大阪で体罰を苦にして生徒が自殺をした問題で、

いろんな人が意見を述べています。


体罰は悪であり刑事犯罪でもあるという意見が

主流とは思いますが、

体罰は時には必要だという意見や、

学校側だけでなく家族にも問題があるという意見

もあるようです。


法律では、暴行(有形力の行使)が正当化される局面というのは、

正当防衛か緊急避難だけです。

つまり、暴漢に襲われたときに有形力を持って防御するときとか、

大海原で船が転覆して一人しかつかまれない浮き輪に二人が

つかまろうとしているとき、

もう一人を排除する行為などです。


体罰は一方的な暴行ですから、

法律上、正当化される余地は一ミリもありません。

コーチと生徒という上下関係があるなかでの

暴力であること、

被害者が未成年であること

などからすれば、

単なる暴力事犯より、

かなり悪質とさえいえます。


あとは、暴行の頻度、内容、程度が問題とされることになるでしょう。


ただ、暴行と自殺に、

相当因果関係が認められるかというのは、

別問題です。

労働問題では、

よく過労による自殺が問題とされることがあります。

ここでも、過労と自殺の相当因果関係がするどく問題となります。


また、弁護士らしく、

頭の固い話をしましたが、

こういう場面では、

弁護士の発言というのは、

あまり説得力がないのかもしれませんね。


桑田真澄さんの発言を発見しました。

http://www.asahi.com/national/update/0111/TKY201301110314.html





『体罰を受けた子は、「何をしたら殴られないで済むだろう」という

後ろ向きな思考に陥ります。

それでは子どもの自立心が育たず、

指示されたことしかやらない。

自分でプレーの判断ができず、よい選手にはなれません。

そして、日常生活でも、

スポーツで養うべき判断力や精神力を生かせないでしょう。

 「極限状態に追い詰めて成長させるために」と

体罰を正当化する人がいるかもしれませんが、

殴ってうまくなるなら誰もがプロ選手になれます。

私は、体罰を受けなかった高校時代に一番成長しました。

「愛情の表れなら殴ってもよい」と言う人もいますが、

私自身は体罰に愛を感じたことは一度もありません。

伝わるかどうか分からない暴力より、

指導者が教養を積んで伝えた方が確実です。』

と述べておられます(一部抜粋)。


私は、桑田さんの発言には、

経験に基づく説得力があると感じました。

私がこの問題について述べたいというよりも、

桑田さんのこの記事を紹介したくて、

書かせていただきました。