前作「冬と春」と比べると、ダウンロードが1.9倍、ストリーミングが1.7倍に増えているそう。やはりドラマ効果は絶大ということですね。α-stationでのオンエアも絶好調で、先週が4回、今週が7回とかかりまくっています。これだけの高指標ですから、初登場の順位が高くなったことも当然でしょう。初登場14位は、藤井風さんの「満ちてゆく」と並んで今年最高位ですが、驚きはなく、極めて順当だと思います。

 

 月9ドラマ「海のはじまり」ですが、とても辛い作品なんですよね。実は私、2話で耐えられなくなり離脱してしまいました。中絶や病気を扱ったドラマなんです。重要なメッセージもあり、目を逸らしたくないとは思っていましたが、ちょっとこれ以上辛い展開になるのが耐えられませんでした。離脱したため、最新の展開は分かりませんが、それだけ心を動かす作品だということは述べておきたいと思います。back numberが手がけたこの主題歌はずっと聴いていますね。終盤で繰り返される「誰の人生だ」というフレーズが、ドラマを観ている人には分かるでしょうが、ものすごく重たいんですね。私が目を背けてしまったドラマに、これだけ直球のメッセージで応えるback number。彼らの凄みというものをひしひしと感じとるのでした。

 

  

 圏外曲

 

先週37位「幾億光年」Omoinotake

IN【24】TOP10【10】HIGH【2】???P

 

 Omoinotake、2枚目のCDシングルで、2月28日にリリース。TBS火曜ドラマ「Eye Love You」主題歌です。トータル24週のメガヒットとなり、今年を代表するヒット曲となりました。

 先行配信により、2月10日に29位で初登場。これが初エントリーでした。翌週は27位とほとんど上がらず、初エントリーなのでこんなものかと思いましたが、3週目から確変。3週目は17位までジャンプアップすると、4週目に8位でトップ10入りしました。初エントリーでトップ10入りの快挙となります。翌週からも少しずつ上げていき、7週目には2位を記録。1位には届かなかったものの、3週連続の2位で首位に肉薄しました。2月28日にリリースしたCDのシングル、それにドラマの盛り上がりも手伝い、成績は非常に安定。実に7週連続で2位から4位をマークしていました。トップ10入りは2ケタの10週で、新人アーティストとしては破格、初エントリー曲では歴代でも指折りのメガヒットということができるでしょう。

 14週目にトップ10落ちした後も推移は安定しており、10位台に4週、20位台にはなんと6週もとどまっていました。新曲でアニメ主題歌の「蕾」がエントリーするも、最高33位のトータル3週(2+1週)で橋にも棒にもかかりませんでした。それは、この曲があまりにも強すぎたからでしょう。新曲を寄せ付けず、中位をキープし続けた結果、トータルは半年に迫る驚異の24週となりました。

 年間チャートでは上位のランクインが確実で、年間トップ10入りする可能性も高いポイントです。間違いなく、今年を代表する曲の1つですから、それに相応しい順位を期待したいですね。 

 

 

 

先週36位「Masterplan」BE:FIRST

IN【13】TOP10【4】HIGH【3】???P

 

 BE:FIRSTが4月24日にリリースしたコンセプトシングル。「Masterplan」とは「上位計画」の意で、これまでリリースしてきた作品の集大成的に位置づけられた、非常に気合の入った楽曲です。

 リリース週の4月27日に34位で初登場。セールスの反映された翌週は19位までジャンプアップし、さらに止まらず3週目には6位でトップ10入りしました。4週目には3位まで上昇し、ついにチャート制覇なるかと期待させましたが、そこからは4位、5位と一歩ずつ後退。衝撃だったのは7週目で、5位から11位まで急落してトップ10落ちとなりました(まだ「Hush-Hush」がエントリーする前です)。トップ10は4週と控えめで、昨年3曲が年間入りしたことを思うと物足りません。その後は10位台で立て直し、2週連続の18位を含む4週連続と粘っていましたが、20位台に下がってしまい、先週はとどめとなる10ランクの大ダウン。新曲が多かったことと、A-TEEZとのコラボ曲「Hush-Hush」が10位まで上がってきたことで粘りを絶たれました。

 トータルは13週とロングエントリーに乗せており、トップ10入りが短かった割にここまで持ってきたのは立派ですが、やはりトップ10内が4週というのは少なく、年間入りは微妙な情勢です。昨年は3曲が年間入りしましたが、この曲はそれら3曲よりポイントが下で、残念ながら曲名の「上位計画」はやや重たい称号となってしまいました。 

 

 

 

先週33位「遥か」Aimer

IN【15】TOP10【0】HIGH【12】???P

 

 Aimerが4月2日にリリースした配信シングルで、6月5日にはこの曲も収録されたEPがリリース。大人気作品「からかい上手の高木さん」主題歌で、ドラマと映画のダブル主題歌です。

 4月13日に29位で初登場。翌週は17位までジャンプアップし、3週目は12位でトップ10に肉薄。しかし、トップ10入りはならず、4週目には13位にダウン。この曲がすごかったのはここからです。2週連続の13位のあと、2週連続の15位、さらに2週連続の17位のあと、再浮上して2週連続の15位を記録しました。なんと、2週連続の順位を4回も記録し、途中には再浮上もするという恐ろしいまでの粘りをみせました。要因ですが、恐らく6月5日にリリースしたEPのセールスが途中で乗ったためと思われます。10位台には、なんと12週連続でランクイン。途中でトップ10入りした曲なら山ほどありますが、全て10位台で12週というのは歴代でも有数の長さだと思います。トップ10入りしなかったのが不思議なくらいで、本当に強い楽曲でした。

 先週、新曲の「Sign」がランクインしたことで力尽きて急落したことは残念ですが、トータルは15週で堂々のロングヒットになりました。最近は、CDシングルでも10週前後にとどまり、こじんまりとした成績が続いていたAimerさんですが、この曲は12週連続の10位台と久しぶりに気を吐きました。トップ10入りはなりませんでしたが、ここまで10位台が長いとポイントはかなり伸びています。今年のレベルにもよりますが、年間入りする可能性は十分にあり、もしそうなれば、非常に珍しい「トップ10入りせずに年間入りした曲」ということになります。

 

 

 

先週32位「37.2度」杉本琢弥

IN【4】TOP10【0】HIGH【25】40P

 

 「熊本の彼氏」の異名をとるシンガー、杉本琢弥さんが6月19日にリリースしたCDシングル。初週1.1万枚という素晴らしいセールスを稼ぎ、見事J-ACチャートに初登場を決めました。「37.2度」と書いて「びねつ」と読むそうです。

 セールスを受け、6月29日に36位で初登場。翌週は31位、3週目は25位と順調に上げ中位まで進出。しかし、4週目に大ダウン寸前で32位まで下げると、そこから一気に圏外となってしまいました。突然となりましたが、恐らく先週、先々週で合わせて13曲がエントリーし、それらが異常に強かった煽りでしょうね。年間1位経験者が大群をなしてやってくるんですから、残留曲はたまったものではありません。この曲ではなく、多くの曲が急落しているのはチャートをご覧のとおりです。夏の新曲まつりに呑まれたのは残念ですが、最高25位は十分爪痕を残したといえるでしょう。次作に期待です。

 というか、「37.2度」という曲名を見て思ったのですが、普通に気温が体温を超えてますよね? 要するに、我々は日々高熱に浮かされているようなものというわけです。せめて「微熱」くらいにとどめてほしいものですが、最近は「40度」なんて数字も踊るくらいですからねえ。

 

 

先週30位「Dear」Mrs.GREEN APPLE

IN【9】TOP10【3】HIGH【5】227P

 

 Mrs. GREEN APPLE、5か月連続リリースの第2弾で、映画「ディア・ファミリー」主題歌。5月20日に配信リリースとなっています。5月25日に30位で初登場すると、翌週は一気に16位までジャンプアップ。さらに上げ、3週目は5位でトップ5入りしました。ここまで早いとトップ3入りを期待したくなりますが、そこは最高位が4位のミセス・クオリティ。翌週も5位にとどまると、5週目は10位まで急落。新曲「コロンブス」が入ったタイミングで急落し、トップ10は3週にとどまりました。「コロンブス」が入ったことに加え、「ライラック」もまだエントリーしていましたからね。前からも後ろからもポイントを吸われ、上位に定着できませんでした。

 連続リリースの間の曲がこうなってしまうことが多く、ヒットに恵まれないというのが定説です。トップ10落ち後は、やはりというか急落。4週しかランクインできず、最後は連続リリースの第4弾「アポロドロス」がランクインしたことがとどめの一撃となりました。先週30位から一気に圏外となってしまいましたが、これだけリリースを連発していることを考えるとそれもやむなしでしょうか。トータルは9週で2ケタに届かず、非常に後味の悪い曲になりました。

 なお、この曲を急落させて入ってきた「アポロドロス」は今週即落ち大ダウンで34位となり、「コロンブス」も10ランクの急落をしています。急落2曲+圏外1曲。考えうる中でも最悪の展開で、まさに「負の連鎖」です。これだから連続リリースは嫌いなんですよ。4曲同時エントリーなるかなどとはしゃいでいた私が馬鹿でした。連続リリースはいけない。