皆さんこんにちは。

 「J-AC TOP40」2024年3月30日付けチャートの初登場曲、圏外曲を振り返ります。

 

 

  初登場曲

 

 

 今週の初登場曲は4曲でした。

 なお、初登場予想が的中した曲は4曲中2曲でした。

 

 

No.36

 

 

 

 

「ナイスアイディア!」緑黄色社会

■3/19リリースの配信シングル

■カゴメ「野菜生活100」CMソング

■「Party!!」から2か月連続、今年3曲目、通算13曲目のエントリー

 

 この番組でも再三にわたって取り上げられていた緑黄色社会の配信シングル。カゴメ「野菜生活100」CMソングです。野菜生活のCMに緑黄色社会。ナイスアイディア!...と言いたいところでしょうが、100人中99人は考えそうな発想でしょうね笑 キヨピーさんもおっしゃていましたが、「緑黄色社会以外に決まったら傷付く」、それくらいのレベルだと思います。このタイアップは彼らしかいない、それくらいの鉄板コラボになりました。

 

 緑黄色社会の皆さんは、楽曲だけでなくCMにも出演しています。緑黄色の衣装に身を包み、野菜が飛び交う中で楽しそうにパフォーマンスをされる皆さん。なんというか、緑黄色社会の「アイコン」とでもいうんでしょうかね、それくらいしっくりくる映像になっています。「大好きだ!」「毎日が色付いていく」サビには前向きなメッセージが投じられ、彼ららしい、まっすぐで明るいポップでキャッチーな楽曲に仕上がっています。

 

 先日は男性メンバー2人が結婚を発表され、幸せの真っただ中という感じの皆さん。チャート的にも、4連覇を獲得した「花になって」、そして最新シングルの「Party!!」が連続でヒットしており、間髪入れずにこの曲が入ってくるわけですから、黄金期とでもいうべき時期を迎えているのではないかと思います。今のところ配信限定ですが、彼らにとっておそらくこれ以上はないであろうピッタリしたタイアップでしょうから、ぜひこの曲もヒットしてほしいですね。

 

No.32

 

 

 

 

「Run」iri

■3/13リリースの配信シングル

■「hug」から2か月連続、今年2曲目、通算8曲目のエントリー

 

 私が先週予想していたiriさんの配信シングル。1週遅れとはいえ、見事エントリーを果たしました。3月13日、自身初となる日本武道館でのワンマンライブ当日にリリースされた楽曲で、リキッドファンクチューンとなっています。

 

 出たわね、リキッドファンク笑 正直なことをいうと、私はどういうジャンルか全く知りませんでした。リキッドファンクというのは、BPMが170前後と早いスピードが特徴の「ブレイクビーツサウンド」の一種で、ビートは早いのですがメロウで流麗なメロディから構成されるものをいうそうです。心地よい浮遊感があることが特徴です。リキッドは「液体」ですから、流れるようなビート、そんなイメージですかね。

 

 ここは音楽専門情報サイトではありませんから、まあ講釈はこのあたりに笑 私はフィーリングで音楽を聴いており、この曲にもそのスタンスで行きたいと思います。たしかに、ビートのテンポはすごく早いのですが、そこまで尖った感じはなく、流麗に流れていく液体、あるいは粒子のようなのイメージがピッタリですね。iriさんのハスキーボイスは本当にビートに映えますね。最初から最後まで、一本の線でつながった見事なビートで、曲全体の一体感がすごい。気付けば2回目、3回目と聴いていそうなスルメ的よさがあります。

 

 この曲が通算8曲目のiriさんですが、これまでの7曲で20位台に行ったのは2曲のみ。30位台の壁を突破することにかなり苦労しています。しかし、エントリーは着実に増えていますから、力を付けていることは間違いないと思いますね。1週遅れのタイミングではありますが、何とか即落ちを免れ、20位台に行ってほしいです。

 

No.31

 

 

 

 

「Water Carrier」Kroi

■3/20リリースの配信シングル

■アニメ「SAND LAND:THE SERIES」OPテーマ

■「Sesame」以来2か月ぶり、今年2曲目、通算5曲目のエントリー

 

 

 彼らも「リキッドファンク」をやらせたら映えそうですよね。というか、様々なジャンルをボーダレスにこなすのが持ち味のミクスチャーバンドですから、何をやらせても映えそうです。今やすっかりおなじみとなったKroiの新曲が入ってきました。

 

 3月20日リリースの配信シングルで、先日亡くなられた鳥山明さんが原作のアニメ「SAND LAND:THE SERIES」のOPテーマ。2年前くらいに収録され、ずっと温められていたようです。鳥山さんの名作を楽曲で彩れるなんて、Kroiにとっては非常に力がこもる楽曲だったでしょうね。MVは砂漠で収録されており、原作の世界観を彷彿とさせるものになっています。

 

 ミクスチャーなサウンドを標榜する彼らだけあって、今作でも様々なジャンルを自在自在に行き来するような器用さが随所に感じられます。ちょっとマディーなサウンドがすごくかっこいいですね。あとは、サビのシャウトがシンプルながらかっこいいです(これぞサビ!という感じ)。前作「Sesame」よろしく、非常にクオリティーの高いキラーチューンが来たかなという感じです。

 

  今週のオンエアは4回と好調で、前作「Sesame」と同じ31位で入ってきました。オンエアが好調ということは、着実に局で支持を広げている証拠だと思います。何度も書いていますが、精力的なスタジオゲストへの出演がこうやって実を結んでいるのはうれしいですね。今回のエントリーで、常連入りしたことはほぼ間違いないかなと思います。ここから、前作以上の健闘を期待しましょう。

 

 

No.28

 

 

 

 

「MISSION」中島美嘉

■3/13リリースのCDシングル

■アニメ「め組の大吾 救国のオレンジ」EDテーマ

■「望郷」から2か月連続、今年2曲目、2015年以降では9曲目のエントリー

 

 今日エントリーした4組は、いずれも前作から非常に短いスパンでエントリーしています。一番間隔が空いているのがKroiですが、それでもたったの2か月ぶり。残りの3組はなんと2か月連続のエントリーです。こちらはそのうちの1組、先月エントリーしていた「望郷」がまだ記憶に新しい中島美嘉さんの最新シングルです。

 

 3月13日リリースのCDシングルで、アニメ「め組の大吾 救国のオレンジ」EDテーマ。日テレ系の土曜夕方に放送されている消防士のアニメですね。使命に燃える主人公たちの気持ちを代弁したかのような疾走感あるタイアップソングになっています。しっとりと壮大に聴かせた前作「望郷」からは一転、こちらはバンドサウンドが前面に出た非常に情熱的なナンバーです。中島さんのファルセットはどちらのタイプの曲にもよく映えますね。月と太陽のような感じで2曲を合わせて楽しむのもよさそうです。

 

 CDシングルの方は、残念ながらセールスが振るわず、800枚程度という成績でした(24位)。CDセールスが振るわなかったこともあり1週遅れなのでしょうが、28位ですからそこまで悪いわけでもありません。前作「望郷」は初登場24位からの即落ちでした。今作はまず即落ちを免れ、前作の最高位である24位を上回る展開になれば理想的です。

 


 

 

 圏外曲

 

 

先週40位「花になって」緑黄色社会

IN【20】TOP10【13】HIGH【1】???P(293+???)

 

 

 緑黄色社会が昨年12月6日にリリースしたCDシングルで、アニメ「薬屋のひとりごと」主題歌。緑黄色社会にとっては、悲願の1位を獲得した記念すべき曲となりました。  初登場は昨年11月11日。19位で初登場すると、翌週は4位まで急上昇。類まれなる上昇で1位への期待は一気に膨らみました。3週目は2位に上げたものの、そこから3位、4位とダウン。1位が遠のきかけましたが、CDシングルセールスが加算されたことで息を吹き返し、6週目に1位を獲得!通算12曲目で獲得した悲願の1位ということになりました。CDシングルのセールスに加え、アニメ主題歌ということで配信も絶好調であり、そこからは年をまたいで4連覇を達成しました。J-ACでは、「年またぎの1位」が定番になっており、ここ10年ほど続いているのですが、今年はこの曲がその法則をしっかりと守りました。初の1位で堂々の4連覇を果たし、年またぎの1位まで達成したのは見事だったというよりほかありません。  

 年またぎの1位という大役を終えて、1月2週目にあいみょんの「あのね」に1位を譲り3位にダウン。しかし、その後も1ランクずつしかダウンせず、推移は安定していました。2月までトップ10にとどまり、トップ10内は堂々の13週。これは、これまで最高だった「LITMUS」の7週を大幅に上回る自己最高記録です。2月3日からは次なる新曲「Party!!」がランクインし、ダブルエントリーに苦しめられてやや大きめに下げていきましたが、それでも6週にわたりチャートイン。トータルは先週までの20週で、自身初の大台到達となりました。これまでの最高は「サマータイムシンデレラ」の19週で、非常に惜しかったですから、20週に乗せたのは非常に大きいですね。最初から最後まで非の打ちどころのない、見事な成績だったと思います。  惜しむらくは、年をまたいだことで年間入りが微妙になったところです。トータルなら間違いなく年間入り(というか年間トップ10レベル)なのですが、ポイントがほぼ真っ二つに分散されたため、今年のチャートで年間入りできるかは非常に微妙なところです。この曲の名前が年間チャートに残らないというのは寂しいので、何とか今年のチャートで年間入りしてくれないかと思っています。

 

 

先週39位「愛は薬」wacci

IN【3】TOP10【0】HIGH【35】10P

 

 

 1つ上に書いた緑黄色社会の「花になって」とは、奇しくも「薬屋のひとりごと」つながり。こちらは第2クールのEDに起用されているwacciのナンバーです。初エントリーの「恋だろ」ではトータル12週といきなりのスマッシュヒットを記録した彼らでしたが、今作は残念ながら不発。人気アニメのEDという強みを生かせず、オール30位台後半の3週に沈みました。  1月に先行配信され、私は個人的に猛プッシュしたもののエントリーせず。エントリーしてきたのは3月9日でした。2月21日にCDシングルがリリースされた影響でしょうが、通常より1週遅れのタイミングであり、しかも36位と低い位置でした。ここまで遅いかつ低いとなると、正直上がり目がないんですね。翌週は38位で、案の定というか即落ちでした。3週目に39位に残したのはせめてもの意地ですが、初動が低すぎてどうにもなりません。「恋だろ」を大きく下回るトータル3週とということになりました。事前の期待は大きく下回ってしまったわけですが、とはいえエントリーをしたことだけは収穫ですから、これに懲りずに3曲目を目指してもらいたいと思います。

 

 

 

先週36位「ナハトムジーク」Mrs.GREEN APPLE

IN【9】TOP10【1】HIGH【8】189P

 

 Mrs.GREEN APPLEが1月17日にリリースした配信シングルで、映画「サイレントラブ」主題歌。昨年はサブスクで最も再生されたアーティストに輝き、レコード大賞も受賞するなど活躍著しかったミセスですが、この曲はどうだったでしょうか。決して悪くはありませんが、もうひと伸びがなかった、そういう曲になりました。

 1月27日に26位で初登場。14位、11位と順調に伸ばし、4週目に8位でトップ10入り。ここまではよかったのですが、配信限定ということで伸びも限定的でした。5週目は13位にダウンし、あっけなく思い出トップ10に終わってしまいました。配信が非常に強いミセスで、この曲も一般のアーティストと比較すると非常に多いのですが、ミセスの楽曲の中ではそこまで伸びなかったですね。Spotifyの人気楽曲を見ると、この曲は昨年のヒットである「ケセラセラ」や「Magic」を下回り6位。前2曲は4~5週トップ10に入りましたが、この曲はその2つより再生回数が劣ったため、こういう結果になったのでしょう。長尺のバラードというのは再生回数が鈍くなりがちで、ある程度仕方なかったかもしれません(まあ、ミセスは長尺のバラードで「Soranji」を大ヒットさせていますけどね...)。

 トップ10落ち後もやはり元気がなく、取り立てた粘りもなく5週のエントリー。トータルは9週で2ケタに及びませんでした。3曲連続で継続中だった2ケタエントリーがストップしましたが、トップ10入りしていますし、そこまで気にすることでもないでしょう。なんたって、あの大ヒット曲「ダンスホール」をこのチャートは3週で圏外にしましたからね(ありえないよ笑)。それに比べれば、かなり成績は上向いていますし、安定しています。

 

 

先週35位「ショコラカタブラ」Ado

IN【7】TOP10【2】HIGH【8】147P

 

 Adoの1月31日にリリースした配信シングルで、ロッテチョコレートとのコラボソング。「ショコラカタブラ」はチョコレートが美味しくなる魔法だそうです。いわゆる「季節もの」ですが、その強さと弱さが極端に現れた楽曲でした。

 チョコレートとのコラボソングということで、バレンタインの直前には破格のオンエアを稼ぎました。2月10日に23位で初登場すると、翌週は13ランクの特大ジャンプアップで10位。20位台からのトップ10入りという目覚ましい伸びをみせました。翌週も8位に上げ、それなりでしたが、4週目は16位まで大暴落。トップ10はわずか2週に終わってしまいました。この週は新曲「Value」が入ったこともあり、ある程度は仕方ないのでしょうが、それにしても激しい落とし方でした。季節ものは、季節が過ぎると一気に厳しくなるのが常道で、激しい推移になりがちです。この曲もそうであり、4週目以降は急降下。最後は大ダウンと全く踏ん張りがきかず、トータルは7週でした。

 季節ものなのである程度は仕方ないとはいえ、ここまでの急落はいただけません。また、この曲の後に入った「Value」も急落しており、典型的な共倒れになっているのはもっといただけません。短期間でリリースを連発すると、得てしてこういうことが起こります。人気は間違いないのですから、もう少し1曲1曲を大切にしてほしいものです。