皆さんこんにちは。

 「J-AC TOP40」2024年3月9日付けチャートの初登場曲、圏外曲を振り返ります。

 

 

  初登場曲

 

 

 今週の初登場曲は4曲でした。

 なお、初登場予想が的中した曲は4曲中2曲でした。

 

 

No.39

 

 

 

 

「インソムニア」Eve

■3/1リリースの配信シングル

■映画「マイホームマイヒーロー」主題歌

■「逃避行」以来2か月ぶり、今年2曲目、通算12曲目のエントリー

 

 Eveの新曲が入ってきました。昨年は4曲が入ってきたEve。今年は1月第1週に「逃避行」がエントリーし、今週はこの曲がエントリー。早くも今年2曲目となり、快調に飛ばしている感があります。通算では12曲目となり、今や押しも押されぬ常連アーティストです。

 

 新曲「インソムニア」は映画「マイホームマイヒーロー」の主題歌に起用されているナンバーです。60万回超えの配信セールスを稼ぎ、39位に入ってきました。Eveらしい「ダーク×疾走感」をテーマにした楽曲で、臨場感あふれる仕上がりとなっています。Eveの楽曲は、なんというかすごくアドレナリンが出ますからね。映画の大画面に映える楽曲になっていると思います。こちらの映画は昨日8日に公開となっています。佐々木蔵之介さん演じるお父さんが「容疑者」になっているハラハラドキドキの内容です。

 

 今のところ配信限定であり、どこまで順位を伸ばしていけるかといったところ。年始の「逃避行」は最高24位とそれなりに伸ばしていました。「逃避行」を上回れるかというところが一つの見どころになってくるでしょう。

 

No.37

 

 

 

 

「ひとみ」福山雅治

■2/19リリースの配信シングル

■ドラマ「春になったら」主題歌

■「想望」以来3か月ぶり、今年2曲目、2015年以降では9曲目のエントリー

 

 福山雅治さんが手がけるドラマ主題歌がエントリーしてきました。タイミングとしては1週遅れ、しかも37位と低いのはかなり心配ですが、何はともあれエントリーは決めてきましたね。現在もエントリーしている「想望」とのダブルエントリーとなりました。

 

 こちらはドラマ「春になったら」主題歌。木梨憲武さんと奈緒さんが父娘役でW主演を務めるハートフルホームドラマです。お父さんは末期がんで「余命3か月」、娘は「3か月後に結婚」という、互いの人生が交錯するストーリー。父と娘の最後の3か月を描いています。辛い題材なのですが、あまりシリアスではなく、むしろカラッと明るいタッチで描かれているのが新鮮で、私は毎週楽しみに観ています。人生には限りがあります。時間が限られているなら、少しでも明るく、楽しく過ごしたいよな。そんな風に思わせてくれるドラマです。ただ、最終回にはやはりお別れが来るのでしょうから、これが本当に辛くて辛くて仕方ない。最終回がここまで来てほしくないドラマというのも珍しいです。

 

 福山さんの歌う主題歌は、ドラマに寄り添った内容となっています。「ひとみ」というのは、奈緒さん演じる娘の名前なのですが、福山さんはここに名付け親であるお父さんの想いを感じたということ。「目に見える物事の向こう側に思いを馳せたり、見ようとしたり、気付いたりしてほしいと願ったのでは」と想像し、この曲を書き下ろしたそうです。

 

 そう、この曲のテーマは「命名」なんですね。これはハッとさせられる題材でした。名付けには、親の想いが詰まっていますからね。そこに寄り添おうとする福山さんの曲作りには唸らされました。間奏には、ヴィヴァルディの「春」がサンプリングされ、春らしい柔らかい仕上がりとなっています。

 

 初動としてはかなり控えめになりましたが、ここから巻き返していくことはできるでしょうか。「想望」とのポイント割れもあると思いますね。早いうちに入れ替わる形となれば、この曲にとっては理想的です。

 

No.36

 

 

 

 

「愛は薬」wacci

■2/21リリースのCDシングル

■アニメ「薬屋のひとりごと」第2クールEDテーマ

■2022年7月の「恋だろ」以来1年8か月ぶり、通算2曲目のエントリー

 

 私はこれまでこの曲を3回初登場予想に挙げていました。しかし、いずれもエントリーしませんでした。あきらめて書くのをやめたら、4回目の今週でエントリーしました。

 

 疫病神かな滝汗

 

 「私が予想に挙げるのをやめたとたんにエントリーする」これは結構あるあるで、年に何回か経験します。まるで、私が予想に挙げることでエントリーを妨害しているようでもあり、結構落ち込むんですよね、ハハハ...。何はともあれ、エントリーできてよかったです。wacciの皆さん、ご迷惑をおかけしました。

 

 2月21日にリリースされたCDシングルで、アニメ「薬屋のひとりごと」第2クールEDテーマ。これで、今週はこのアニメから新旧主題歌3曲がエントリーということになりました(「花になって」「アンビバレント」「愛は薬」)。ちょっと前の「呪術廻戦」を思い出すような躍進ぶりですね。CDシングルでは、初週22位(約1,900枚)を獲得。このセールスが反映され、1週遅れながら待望のエントリーとなりました。

 

 「薬屋のひとりごと」とのタイアップということで、タイトルは非常にストレートで「薬」が用いられています。たしかに、誰かから愛されることは何よりの薬になるでしょうね愛飛び出すハート こういうところで全くオブラートに包まない、ストレートな物言いがwacciらしいなと思いました。彼ららしい、温かいミディアムバラードとなっています。

 

 エントリーは2022年夏の「恋だろ」以来1年8か月ぶり。「恋だろ」は初エントリーながら最高19位、トータル12週と大健闘したんですよね。ですから、2曲目となるこの曲にはかなり期待しています。「アンビバレント」や「花になって」と相乗効果で盛り上がっていけば理想的ですね。

 

No.33

 

 

 

 

「正解」RADWIMPS

■2/28リリースのCDシングル

■2018年NHK「18祭」テーマソング

2月24日以来、3週ぶりのリエントリー(通算4週目)

 

 

 なんとなんと、この曲が戻ってくるんですかびっくり

 

 33位にエントリーしたのはRADWIMPSの「正解」。2018年のNHK「18祭」のテーマソングに起用されていた楽曲で、この度2月28日にCDシングルがリリースされたことによるエントリーです。先行配信されていたことにより、2月3日に35位で初登場。この時はポイントが伸びず、35位→35位→40位という推移でトータル3週のエントリーでした。中2週空け、2月24日以来3週ぶりのリエントリーということになりました。

 

 CDセールスが反映されたことにより、自己最高位を2つ更新する33位でのリエントリーとなりました。ちなみに、CDセールスは約2,800枚で初週15位でした。純粋な新曲でない割にはよく売れている方ではないかと思います。私は「純粋な新曲ではない」ことを理由に、先行配信の時もCDリリースの時もエントリー予想には挙げていませんでした。しかし、結果として2回ともエントリーしてきたわけですから、かなり反省しています昇天 この曲は私が思っていた以上に長く愛されていたようですね。

 

 気になるCDシングルの全容ですが、この曲の新録バージョンに加え、合唱バージョン(混声三部、女性)、インストゥルメンタル、ピアノ伴奏音源の全5タイトルを収録。「このCDを買えば『正解』の全てが分かる」そんな感じです笑 さらにはA4サイズの譜面ピースやブックレットまで付属しており、思い入れのある方にとっては絶対に手に取りたいであろう作品となっています。CDセールスが加わったことにより、配信時代よりはいい成績が出ると思われます。この曲の「第2章」に注目です。

 


 

 

 圏外曲

 

 

先週40位「SPECIALZ」King Gnu

IN【25】TOP10【16】HIGH【1】763P(599+164)

 

 昨年のチャートで4回にわたり1位を獲得、年間チャートでも11位のヒットを記録したKing Gnuのナンバーがついにチャートを去りました。  King Gnuが昨年9月6日にリリースしたCDシングルで、アニメ『呪術廻戦』渋谷事変編OPテーマです。初登場は昨年の9月16日。CDセールスを受け、14位という非常に高い位置でした。翌週は8位で順当にトップ10入り。3週目は3位、4週目は2位と順調に上げていき、エントリー5週目に1位を獲得。そこから3連覇を記録しました。Adoの「唱」に1位を譲り、その後は藤井風の「花」が4連覇を獲得。さすがに返り咲きは厳しいのかと思っていましたが、この曲は首位陥落後も5週にわたり2位か3位を獲得していました。勢いを落とさなかったのが大きく、12月9日にはなんと6週ぶりの1位返り咲き!1位に返り咲く曲はたまにありますが、ここまで間を空けての1位は相当に珍しく、快挙といえるでしょう。2度目の1位は1週きりでしたが、通算では4回の1位を獲得。これは「カメレオン」に並ぶ自身最多タイという好成績でした。2度目の1位から下がった後もさらに4週トップ10をキープし、トップ10内は16週という好記録になっています。  年が変わった後は、一定のペースで下げていくものの急落はなく、トップ10落ち後は8週のエントリー。トータルは半年に迫る25週で、これは「一途」の24週を上回る自己最長記録ということになりました。トータルポイントは763まで伸ばし、全て入っていれば昨年の年間チャートでは4位相当。つまりは、「愛の花」「第ゼロ感」「アイドル」に続くレベルの曲だったということです。全曲がヒットした「呪術廻戦」主題歌でもこの曲がぶっちぎり、まさに格の違いを見せつけたヒットだったといえるでしょう。非の打ちどころがない、見事な成績でした。

 

 

先週39位「優しい光」ファンキー加藤

IN【2】TOP10【0】HIGH【37】6P

 

 2月17日の公開生放送に出演してくださったファンキー加藤さんの楽曲で、2月14日に配信リリースされました。お母様への想いが歌われており、あのファンモンの名曲「ヒーロー」とある意味対になっているような大切な楽曲です。

 ゲスト出演効果もあり、α-stationでは大量のオンエアを獲得。これにより、2月24日に37位でエントリーしました。エントリーは2018年以来実に5年4か月ぶり(!)だったということで、ゲスト出演が見事報われる結果となりました。しかし、それだけで残し続けられるほど甘いチャートではなく、翌週は39位に即落ち。トータルは2週に終わっています。

 配信の再生数が非常に少なく、エントリーした日で3,400回(1日300回程度)でした。ここまで配信が少なくては、いくらオンエアが多くても残せなかったようです。今後も継続してエントリーさせるためには、配信でもう少し上積みを図ること、あるいはCDをリリースすることが必要だと思います。

 

先週38位「Sleep Walking Orchestra」BUMP OF CHICKEN

IN【12】TOP10【0】HIGH【11】251P(69+152)

 

 アニメ「ダンジョン飯」OPテーマ。BUMPでアニメ主題歌といえば、「SPY×FAMILY」主題歌の「SOUVENIR」が大ヒットしたことは記憶に新しく、事前の期待値はかなり高い曲でした。蓋を開けてみるとどうだったでしょうか。トータル250ポイント超えを果たしており、決してダメだったわけではありませんが、トップ10入りを逃し、ロングエントリーにもあと1週届かないというどうにも「煮え切らない」楽曲となってしまいました。

 初登場は昨年12月16日の25位。順調に上げ、3週目に13位とここまでは予定どおりだったでしょう。しかし、4週目から14位、15位と下げていき、雲行きが怪しくなります。6週目は息を吹き返し、11位まで再浮上しますが、ここでトップ10入りできなかったのは結果として痛恨でした。翌週からは再び下げていき、ついにトップ10に食い込むことはありませんでした。10位台には実に8週もエントリーしていましたが、トップ10入りできなかったのは残念です。配信限定ということで、そこでポイントが伸び悩んでしまいましたかね。楽曲のタイトルに引っ掛けて言えば、眠りから目覚めるための「決め手」がありませんでした。とはいえ、決して悪い成績ではありませんので、次回作以降でまた巻き返してくれることでしょう。

 この曲はやや寂しい旅立ちとなってしまいましたが、アニメ「ダンジョン飯」からはEDの緑黄色社会「Party!!」が入っており、今後はこの曲にヒットの期待を託したということになるでしょう。

 

 

 

先週37位「Bitter」ビッケブランカ

IN【22】TOP10【10】HIGH【4】557P(392+165)

 

 最高位こそ4位だったものの、トータルは22週、550ポイント超の大ヒット。「地味強」どころか「かなり強」だったビッケブランカの楽曲が万感のフィニッシュとなりました。

 昨年10月25日にリリースされたEPに収録の楽曲で、映画「親のお金は誰のもの 法定相続人」主題歌。先行配信により、10月7日に37位でエントリー。この時は上位にEPからの先行シングル「Snake」が入っていましたが、グングンと上位に進出していき、4週目には8位でトップ10入り。初登場から3週で29ランクアップという快進撃でした。ただ、ここから伸びが鈍化してしまい、この週から4週連続で7位と8位を往復。8週目から再び伸ばしていきますが、7位と8位で停滞したのが痛く、最高位は9週目に記録した4位でした。トップ10には長くとどまっており、2ケタ10週もエントリーしていますが、そのすべてが「4~8位」というかなりの「中位偏重型」です。トップ3は1週もなく、7位からトップ10落ちしたため9位や10位もありません。トップ10の中位を長く行き来していたという珍しいタイプの曲でした。ある意味地味な推移ではありますが、トップ10に2ケタも入っていたのですからトータルはかなり伸ばしており、先発の「Snake」を100ポイントほど上回っています。

 トップ10落ち後は9週にわたりエントリーしており、バランスのよい推移で急落はありませんでした。トップ10内の安定した推移をそのまま継続するような安定ぶりだったと思いますね。ということで、トータルは悠々の20週超え。ビッケブランカさんの楽曲にしては特段高いわけでなく、6~7番目くらいのヒットですが、この成績でも「控えめ」だと思わせるのだからすごい話です。圧倒的なリクエストを味方に、今後も活躍は続いていくことでしょう。