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従って監視の目も厳しい。悪童どもが泳げるチャンスが少ない。
ある時ガキ大将が言い出した。「先生がきても近くまでこられないようにすれば良いだろ。」「オイ丸山、おまえン家の犬連れてきて離して吠えさせろ」
丸山の犬はシェパードだ。立派な犬で我々仲間には尻尾を振ってぺろりと一なめしてくれるが知らない人が近づくと「ウーッウーッ」と唸られるのでちょっと近づけない。
夏休みの半分を広瀬川で番犬に入り口を固めさせ遊んでいたら戦局は中国戦線が泥沼化し、突然シェパードハチ公の出征となり、飼い主に「祝 出征 ハチ公君」と襷を作ってもらい出征してしまった。
悪童どものプライベートビ ーチはあっけなく潰えた。
ある時ガキ大将が言い出した。「先生がきても近くまでこられないようにすれば良いだろ。」「オイ丸山、おまえン家の犬連れてきて離して吠えさせろ」
丸山の犬はシェパードだ。立派な犬で我々仲間には尻尾を振ってぺろりと一なめしてくれるが知らない人が近づくと「ウーッウーッ」と唸られるのでちょっと近づけない。
夏休みの半分を広瀬川で番犬に入り口を固めさせ遊んでいたら戦局は中国戦線が泥沼化し、突然シェパードハチ公の出征となり、飼い主に「祝 出征 ハチ公君」と襷を作ってもらい出征してしまった。
悪童どものプライベートビ ーチはあっけなく潰えた。
このプールで泳ぐと何しろ水温が低い上に日が当たらないので夏でも5分も泳ぐと鳥肌が立ち、唇が真っ青になってしまう。
坂の上のバス折り返し所の前の道をそのまままっすぐに歩いていくと道は細くなり現在の軽自動車でも通れない小道になる。更に歩き続けると練兵場が見える崖になる。崖の道を七曲がりに降りると急に折れてはいるが、自転車の側でブレーキをかけながら歩いて降りることは出来る。そこには広々とした泳げる場所がある。
澱橋以南は遊泳禁止になっているので学校の先生に見つかると大変なことになる。前のタヌキプールも游泳禁止だが一般に知られていないので先生達がやってくることはまず無いので安心していられる。何しろあそこは冷たいのでこちらの浜のような形をしているところの方が好きだ。
坂の上のバス折り返し所の前の道をそのまままっすぐに歩いていくと道は細くなり現在の軽自動車でも通れない小道になる。更に歩き続けると練兵場が見える崖になる。崖の道を七曲がりに降りると急に折れてはいるが、自転車の側でブレーキをかけながら歩いて降りることは出来る。そこには広々とした泳げる場所がある。
澱橋以南は遊泳禁止になっているので学校の先生に見つかると大変なことになる。前のタヌキプールも游泳禁止だが一般に知られていないので先生達がやってくることはまず無いので安心していられる。何しろあそこは冷たいのでこちらの浜のような形をしているところの方が好きだ。
坂の下のバス停からバスの後ろの台に乗ると左が広瀬川、右は伊達政宗の廟所の400年経った杉の林が雄々しく緑を際だたせている。
坂を登っていくと最後の胸突き八丁にさしかかる。
坂の手すりの切れたところに「タヌキプール入口」と落書きされている。人の話では昭和の初めからあって、代々消えかかるとなぞって書き直し今日に至ってるそうだ。
獣道のような細々とした急坂を下りていくと亜炭の鉱脈から流れてくる小さな滝が何百何千年かけて造った青々とした滝壺ががけの下にプールのように出来ている。絶景だが足下が悪いので土地の悪童以外には知られざるプールである。
坂を登っていくと最後の胸突き八丁にさしかかる。
坂の手すりの切れたところに「タヌキプール入口」と落書きされている。人の話では昭和の初めからあって、代々消えかかるとなぞって書き直し今日に至ってるそうだ。
獣道のような細々とした急坂を下りていくと亜炭の鉱脈から流れてくる小さな滝が何百何千年かけて造った青々とした滝壺ががけの下にプールのように出来ている。絶景だが足下が悪いので土地の悪童以外には知られざるプールである。
「俺たち誰かが押してやっから その代わりに後ろの台に坂の登り降りに乗っけてくれろや」これで協定は成り立ち、そのガキ大将の指図でバスの発車時刻に合わせて二人くらいがバスを押す役を買って出、坂を転がりだしたところでお釜の脇の薪炭を入れるための台に飛び乗り坂の下まで乗っていく。
帰りのバスを待っていると、バスは坂に掛かると気の毒なくらい速度が落ちてあえぐようになる。後ろの台に飛び乗って発車所まで乗っていく。
右は伊達政宗の廟の森で300年以上の杉が見事に出来ている。左は広瀬川で実に美しい眺めである。バスの後ろの台上からの眺めは格別で普段歩いてはあるいはバスの窓からは見られない風景である。
帰りのバスを待っていると、バスは坂に掛かると気の毒なくらい速度が落ちてあえぐようになる。後ろの台に飛び乗って発車所まで乗っていく。
右は伊達政宗の廟の森で300年以上の杉が見事に出来ている。左は広瀬川で実に美しい眺めである。バスの後ろの台上からの眺めは格別で普段歩いてはあるいはバスの窓からは見られない風景である。
「おい坊主、おしてくれ」
「OK」
車掌と切符を売っている小屋のおじさんと3人で押してやる。公道まで出ると下り坂だから転がりながらエンジンを掛けていく。
そうすると煙の香りがガソリンとまた違ったにおいで特に爪楊枝にする黒文字の木が入っていたときは良い香りを残していく。胸一杯香りのついた空気を吸い込んで何となく楽しい気持ちになったものだ。
バスは長い坂の1/3位降りたところでぶるぶると体を震わせて排気管から排煙を出して去っていく。
学校から帰っていつもバスの発着所で遊んでいるわけではない。車掌と切符売り場のおじさんだけでは押し切れなくて困っている様子にガキ大将が申し出た。
「OK」
車掌と切符を売っている小屋のおじさんと3人で押してやる。公道まで出ると下り坂だから転がりながらエンジンを掛けていく。
そうすると煙の香りがガソリンとまた違ったにおいで特に爪楊枝にする黒文字の木が入っていたときは良い香りを残していく。胸一杯香りのついた空気を吸い込んで何となく楽しい気持ちになったものだ。
バスは長い坂の1/3位降りたところでぶるぶると体を震わせて排気管から排煙を出して去っていく。
学校から帰っていつもバスの発着所で遊んでいるわけではない。車掌と切符売り場のおじさんだけでは押し切れなくて困っている様子にガキ大将が申し出た。
香林坊氏の家の近くにバスの終点の発着所があった。一歩公道に出ると長い降り坂になっている。薪炭バス終点まであえぐようにして登ってくる。次の発車まで30分ある。
そこで運転手さんは新しい薪を2段ほどの足場に上り釜の蓋を開き炭俵に入った薪チップを釜に一緒に入れて一休みする。時々ブロワーで風を送り火力を見ながら作業している。
物珍しそうに見ていると「オイやってみるか」「うん」ハンドルを回転させると中の火が強くなるのがよくわかる。燠になったところで水のコックをまわし、滴滴と落としてやるとバスのエンジンは掛かるはずだが、戦中バッテリ-も悪くエンジンが掛からない。
そこで運転手さんは新しい薪を2段ほどの足場に上り釜の蓋を開き炭俵に入った薪チップを釜に一緒に入れて一休みする。時々ブロワーで風を送り火力を見ながら作業している。
物珍しそうに見ていると「オイやってみるか」「うん」ハンドルを回転させると中の火が強くなるのがよくわかる。燠になったところで水のコックをまわし、滴滴と落としてやるとバスのエンジンは掛かるはずだが、戦中バッテリ-も悪くエンジンが掛からない。
蓋を開け火種を入れ炭を入れブロワーを手で廻し、赤くなったら一杯に木炭を入れ入れ再びブロワーで赤くし、蓋を閉じ水槽のコックを開け、上から滴滴と流すと音は聞こえませんがジュージューとガスが発生し、そのガスでエンジンを動かす仕組みです。
ちょっと大きいバスやトラックでは木炭では間に合わず小さくきった薪を使用して同様にガスを発生させて使っていました。
ちょっと大きいバスやトラックでは木炭では間に合わず小さくきった薪を使用して同様にガスを発生させて使っていました。
香林坊氏は子供の頃自動車の通った後の匂いが好きで自動車の後を喜んで駆け回ったものです。今はあの匂いを出す自動車はありません。
エンジンの構造が変わったのか、石油精製法が違ったのかもしれません。
戦争が長引き「石油一滴血の一滴」といわれるようになり、氏の5年か6年生の頃 木炭自動車が登場すし始めた。
木炭自動車をご存じの方は少なくなり現物で動くものはトヨタの博物館に一台だけあるそうです。木炭 自動車は後のトランクの底を抜いて車高より高い釜を据えてありました。
・・・つづく
エンジンの構造が変わったのか、石油精製法が違ったのかもしれません。
戦争が長引き「石油一滴血の一滴」といわれるようになり、氏の5年か6年生の頃 木炭自動車が登場すし始めた。
木炭自動車をご存じの方は少なくなり現物で動くものはトヨタの博物館に一台だけあるそうです。木炭 自動車は後のトランクの底を抜いて車高より高い釜を据えてありました。
・・・つづく