三菱一号館美術館で開催中の『ルドン 秘密の花園』を鑑賞してきました。

 

 

オディロン・ルドンはフランス出身の画家。人の心に眠っている、内面や深層心理をえぐり出すような、一種独特の作風で知られていますね。過去にも何回か展覧会で目にしています。

 

オディロン・ルドン

 

本展の目玉は、ブルゴーニュの美術愛好家・ドムシー男爵の城館食堂の装飾画。屋内の装飾画の作成は拘束時間が長いため、名のある画家に依頼するにはかなりの財力が必要となるでしょう。実際、かなりぜいたくな感じがしました。画家にとっても、その制作期間はやりがいにあふれたものだったことでしょう。

 

今回は、その装飾画が一堂に会するとあって、美術館してもかなり意気込んだ展示であったようです。

 

メインとしては、植物や花を描いた作品ということになるでしょう。人間のルーツを、植物に感じていたかのような作品も多かったです。また、黒色を好んで用いており、木版画や版画なども多数展示されていました。確かにルドンといえば、版画のイメージが強いですね。

 

ただ、個人的には背景が不思議な『ドムシー男爵夫人の肖像』、きらびやかさを感じる『若き日の仏陀』が印象に残りました。『瞳をとじて』や『神秘的な対話』、『蝶と花』も雰囲気があり、非常にバラエティに富んだ作風であると感じます。

 

ルドンの世界に覆われた館内も、どこか独特なムードが漂っていた感じがしました。なかなか興味深い展示でしたね。

 


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