皆さんこんにちは。

 「J-AC TOP40」2024年3月2日付けチャートの初登場曲、圏外曲を振り返ります。

 

 

  初登場曲

 

 

 今週の初登場曲は4曲でした。

 なお、初登場予想が的中した曲は4曲中1曲でした。

 

 

No.36

 

 

 

「Set Sail」BE:FIRST

■4/24リリースのCDより、2/26先行リリースの配信シングル

■ONE PIECE CARD GAME×BE:FIRST COLLABORATION SONG

■「Glorious」以来4か月ぶり、今年3曲目、通算9曲目のエントリー

 

 昨年3曲が年間入りし、破竹の勢いを見せているBE:FIRST。年始に「Glorious」と「Mainstream」がエントリーしていましたが、今年に入ってからリリースされた新曲はこれが初めてです。CDのリリースは4月24日ですが、2月26日から先行配信がスタートしており、すかさず入ってきた辺りはさすがです。勢いを感じさせますね。

 

 本作はONE PIECEのカードゲームとのコラボソング。ファンクとロックがフューチャリスティックにミックスされた楽曲となっているほか、歌詞にはONE PIECEファンなら分かる言葉が散りばめられており、ゲームの世界観と融合しているということです。メイキングMVを見て驚きましたが、ONE PIECEのカードゲームなんてものがあるんですね!これがまた、「紙(アナログ)」のカードゲームなんですよ。昔、遊戯王とかデュエル・マスターズなんかがすごく流行っていましたけど(年がバレる)、このデジタル全盛の時代に紙のカードゲームがリリースされるものなんですね。一周回って新しいみたいなことなんでしょうか。妙に感心させられました。

 

 昨年は3曲が年間入りしたBE:FIRSTですが、年末にリリースした「Glorious」が滑ってしまいいったんトップ10入りがストップ。この曲では2作ぶりのトップ10復帰を目指します。CDリリースに向けて上げていく展開にできれば理想的でしょう。

 

 

No.32

 

 

 

 

「Use Your Body」DA PUMP

■2/21リリースのCDシングル

■2021年10月の「紡-TSUMUGI-」以来2年5か月ぶりのエントリー

 

 

 DA PUMPが2月21日にリリースした通算37枚目のシングル。2021年に「Dream on the street」と「紡-TSUMUGI-」の2曲がエントリーしていたDA PUMP。このうち「紡-TSUMUGI-」は1週で圏外となってしまい、気まずい状態でエントリーが途絶えていましたが、この度無事チャートへのカムバックを果たしました。前のシングル「サンライズ・ムーン」(昨年6月)はエントリーできませんでしたから、シングルでは2作ぶりのチャート復帰です。初週1.5万枚を売り上げ、CDセールスで初週8位を記録したことがエントリーの要因でしょう。今の時代に初週1万枚超えは見事な数字です。

 

 聴いて分かりますが、古き良きエンターテイナー感溢れるファンクとなっています。いやあ、吹っ切れていますねえ笑 彼らにはこういう曲が求められているんでしょうし、まさに「古き良き」という感じのゴージャスなナンバーです。先程のBE:FIRSTのところで触れた「紙のカードゲーム」もそうですが、一昔前のテイストが再び脚光を浴び、ブームになることってありますよね。若い世代にとっては、古いものが逆に新しく感じるんだと思います。私は残念ながら、この曲を聴いても「新しい」とは思わず、むしろ「安心する」感覚があります照れ いつまでも若者気分ではいられないようです笑

 

 

No.31

 

 

 

 

「Value」Ado

■2/23リリースの配信シングル

■「ショコラカタブラ」から2か月連続、今年3曲目、通算14曲目のエントリー

 

 現在「ショコラカタブラ」がエントリーしているAdoですが、早くも新曲が入ってきました。こちらは2月23日にリリースされた配信シングルで、見どころは「全てiPadで制作したMV」です。

 

 この曲のMVは、iPadとアップルペンシル、それにアップルストアのアプリを使って制作されています。MVのテーマは「人類史」です。...いやあ、MVを観て驚きましたね。MVというのは専門の機材や設備を使って作られるものとばかり思っていましたが、まさかiPadでここまでの作り込みができるとは思いませんでした。いわば、部屋の中でこれだけのものが作れてしまうというわけです。これは大きな驚きました。私もiPadを持っているのですが、動画鑑賞と読書くらいしませんね魂が抜ける もう少し、クリエイトなことをしてみたいなどと思いました(たぶん思うだけ笑)

 

 楽曲の方はすごくシリアスで、切り裂くようなAdoの歌声がすごく雰囲気になっています。高音の裏声がまるで原始的な「産声」を思わせる迫力なんですよね。いやはや、これはなかなかの名曲だと思いました。

 

 曲の方はすごくいいのですが、過剰リリースの方は全くいただけません。前作「ショコラカタブラ」から1か月もたっておらず、これでは共倒れを招くだけです。事実、「ショコラカタブラ」は今週急落してあっけなくトップ10落ちしました。さっそく、過剰リリースの弊害が現れたというわけです。売れっ子なので引く手あまたなのは分かりますが、このペースでのリリースはいけません。曲と、アーティストの寿命を縮めるだけです。いい曲なのだから、もう少し大切にリリースしてほしいです。さすがに、苦言を呈さずにはいられませんでした。

 

No.21

 

 

 

「Lovin' Song」スキマスイッチ

■2/14リリースのCDシングル

■ドラマ「おっさんずラブリターンズ」主題歌

■2019年8月の「Revival」以来4年7か月ぶりのエントリー

 

 

 スキマスイッチが2月14日にリリースしたシングルで、ドラマ「おっさんずラブリターンズ」主題歌。スキマスイッチは、2019年8月の「Revival」(最高18位、11週)以来、実に4年7か月ぶりのエントリーとなります。その「Revival」も「おっさんずラブ」の主題歌でしたね。ですから、大人気ドラマの続編主題歌で久しぶりのカムバックを決めたということになります。1月の先行配信では入ってきませんでしたが、2月14日にリリースしたCDが初週4000枚近くの売り上げで初登場10位を記録。CDセールスによりエントリーしてきましたね。


 スキマスイッチらしい、ピアノとストリングスで壮大に聴かせるラブバラード。スキマスイッチのナンバーはサビの壮大さが好きです。90年代を意識して制作されたということで、なるほど、ちょっとゴージャスでバブリーな印象もあります笑 登場人物たちが高らかに愛を叫ぶ、「おっさんずラブ」の世界観にぴったりのナンバーですよね。さすがスキマスイッチだと思いました。

 

 CDセールスが好調だったことにより、21位と好位置で初登場。前の主題歌「Revival」はトップ10入りしておらず、最後のトップ10入りとなると2019年夏の「青空」ではないかと思います。久しぶりのトップ10返り咲きとなるかに注目です。


 

 

 圏外曲

 

 

先週39位「HEART BEAT」YOASOBI

IN【8】TOP10【0】HIGH【12】157P

 

 

 YOASOBIが昨年12月26日にリリースした配信シングルで、NHK「18祭」の提供曲。昨年、「アイドル」「勇者」が連続でヒットし、特に「アイドル」は2023年を代表するヒットに。飛ぶ鳥を落とす勢いで来ていた彼らでしたが、2024年最初のエントリーとなったこの曲はまさかの大滑り。急ブレーキとなってしまいました。  1月6日、今年最初のチャートで18位に初登場。例のごとく高い順位から登場し、ここからヒットは確実かと思われましたが、ここからまさかの推移をたどることになります。2週目は16位にとどまり、このところ定番となっていた2週目でのトップ10入りを逃しました。3週目は12位に上げるものの、いつもほどの勢いが感じられません。4週目には14位に下げてしまい、不振は決定づけられました。初登場から5週連続で10位台を記録したものの、トップ10には届かず、5曲連続で記録していたトップ10入りがストップ。トップ10を逃したのは2022年末の「海のまにまに」以来です。6週目からは急落し、トータルは1ケタの8週に沈みました。  「勇者」「Biri Biri」とのトリプルエントリーだったとはいえ、久しぶりに低迷に終わったことはかなり以外でした。「アイドル」「勇者」「Biri Biri」とは異なり、アニメタイアップではなく、それが再生数の伸び悩みにつながっていたようです。アニメが絡まないとそこまで伸びない、これはYOASOBIの思わぬ弱点になるかもしれません。

 

 

先週38位「puzzle」NAQT VANE

IN【7】TOP10【0】HIGH【22】88P

 

 

 先月1月のスマッシュブレイクのうちの1曲。1月第2週からエントリーし、2月の4週も見事完走。トータルは7週で、スマッシュブレイクにしてはかなり頑張った部類となります。  1月13日に33位で初登場。翌週は10ランクジャンプアップしての23位でした。スマッシュブレイクでここまで急上昇する曲は珍しく、そもそも20位台に入る曲も珍しいです。出足は躍進といってよいでしょう。3週目はさらに伸ばし、22位を記録。これが最高位とはなりましたが、20位台には4週連続でエントリーし、かなり健闘したと思います。トータルポイントは88で、これは昨年2023年のスマッシュブレイクと比較するとMAZZELに次いで堂々の2位となります。かなりヒットした部類だと思いますね。アルバム「Dispersion」も聴かせてもらいましたが、かなり作り込まれており、今後に期待を抱かせるアーティストでした。2曲目のエントリーを楽しみに待ちたいと思います。  最近、スマッシュブレイクは好調が続いており、1月はこの曲とammoがいずれも健闘。2月の2組(a子、Krage)はこのいい流れを継続できるかというところにも注目です。

 

 

先週34位「Sesame」Kroi

IN【6】TOP10【0】HIGH【20】91P

 

 Kroiが1月17日にリリースした2枚目のシングル。J-ACでは通算4曲目のエントリーとなりましたが、この曲で初の20位台、さらにはトップ20入りを果たし、躍進の1曲となりました。

 1月20日に31位で初登場。この週はリリース週で、1週早いタイミングでした。しかも、31位は自己最高位タイというロケットスタートでもありました。期待に応え、翌週は10ランクも上昇して21位。さらに上げ、3週目に20位でトップ20入りしました。これまでの自己最高位は「Balmy Life」の31位でしたから、大躍進といってよいでしょう。翌週は21位に下げるものの、20位前後で3週と健闘しました。5週目からは大きく下げ、トータルは6週ですが、これも最長記録です。

 通算2枚目のシングルで大きく上げてきたKroi。2度にわたるゲスト出演が実を結び、ついに一皮むけたでしょうか。個人的に大好きなレーベル「IRORI Records」の所属ということもありかなり注目しています。

 

 

先週30位「Kissin' Christmas(クリスマスだからじゃない)2023」桑田佳祐&松任谷由実

IN【13】TOP10【6】HIGH【3】356P(126+230)

 

 桑田さんとユーミンさんによるクリスマスソング。CDセールスチャートはまだまだ上位に名を連ねるほど好調でしたが、3月になってクリスマスソングを流すというのも味が悪いという判断でしょう。先週30位からバッサリと切られました。30位から一気に圏外になるのは珍しいですが、この曲は「クリスマスソング」という特殊な事情がありましたから織り込み済みです。トップ10落ち後は4週しかエントリーしていません(11→13→21→30位)。事情があったとはいえ、13位の3週後には圏外になっているというあまりにも激しい去り方となりました。

 初登場は昨年12月2日の38位でした。クリスマスムードに乗せてチャートを急上昇していきます。17ランク、9ランク、7ランクと上げ、クリスマス直前の23日には5位、そして年末の30日には3位を記録。これぞクリスマスソングという上げ方でしたね。

 年明け、クリスマス後の1月も安定。4→5→6→8位とほとんど下げず、1月はトップ10をキープしていましたね。「クリスマスソングにもかかわらず、このまま長期エントリーするのか!?」と思いきや、2月は前述のとおり急落でした。さすがに2月に入ると持たなかったようですね。クリスマスソングのチャートアクションとして、非常に参考となる事例でした。トータルは356ポイントで、年をまたいでいるため年間には届きませんが、全て入っていれば昨年の年間チャートで35位相当です。