芸術浪漫

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美術鑑賞、博物館巡り、読書、さらには仕事の話などを中心に書いています。美術鑑賞録は土日祝日の更新になります。
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久しぶりの読書録。今回は『蒼い時』(山口百恵著:集英社文庫)です。

 

 

70年代に一世を風靡したアイドルスター・山口百恵さんの自叙伝です。私は百恵さんの世代ではありません。物心ついたころにはすでに引退されていました。

 

ただ、個人的に昔から70年代、80年代の歌謡曲が好きで、動画サイトなどでよく当時の歌手の映像などを見ており、百恵さんの圧倒的なスター性に惹かれ、好んで歌声などを聞いています。特に好きなのは『ひと夏の経験』、『夢先案内人』ですね。そのうちに、ご本人の著書にも興味が沸き、購入して一気に読みました。

 

実は、子供のころに家にこの本があったと記憶しています。親が買ってきたのか、人からもらったのは定かではありません。ただ、当時は興味がなかったので手に取ることはありませんでした。

 

さて内容ですが、人気絶頂でありながらその座を手放して、人気俳優の三浦友和さんと結婚、そして引退という道を選んだ百恵さんの、率直な思いが綴られています。

 

今の人気アイドルと違い、社会的な影響力も大きかったはずです。周囲からの戸惑いの声もあったようですが、自らの信念を押し通そうという芯の強さのようなものが、字間から伝わってきます。

 

また、複雑な生い立ちについてもオブラートに包み込むことなく、はっきりと書かれているところにも驚かされます。プライバシーが保護されない表現者としての、覚悟のようなものを強く感じます。

 

また、自らの“性”についても避けることなく記されていました。特に印象的だったのは、『ひと夏の経験』の歌詞に触れたインタビューで、

 

「女の子の一番大切なものって何だと思いますか」

私の困惑する様を見たいのか。

「処女です」、とでも答えて欲しいのだろうか。私は全て「まごころ」という一言で押し通した。

 

という一文の後に、初潮のことや生理のこと、水着の撮影の話などへと移っていくところですね。当時は十代半ばのはずですが、大人びているという言葉では収まらない、“凄み”すら漂わせています。

 

そうかとおもえば、後半の随想では女の子らしいというか、人気芸能人っぽさというか、オカルトに関する記述みたいなものもあります。また、その生い立ちからか、母親や妹など、家族に対する深い愛情が感じられる文章もあり、内容的にもバラエティに富んでいます。

 

当時の映像を見ても、やはり独特の存在感がありますよね。いまだに何年かに一人は、“第2の山口百恵”みたいな形で女優やアイドルが売り出されることがあります。それだけ、当時を生きた人たちにはインパクトのある存在だったということでしょうね。

 

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