これは、請求棄却してはいけない事案だなと思いました。
20年以上前の「性被害」、実父に損害賠償求めた訴え棄却 広島地裁 (msn.com)
正直ですね、報道からわかる事実関係は少ないのですが、読み取れる限りは、以下の通りのようです。
女性(40代)の主張
・保育園のころから実父に下半身を触られるなどわいせつ行為を受けるようになった。
・小学校4年生のころから、性行為を強要され、週3~4回のペースで、それは中学2年まで続いた。
・2021年ころにPTSDの診断を受けた。
実父(70代)の主張
・わいせつ行為は総回数で5~6回程度
・性行為は2~3回程度、最後は、女性が小学4~5年のころ
・20年以上前のことなので、除斥期間が経過している。
・PTSDと性被害には相当因果関係がない。
裁判所は、実父側の主張を認めて、請求棄却したとのことです。
この事案での請求棄却は、法理論ではそういう結論になるのは分かりますが、人としてダメですね。
実父は、すべてでないにしても、自身の所業を認めていますからね。
実際のところ、私も、数年前の性被害について損害賠償請求をしたいという女性の相談を受けたことが、複数回あります。
ただ、性被害の事実の立証の難易度、時効の壁の観点から勝訴見込みが立たず、弁護士費用もかかることから、お受けしたことはありません。
それにしても、とある国とは違って、日本では、除斥期間の壁は厚いですね。
私が裁判官だったら……。