『なぜ性の真実『セクシャルパワー』は封印され続けるのか』
夏目祭子
いきなりこんな出しづらい感じのやつを出します(笑)
しかし今年読んだ中でもチャーモ書店本屋大賞ノミネート作品でもあるので。
性がテーマと言えばそうなんだけどエロス寄りな内容ではなく(笑)スピリチュアルとか書いてはあるけど極めて社会的で現実的な内容というか。
何故「性」というものがどことなく悪いもの、汚れたもののように有害なイメージとして大衆に刷り込まれて来たのか、それによる影響など、歴史を辿ったりマスメディアの印象操作だったり、その時その時の時代背景に合わせて解説されているんだけど、本当に眼から鱗な内容に終始大興奮してました。
(性的興奮じゃないぞ)
日本の性教育や世間の性に対する認識はなんか違和感だらけだったんだけど、そのあたりに限らずもっと広い範囲からこの世界の矛盾やらが紐解かれている内容。
今まで抱えていた世間の風潮や常識の違和感の正体、答えもここに全部書かれてある感じでした。
それでいて著者の考えに偏りがなく、ありのままを客観的に見ているあたりが好感を持てたな。
自分が抱えてた違和感や疑問の正体も分かり、自分の中の偏った考えも直してくれましたね。
はーっ!なるほどなーっ!!みたいな事をずっと言いながら読んでた(笑)
もっと早くこの本には出会っていたかったかもしれない。
そうすればもっと生き易い人生だったかもなーなんて思いました。
2日目
『月からのシグナル』根本順吉
月に関する本は天文学的なものからスピリチュアルなものまで色々読んだんだけど、この本は月に関する事が全部一冊に詰まってる、これさえあれば月に関して大体のことが網羅できるのでは?というくらい月に関する幅広い情報が詰まっています。
天文学的な内容から歴史や言い伝え、月にまつわる迷信じみたことも学術的にデータを示した解説がされていたり。
何度も読みたくなるような内容でますます月に興味が湧いてくる1冊でした。
人の出産や死、病気などが月の満ち欠けと関係あるのか?
とか、潮の満ち引きと月のリズムとの関係
地震と月齢のむすびつきはあるのか?
などなど統計的にデータを出してちゃんと学術的に解説しているあたりがふんわりしてなくて良い(笑)
2周読んで、今もたまにパラパラ読んでます。
とても面白い。
ブックオフで見かけたけど永久保存版決定の一冊です。
3日目
3日目はひたすらほのぼのするやつ(私はね)
『カラスの教科書』松原始
元々カラスが好きです。
特に頭がこんもりしたハシブトさんが。
これを読み終えた頃にはカラスに胸キュン間違いなし!
中身もだけど、イラストもとにかくかわゆい💕
言い方おかしいけど、カラスって人間味あるなあ、と(笑)
頭の良さにも驚くけど、親しみが湧きます。
クスッと笑える感じ。
カラスはかわゆい!好きだ!( *゜Д゜)
4日目
ほのぼの系な昨日とは一転めちゃくちゃ重い内容のものですが。
『教誨師』堀川恵子
半世紀にわたり、東京拘置所の死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会い続けた僧侶、渡邉普相さんが語る死刑の現場について。
2年ほど前にこういう死刑の現場関連の本を色々読みましたが、世の中にはまだまだ自分の知らない事が沢山あり…二極化するものなんてないのだな、と思いました。
壮絶ですが、もっと世の中に知られた方がいい内容だと思う。
ただ知る、というだけでも。
何においてもですが、部外者が声を上げるには無知ではならないなと思いました。
5日目
『悪について誰もが知るべき10の事実 Making Evil』
ジュリア・ショウ 服部由美 訳
昨日の『教誨師』からの延長から永山則夫の事件に辿り着き、犯罪が起こる背景や犯罪心理など「悪」が生まれる原因に目を向けたい、と思うようになり。
この本はそんな自分にはうってつけの内容でした。
悪というものを科学的視点から切り込んでいる一冊。
読みはじめて2ページ目で「本当にすみませんでした…」と自分を恥じる気分になりました(笑)
悪というものは特別な異常でも狂気でもなく、誰の中にもある。
私も悪でした(笑)
悪の本質を知ろうともせずに表向きの出来事ばかり見て非難ばかりするのは確かに怠慢なんだよな、と改めて思った。
その奥に潜むものこそが重要で、本来ならばそこに目を向けるべきなのに。
この本は図書館で借りて読んだんだけど、何周も読むことになりそうなので買いました。
6日目
『殺人出産』村田沙耶香
思えばこれまで小説というものを一つも出していなかったな(笑)
小説も結構読んでますよん。
少子化対策として10人出産すれば1人合法的に殺人が許される、という「殺人出産制度」という法律のある日本、という近未来の設定。
10人産んでまで殺したい人がいるわけだからよっぽどの執念なんだけど、それ以上に怖いのが、その世界に馴染んでそれを常識と捉えて振る舞う人々のシーンの方がリアリティがあってゾッとした。
こんな制度ありえないようだけど、こんな世界になってもおかしくもないだろうと思えてくる。
世の中がその流れに乗ってしまえば「異常」も「狂気」も「正常」とされてしまうんだなあ、と。
なので、この作品は私は少しも狂ってるとは感じず、今も昔も世界はずっとこんなもんだろうと。
「特定の正義に洗脳されることは狂気」
ほんまやで。
あと、「産刑」は怖い(笑)
明日が最後だけど紹介したい本は山ほどあって何をトリにするか迷ってます(笑)
最終日
『小川未明童話集』小川未明
最後に何を投下するか、迷いに迷った最終日は童話です。
「日本のアンデルセン」「児童文学の父」とも呼ばれる小川未明氏の童話短編集。
「赤いろうそくと人魚」や「月夜と眼鏡」は、幼少期に絵本で読んでいたのですが、数年前にブックオフで見かけて購入。
他の作品も、大人が読むべきものだな、と思える名作ばかりでした。
「負傷した線路と月」「月とあざらし」あたりが特に好きかな。(やはり月が好き笑)
坪田譲治の解説もとても良い。
解説だけど文学として読める。
さすが坪田譲治。
坪田譲治も「きつねとぶどう」などで好きな童話作家です。
(ちなみに小川未明、坪田譲治、浜田広介(泣いた赤鬼の作者)は「児童文学界の三種の神器」と呼ばれている)
童話を玩具同様に考える人は、小児科の医者を内科などの大人の医者よりも低級に考えてるようなものだ、っていうような事が書いてあり(もっと品よく丁寧な言い回しでしたが)全くその通りだなと思いました。
そんなわけであっという間に7日間終わってしまったけど、今日選びたかった本も色々あるんであとで番外編書きます📚
しかし、やや胸焼けするようなラインナップだったかもな(笑)
本来のルールとはちょっと違うと思いますが楽しかったヽ(・∀・)ノ
バトンは「置きバトン」でご自由にお持ちください、って事で(今後バトン関係はみんなそうしていきますね)
お付き合いいただきありがとうございました✨