この間、「安倍川の翡翠はどこから流れて来ているのか?」というテーマで独自調査をした際に拾って来た個体です。
重くキラキラはしているのですが、透過性が殆どなく、あまり質が良くないタイプ。
日本国内の産地のものと比べると、岡山県にある「大佐山」で採れる翡翠に瓜二つですね。
鉱山跡にある、あの大きな原石です。
色合いといい、形といい、本当によく似ている。
この翡翠を大佐山産と言っても、信じてしまう鉱物マニアもいるかもしれません。
あそこの翡翠も、元々は別の鉱石を採掘する中で出て来たもののようですが、ジルコンが含まれていたり、鉱物学的には貴重なもののようですね。
大きな原石は、小屋の中に収納されていて、外から観れるようになっているみたいです。
仙俣川から流れ出ている翡翠は、かなり重いものが多く、結晶がキラキラしているのが特徴。
このタイプ以外では、真っ白で少し緑が入っているものが多い印象です。
中河内川との合流地点から下流域では、口坂本温泉周辺の蛇紋岩帯から流れて来るものと、仙俣川から流れ出ているもの両方が拾えるのですが、個人的には仙俣川から流れ出た翡翠のほうが好みですね。
仙俣川は曹長岩が多いので、ロディン岩主体の口坂本温泉周辺とは、産状が少し異なるのかもしれません。
口坂本温泉周辺から流れ出ているものは、「翡翠?ロディン岩?どっち?」みたいなものが多いのですが、仙俣川のほうは典型的な翡翠の特徴を有しているものが多いです。
露頭は、一体どこにあるのでしょうね?
私の推測だと、仙俣川の最上流部周辺に作業用林道?があるので、昔その林道を切り開く際に発破か何かをやってそこから転石したのではないでしょうか?
今回紹介した翡翠は質が良くないので帰して来ましたが、代わりに以前から気になっていたロディン岩?を調べるのに持ち帰って来たので、それはまた後日にでも。。。