皆さんこんにちは。

 「J-AC TOP40」2024年5月4日付けチャートの初登場曲、圏外曲を振り返ります。

 

 

  初登場曲

 

 

 今週の初登場曲は曲でした。

 なお、初登場予想が的中した曲は曲中曲でした。

 

 

No.40

 

 

 

 

「Walk Together」平井大

■4/20リリースの配信シングル

■日産ノート e-POWER CMソング

■「Symphony」以来1年ぶり、今年初、通算26曲目のエントリー

 

 平井大、帰還。

 

 2019年から23年にかけ、5年間で25曲をチャートに送り込んだ平井大さん。大量エントリーの雄としてこのチャートを大いに盛り上げてきました。しかし、昨年5月の「Symphony」以来、EPやアルバムのリリースはありましたが、シングルのリリースがなく、エントリーがぱったりと止まっていました。今回、なんと前作以来ぴったり1年ぶりのエントリーになります。普通のアーティストなら、1年ぶりのエントリーというのは取り立てて騒ぐものでもないでしょう。しかし、他でもない、この方は5年で25曲を送り込んできたアーティストです。久しぶりも久しぶり、本当に久しぶりと感じる通算26曲目のエントリーになりました。40位ギリギリですが、戻ってこられてまずはほっと一息というところでしょう。

 日産ノート e-POWERのCMソング。疾走感のあるアーバンなサウンドの楽曲で、リリックビデオの方はカラッとした夏の映像に仕上がっています。いい意味で軽く、サクサクと聴けるのがこの方の良さですよね。海辺のドライブなんかにはぴったりだと思いますし、これから始まる夏に向けて、多くのプレイリストにつままれそうな気がします。

 

 久しぶりのエントリーになりましたが、油断は禁物。というのも、これまでの25曲のうち、実に5分の1である5曲は1週で圏外になっているからです。今作は40位スタートのため、その危険性はいっそう大。来週は無事残留を決められるでしょうか。

 

No.38

 

 

 

「喉仏」クリープハイプ

■4/17リリースの配信シングル

■ドラマ「滅相も無い」主題歌

■「青梅」以来11か月ぶり、今年初、2015年以降では11曲目のエントリー

 
 こちらは平井大より1か月短いものの、約11か月ぶりと同じく久しぶりになったクリープハイプの新曲です。リリースは4月17日で、先週はエントリーを逃しましたが、今週は新曲の層が薄かったこともあり、1週遅れでのエントリーを決めてきました。

 

 ドラマ「滅相も無い」主題歌。こちらのドラマが大変面白い意欲作で、「ドラマ×演劇」といった風味の仕上がりになっています。主人公たちの人生はスタジオセットで描かれ、なんとたった6人のキャストが総勢150役をこなし、セットチェンジや早着替えも映像内で行う構成になっているのです。演劇的手法を、包み隠さずにテレビで全部見せるという意欲作なんですね(私は未視聴でしたが、気になったので今からでも観てみたいと思います!)そんな意欲作の主題歌を手掛けるのがクリープハイプ。勇壮なファンファーレが印象的で、クリープハイプらしいポップでキャッチーなナンバーとなっています。クリープハイプは、「ちょうどいい距離感を保ちながら、必要な時にパッと作品を照らし出す」そんな音と言葉を意識したそうです。

 

 エントリーは「青梅」以来11か月ぶり。ここ5作はいずれも5週以内(3~5週)と低調な成績が続いています。今回は1週遅れの38位と大変厳しいスタートになりましたが、何とか巻き返し、5週以内の壁を脱出してほしいと願います。


 

No.31

 

 

 

「hanataba」milet

■6/5リリースのCDシングルより、4/15先行リリースの配信シングル

■ドラマ「アンチヒーロー」主題歌

■「Anytime Anywhere」以来7か月ぶり、今年初、通算20曲目のエントリー

 

 2週連続で予想していたこちらの楽曲が入ってきました。個人的にはかなり期待が持てるのではないかと思っています。話題の日曜劇場「アンチヒーロー」主題歌、miletさんが手がける「hanataba」です。

 

 人殺しを無罪にする-という強烈な触れ込みで話題になった主人公の弁護士は、正義や善悪といったものにはとらわれない新たなヒーロー、「アンチヒーロー」として描かれています。なぜ彼が「アンチヒーロー」のような振る舞いをしているのか-その秘密が徐々に明かされていく作品です。miletさんは、正義と悪が共存していることを指摘し、正義と正しさは必ずしもイコールなのかと問いかけたそうです。そして、自分本位な愛や正しさのあり方を今一度見つめながら曲を書いたといいます。渾身のバラードナンバーになっていますね。

 

 そんなmiletさんの歌声に惚れ込んでいたというのがプロデューサーの飯田さん。なんと、主題歌をmiletさんにお願いすることは数年前から考えていたといいます。すごい惚れこみようですよね。飯田さんいわく、miletさんの歌声には、強さや信念のほかに、脆さ、弱さ、繊細さも全て曝け出されているように感じたそうです。これ、すごく分かる気がして、miletさんの歌声は私たちの心を独特に揺さぶりますよね。念願かなっての主題歌となり、その念願に十分に応えた見事な楽曲になっているのではないかと思います。

 

 リリースは6月5日ですが、先行配信によるエントリーに成功しました。かなりの好スタートといえるでしょう。ここ3作がなんといずれも2週以下に終わっているmiletさんですが、今作はさすがにそうはならないと思われます。久しぶりのヒット作となるかに注目です。

 

 

No.27

 

 

「ぶぎ・ばく・べいびー」小沢健二とスチャダラパー

■4/24リリースのCDシングル

■(小沢健二)「飛行する君と僕のために」以来2年4か月ぶり、今年初、2017年以降では7曲目のエントリー

■(スチャダラパー)2015年以降は初エントリー

 

 4月24日にリリースされたCDシングルで、かの名曲「今夜はブギー・バック」を手掛けた両者による、発売30周年を記念して制作されたマッシュアップソングです。CDセールスでは初週6,100枚ほどを売り上げ、14位に初登場。今週はレベルが高かったため、順位は控えめですが、枚数はなかなかですよね。そういうわけで、27位に初登場を決めています。

 

 小沢さんの紡ぐ美しいメロディーと、スチャダラパーによるキャッチーなラップが重なる唯一無二の楽曲。「今夜はブギー・バック」は、50万枚以上を売り上げた両者の代表作で、お茶の間にラップ・ヒップホップという概念を定着させるきっかけになった偉大な楽曲です。その両者が、新曲を手掛けたというのが熱いですよね。私は、「今夜はブギー・バック」のリ・レコーディングでも十分に感動できたと思うんです。しかし、両者は名曲に新たな息吹を吹き込み、こうやって新曲にして届けてくれました。懐かしさと新しさが融合する、見事な仕上がりではないでしょうか。

 

 小沢さんは2年4か月ぶり、スチャダラパーは2015年以降初のエントリー(と思われます)。ちなみにこの曲、他局ですが東京のJ-WAVEではキャンペーンソングとして先行解禁され、チャートで1位を獲得していました。ここ京都チャートではどこまで行くのか、見ものです。

 

 圏外曲

 

 

 

先週40位「運命」sumika

IN【3】TOP10【0】HIGH【36】7P

 

 sumikaが5月15日にリリースする「Unmei e.p.」からの先行配信として、4月4日に配信リリースされた楽曲。4月13日に40位で初登場しました。sumikaといえば、これまでに2回「40位1週での圏外」を経験しており、今回は「2度あることは3度ある」とならないか大変心配されるところでした。翌週は36位に浮上し、40位1週圏外を阻止。しかし、3週目は再び舞い戻ってしまい、そこで圏外となってしまいました。40位1週は回避しましたが、ほとんどそれだけで、最高36位の3週と全く振るいませんでした。

 sumikaは、「先行配信でエントリーしたがすぐに圏外となり、のちにCDリリースで戻ってくる」ということを2回経験しています(前述の40位1週曲です)。今作は5月15日にEPがリリースされますので、「3度目のリエントリー」のチャンスを迎えているということができるでしょう。本当なら、先行配信でも圏外にならず、CDリリースまでエントリーを続けられたら理想です。なかなか思い通りにいかないsumikaではありますが、この曲でもリエントリーを決め、ぜひ浮上のきっかけをつかんでほしいところです。

 

 

先週39位「失恋ソング」岡崎体育

IN【4】TOP10【0】HIGH【30】26P

 

 ここ京都をいわばホームグラウンドにしているご当地アーティスト、岡崎体育さん。昨年の「Knock Out」は最高30位ながらなんと13週も粘り、容易には倒れないご当地アーティストの強みを発揮しました。今回はその再来を期しましたが、あっけなく失速してしまい、トータルわずか4週で幕を閉じています。  4月6日に37位で初登場。翌週は32位に上げ、3週目に30位で20位台入り。これで前作の最高位に並び、さあここからと更新していきたいところでしたが、4週目の先週は失速して39位まで転落。こうなるとこれ以上は粘りようもなく、トータル4週に終わりました。最高位30位は前作と同じですが、トータルが13週から4週まで大きくダウン。岡崎さんといえば、ライブのチケットが大きく売れ残り、SNSで自ら必死にチケットを売りさばいたことでも話題ですね(結果、チケットを売り切ったのは見事でした)。格好悪い面も前面に出し、遮二無二結果を出そうとする姿勢には好感が持てますが、岡崎さんほどのキャリアがあってもここまで努力しなければいけないというのは厳しい世界ですね。今回は成績が振るいませんでしたが、その不断の努力でまた這い上がってきてほしいものです。

 

 

 

先週38位「ひとみ」福山雅治

IN【8】TOP10【0】HIGH【26】70P

 

 ドラマ「春になったら」主題歌。2月19日にリリースされた配信シングルです。3月9日に37位で初登場。翌週は7ランクアップの30位とそれなりでしたが、3週目はさっそく34位に順位を下げてしまいました。当時は昨年末リリースの「想望」がまだエントリーしており、この曲より上位で粘っていたため、この曲は浮上に苦しんだようです。さらに下げ、4週目は37位と圏外の危機に瀕しますが、ここから息を吹き返し、5週目はなんと29位まで再浮上!再浮上でジャンプアップ、しかも最高位を更新するという驚きの展開になりました。再浮上は1週にとどまらず、さらにじりじりと26位まで浮上。しかし、先週は力尽きてしまい12ランクの特大ダウン。トータルは8週となっています。  最高位26位の8週と地味ではありましたが、崖っぷちの37位から26位まで這い上がり、見応えのあるチャートアクションでしたね。順位が伸びなかったのは「想望」の粘りが影響していた面も大きいでしょうから、そこまで気にすることでもないと思います。全体的には「福山さん強し」を印象付けるこの2曲という感じでしたね。  

 

 

先週33位「Eye's Sentry」UVERworld

IN【7】TOP10【0】HIGH【15】137P

 

 UVERworldが3月6日にリリースしたCDシングルで、アニメ「青の祓魔師」OPテーマ。UVERはこのアニメと4回目のコラボで、鉄板のコラボが今回も実現しました。

 CDセールスを受け、3月16日に29位で初登場。翌週は11ランクも上げて18位と好調でした。しかし、ここで伸びが鈍化し、3週目は15位止まり。4週目には17位に下げてしまい、4作ぶりのトップ10入りを逃しました。5週目は16位に再浮上し、ここから意地を見せていくのかと思いましたが、翌週からは22位、そして33位と急落してしまい、あっという間に圏外へ。トータルはわずか7週に終わってしまいました。

 UVERworldが最後にトップ10入りしたのは2021年の「HOURGLASS」で、以降は4作連続でトップ10を逃しています。トータルも6週、8週、3週、7週で、どうも6週前後に収まってきているような感じがあります。以前は10週前後でしたから、4週くらいパワーダウンしていることになるんですね。全盛期を知っているだけに寂しいですが、今でも10位台には食い込んできており、またトップ10入りしてくれる日を心待ちにしています。