皆さんこんにちは。

 「J-AC TOP40」2024年2月10日付けチャートの初登場曲、圏外曲を振り返ります。

 

 

  初登場曲

 

 

 今週の初登場曲は5曲でした。

 なお、初登場予想が的中した曲は5曲中3曲でした。

 

 

No.38

 

 

 

 

「この愛に敵うもんはない」OKAMOTO'S

■1/31リリースのCDシングル

■アニメ「アンデッドアンラック」第2クールOPテーマ

■2020年8月の「Keep On Running」以来3年半ぶりのエントリー

 

 OKAMOTO'Sの最新シングルが入ってきました。エントリーは2020年8月に菅田将暉とコラボした「Keep On Running」以来実に3年半ぶり。昨年5月にリリースしたシングル「Where Do We Go?」はエントリーできず、私は初登場予想から外していましたが、今作でチャート復帰ということになりました。CDシングルチャートでは初週962枚で29位を獲得。セールスはそこまで大きなものではありませんでしたが、リクエストが4名も読まれており、このポイントとの合わせ技でエントリーになったようです。リクエストが多いという事で、根強い人気を感じましたね。

 

 アニメ「アンデッドアンラック」OPテーマ。ボーカル・オカモトショウさんは、これまでに自身が手がけた作品の中で最も時間をかけて制作したそうです。うねりのあるAメロ、Bメロから爽快なサビにつながり、彼らの多彩さを感じることができる楽曲です。ピアノも加わってくるBメロからサビへの流れが好きですね。そして、サビの最後にはめ込まれるタイトル「この愛に敵うもんはない」の歌い方がクセになります。よく練られた楽曲だと思いますね。

 

 3年半ぶりのエントリーということで、現在の勢いは全くの未知数です。(少なめとはいえ)CDシングルのセールスに加え、リクエストのポイントもありましたから、ぜひ20位台以上に行ってもらいたいですね。

 

 

No.29

 

 

 

 

「幾億光年」Omoinotake

■2/28リリースのCDより、1/24先行リリースの配信シングル

■ドラマ「Eye Love You」主題歌

■初エントリー

 

 これはサプライズな初エントリーとなりました。入ってきたのはOmoinotake(オモイノタケ)。2021年メジャーデビューの3ピースバンドで、今日楽曲を聴かれた方は分かるでしょうが、ボーカル藤井さんの唯一無二とでもいうべきハイトーンボイスが特徴で、劇的な曲調で聴かせるバンドです。本作は2月28日にリリースされる2枚目のシングルで、1月24日に先行配信がスタートしています。二階堂ふみさん主演のドラマ「Eye Love You」主題歌。このドラマには、ヒロインの相手役として韓国人俳優のチェ・ジョンヒップさんが出演されており、私が推理するに、これが初エントリーの理由ではないか笑口笛(このチャートはDJの影響もあるのか、韓国関連のアーティスト、楽曲が非常に強いのです)。ちなみに、ヒロインの相手役に韓国人俳優を迎えるのは、民放のGP帯連続ドラマで史上初めてということです。

 

 そんなOmoinotakeの楽曲ですが、本当にダイナミックですよね!私は昨年、深夜ドラマの主題歌に起用されていた「モラトリアム」という曲が大好きなのですが、聴く者の心を駆り立てる圧倒的なボーカルで、ドラマに映える曲だなと思って聴いていました。今回はプライム帯のドラマ主題歌に抜擢されたわけですが、それも納得の実力で、実力はすでに折り紙付きだと思います。「幾億光年」というのは果てしない年月ですが、幾億年先まで駆けていけると思わせてくれるような軽快で気持ちのいい曲ですよね。藤井さんのハイトーンボイスが最高に映えていて、胸いっぱいに清涼感が広がるような素敵な楽曲です。

 

 CDリリースは2月28日ですが、すでに先行配信で100万回超えと好調で、早くも29位に飛び込んできました。これからCDのセールスが加算されることを踏まえると、これはかなりのヒットになるかもしれません。初エントリーながらかなり気になる存在で、あるいは今年のチャートの「ダークホース」的存在になるかもしれませんよ...!

 

 

No.25

 

 

 

 

「FREEDOM」西川貴教 with.t.komuro

■1/24リリースのCDシングル

■映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」主題歌

■「Never say Never」以来9か月ぶり、通算8曲目のエントリー

 

 西川貴教さんが1月24日にリリースしたCDシングルで、映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」主題歌。プロデューサーは小室哲哉さんです。過去にそれぞれガンダム映画主題歌を手掛けたことがある二人による、まさに黄金タッグとなりました。

 

 先週はなぜかエントリーしませんでしたが、かなり勢いのある楽曲です。CDセールスでは、初週1.9万枚で3位を記録すると、2週目の今週も3,800枚で14位をマーク。2週目でも3,800枚というのはかなり強く、セールス絶好調です。配信も80万回超えと良好で、ビルボードチャートでは2週連続で10位台を記録しています(14→17位)。これに加え、今日はリクエストも3名読まれていましたから、かなり強い曲だと思います。重ね重ね、先週エントリーしなかったのが謎ですが、今週25位に入ってきたのは極めて順当なところです。

 

 西川さんのパワフルなボーカルに、これぞ小室さんというゴージャスなアレンジが印象的な楽曲。心が奮い立たされる、勇壮な感じがありますよね。さすが両名という感じがします。西川さんが最後にトップ10入りしたのは2018年の「Bright Burning Shout」で、以降6年近くトップ10入りがありません。しかし、今作は指標面でかなり強く、あるいは期待できるかもしれません。

 

No.23

 

 

 

 

「ショコラカタブラ」Ado

■1/31リリースの配信シングル

■ロッテ チョコレート60週年記念CMソング

■「クラクラ」以来4か月ぶり、今年2曲目、通算13曲目のエントリー

 

 

 Adoによる季節ものが入ってきました。1月31日にリリースされた配信シングルで、ロッテチョコレートの60週年記念CMソング。すでに170万回超えというさすがの配信セールスに加え、オンエアも好調で、今週は5回もオンエアされていました。季節ものということで、バレンタインを前にオンエアを稼ぎまくったようです。配信とオンエアのポイントにより、20位台前半の好位置から飛びこんできました。現在もエントリー中の「唱」とはダブルエントリーです。

 

 「ショコラカタブラ」ですが、チョコレートが美味しくなる呪文だそうですチョコ ロッテのHPには、この曲をバックに、3人の少女が「科学と魔法と現実」の世界を行き来する大冒険のムービーが公開されています。ハイトーンで裏声も交えたAdoのボーカルはさすがで、まるで濃厚なショコラがとろけるよう。「ショコラカタブラ」の語感も抜群で、キラーチューンになりそうな予感がしますね。

 

 季節ものということで、これからバレンタイン、そして来月のホワイトデーまでの季節が「主戦場」になるでしょう。来週はバレンタインですので、急上昇していくような気がします。前の曲「クラクラ」はまさかのトップ10を逃してしまいましたから、この曲ですかさずトップ10に戻れるか注目です。

 

No.19

 

 

 

 

「リズム64」あいみょん

■2/2リリースの配信シングル

■資生堂CMソング

■「あのね」以来3か月ぶり、今年3曲目、通算23曲目のエントリー

 

 初登場曲予想でメインに挙げていたあいみょんの楽曲が、順当に10位台から入ってきました。2月2日にリリースされた配信シングルで、あいみょんにとってキャリア初となるCMソングの書き下ろし。資生堂のCMソングに起用されている新曲の「リズム64」です。これだけ人気のある彼女が、CMソングを書き下ろすのが初めてとはあまりにも意外でしたね。話題のCMソングということで、各方面でバランスよくポイントを稼いでいます。配信43万回、オンエア3回、リクエスト2名と手堅くまとめてきました。この作品は金曜リリースで、通常の水曜リリースの楽曲と比べると2日分不利なのですが、それでも初登場19位というのはさすがの話です。

 

 あいみょんって、若い世代からはもちろん、中高年の世代からもかなり支持を集めているんですよね。その理由ですが、よく言われるのが「歌謡曲的だから」「昭和っぽいから」というものです。歌謡曲のようなテイストをしているので、いわゆる「おじさん世代」(失礼)が懐かしく感じるということですね。吉田拓郎さんがあいみょんを激賞しているのは有名な話です。

 

 この曲ですが、そんな歌謡曲のテイストが今まで以上に出ているなと感じます。Aメロ、Bメロなんか、思わずこぶしを振りって合いの手を打ちたくなってしまうくらい笑 歌謡曲のテイストが存分に詰め込まれているので、聴いていてどこか安心できるというか、ゆったり身を委ねられるんです。それでいて、決して古い曲の焼き直しではないし、ホコリをかぶっているわけでもない。化粧品のCMソングということで、瑞々しく、潤いを感じさせるメロディーにもなっているんですね。これは若者にも中高年にも好かれるわけですよ。この曲を聴いて、彼女が国民的シンガーソングライターの立ち位置にいることを確信しました。

 

 初登場19位ということで、トップ10入りはほぼ間違いないでしょう。個人的にもかなり気に入っている楽曲で、ヒットを期待したいです。


 

 

 圏外曲

 

 

先週40位「Biri Biri」YOASOBI

IN【11】TOP10【3】HIGH【6】235P(176+59)

 

 YOASOBIが昨年11月18日にリリースした配信シングル。「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」の発売1周年を記念して制作されたインスパイア・ソングです。  11月25日に20位で初登場。翌週はジャンプアップで6位。しかし、二の矢は継げず、3週目は8位にダウンしました。さらに9位まで降下し、4週目には早くもトップ10落ち。トップ10内は3週という控えめな成績に終わりました。これは、前の曲「勇者」のCDシングルがリリースされ、トップ10に返り咲きを果たしたからです。この曲は割を食う形でトップ10から押し出される形になりました。  トップ10落ち後は普通にダウン。途中に7ランクダウンと8ランクダウンが1回ずつあり、やや早めの下げだったでしょうか。「勇者」それに後半は新曲の「HEART BEAT」まで入ってトリプルエントリーになりましたから、ある程度早めに下げたのは仕方なく、むしろ粘った方かもしれません。トータルは11週で、ロングエントリーには届かなかったものの、2ケタに乗せているのはさすがです。トータルポイントは235ポイントで、成績的には2021年の「優しい彗星」(最高4位、11週)が非常に類似しています。

 

 

 

先週39位「生命体」星野源

IN【24】TOP10【5】HIGH【4】532P(485+47)

 

 星野源さんが昨年8月4日にリリースした配信シングルで、TBS「世界陸上」「アジア大会」テーマソング。昨年12月26日には「光の跡」との両A面でCDシングルとしてリリースされ、さらに大みそかには紅白歌合戦でも披露されました。  最高位は4位でトップ3入りできませんでしたが、全体的に非常に水準の高いヒットで、特にトップ10圏外に下げてからが強い曲でした。昨年8月26日に22位で初登場。順調に上げ、4週目に9位でトップ10入りしました。翌週は4位まで上げますが、当時は配信限定だったこともありここが最高位。すぐに9位まで戻されてしまい、以降は3週連続の9位でした。トップ10内は5週で、うち4週が9位という珍しい推移です。  トップ10内はそこまで強くなかったこの曲ですが、その後は驚異的な粘りを発揮。まず、10位台前半に4週もとどまり、10位台にはこれを含め6週もランクインしていました。15週目に20位台に下げますが、ここからもほとんど下げません。そうしているうちに年末を迎え、非常に大きかったのが19週目。なんと、29位から19位まで10ランクも再浮上し、大きく息を吹き返しました。恐らく、年末のCDリリースとオンエアの効果でしょうが、それにしても見事な再浮上でした。再浮上は1週きりでしたが、10ランクも戻したのは大きく、年明けもエントリーを続けました。トータルは先週までの24週となっています。「喜劇」「異世界混合大舞踏会」から3曲連続となる20週で、前2曲を上回る好記録となりました。3曲連続の20週で、15週まで下げれば6曲連続となります。最新シングルの「光の跡」は1位まで上り詰めましたから、この記録を継続していくことが濃厚でしょう。なぜか1位からはしばらく遠ざかっていましたが、全体的には圧倒的な好成績で、J-AC最強格と呼ぶに相応しい活躍が続いています。

 

 

 

先週38位「more than words」羊文学

IN【18】TOP10【6】HIGH【6】402P(350+52)

 

 2020年2月に「人間だった」で初エントリーした羊文学。この曲は通算5曲目にして、ついにつかんだ初の大ヒットということになりました。アニメ「呪術廻戦」第2クールEDテーマです。  昨年10月7日に31位で初登場。勢いは目覚ましく、翌週は17ランクの特大アップで14位。いきなり自己最高位を大きく更新すると、3週目に7位でトップ10入り。自身初のトップ10入りをマークしました。トップ10内での最高位は4週目に記録した6位ですが、トップ10内では安定しあ推移を記録。8位から10位の間で4週も粘る健闘をみせ、トップ10内は6週でした。初のトップ10入りだったことを踏まえると万々歳の成績でしょう。 トップ10落ち後の推移も実に安定したもので、10位台に4週、20位台に4週、30位台に2週エントリーしました。合わせて2ケタの10週も入りましたから、かなり安定してエントリーしていた曲ということになります。この結果、トータルは18週、400ポイント超えの大ヒットになりました。昨年の年間チャートでは堂々の37位を記録。初のヒット曲で、見事年間入りを果たしてくれました。羊文学は個人的にも好きで応援していましたから、この躍進はうれしかったですね。  さて、アニメ「呪術廻戦」のOP・EDは2クールの4曲がいずれも大ヒットになりました。King Gnuは別格として、残りの3組(キタニタツヤ、崎山蒼志、羊文学)はこれまでの実績がほとんどないアーティストでした。それがいずれも大ヒットになり、この4曲はいずれも年間入りという快挙になりました。「呪術廻戦」恐るべしでしたね。ちなみにこの曲ですが、トータルは18週で、「青のすみか」と「燈」の2曲を上回っています。ポイントも2曲より上です。ということで、「呪術」関連の4曲ではKing Gnuについで堂々の2着ということになりました。そういった意味でも見事なヒットになったと思います。

 

 

 

先週36位「UP TO ME!」Little Glee Monster

IN【10】TOP10【0】HIGH【13】177P(114+63)

 

 Little Glee Monsterが昨年11月22日にリリースした通算22枚目のシングル。新体制になってからは「今この瞬間を」につづく2枚目のシングルです。  昨年12月2日に24位で初登場。翌週は9ランクのジャンプアップで15位と好調でした。10位台に行くことは多いものの、トップ10入りは五分五分といった感じのリトグリ。今作は、3週目で13位に迫るものの、4週目から下げてしまい、残念ながらトップ10入りはなりませんでした。しかし、6週目には22位から21位へ再浮上。たったの1ランクですが、再浮上は難易度が高く、意地を見せたといえるでしょう。そこからは再び下げていきますが、先週は34位から36位にとどめて残留。これにより、トータルは2ケタ10週となりました。普通に下げていれば7~8週程度の曲だったでしょう。それが、途中の再浮上、それに最後の粘りで2ケタ10週に乗せたわけですから、非常に印象がよいです。かなり健闘したと思います。  リトグリがトータル10週に到達したのは、「足跡」「Your Name」に続き通算3曲目。通算10曲のうち3曲ですから、やはりかなりの健闘ということになります。トータルポイントの177は通算2位で、こちらもかなりの高水準ですね。もちろん、新体制になってからはこの曲が最高成績です。新体制になって初めていいところをみせたリトグリ。俄然、次回作以降の楽曲に期待です。

 

 

 

先週33位「白色蜉蝣」Aimer

IN【10】TOP10【0】HIGH【14】164P(80+84)

 

 Aimerさんが昨年12月6日にリリースしたCDシングルで、NHKドラマ「大奥Season2」主題歌。昨年10月21日に36位に初登場しましたが、この時は先行配信の段階であり、わずか2週で圏外になりました(36→39位)。しかし、さすがにこれで終わるAimerさんではありません。12月6日にリリースされたCDシングルのセールスを受け、12月16日に18位と高い位置で再登場。実に8週ぶりのリエントリーとなりました。

 リエントリーの翌週は14位に上げましたが、CDセールスがそこまで高くなかったこと、それにドラマが終了してしまったことも響いたのでしょう。最高位はこの14位止まりで、トップ10入りはなりませんでした。3週目(通算5週目)からは順を下げていき、その後は普通のダウンでした。リエントリー後のエントリーは8週とやや控えめですが、先行配信で2週だけエントリーしていたことが最後に効きましたね。合わせ技にて、トータル10週のロングエントリーを達成です。

 リエントリーというハプニングはありましたが、トータルでの最近はいたって「前例どおり」です。2022年以降、「Deep down」「escalate」「あてもなく」そしてこの曲の4曲が全て似たような成績です(最高位10位前後、トータル10週前後)。よく言えばそれなりに安定している、悪く言えば爆発力がないといったところです。2021年は「残響散歌」「おもかげ」という大ヒット曲がありましたからね。今はちょっと大人しめですが、また大ヒット曲が出ることを期待したいと思います。